
以下はGeoGebraによる作図です。自分でスライダーを動かしてみてください。自動再生もできます。
3点A(0,\ a),\ B(0,\ b),\ P(x,\ 0)\\ がある.}$ \\[.2zh] \hspace{.5zw}$\mathRM{xが動くとき,\ \angle APBを最大にするxをaとbで表せ.}$ \\ {相加平均と相乗平均の関係}より$ \tan\angle\mathRM{APB}\ が最大のとき,\ \angle\mathRM{APB}\ が最大となる \angle\mathRM{APB}を余弦定理やベクトルの内積としてとらえると計算が面倒になる. \\[.2zh] \bm{座標平面上の2直線のなす角は,\ \tan\,の加法定理でとらえる}のがよい. \\[1zh] 必ず\,\alpha>\beta\,となるから,\ \angle\mathRM{APB}=\alpha-\beta\,となる. \\[.2zh] \tan\alpha,\ \tan\beta\,は,\ 直角三角形による三角比の定義により求められる. \\[.2zh] 後は,\ \tan\angle\mathRM{APB}を整理してできる\,\bunsuu{(a-b)x}{x^2+ab}\,を最大にするxをどのように求めるかが問題である. \\[.8zh] 理系ならば数\text{I\hspace{-.1em}I\hspace{-.1em}I}の微分を用いて求めることもできるが,\ 相当に面倒で応用も利かない. \\[1zh] \bm{\bunsuu{x}{x^2+A}\ の最\dot{大}値}は,\ 以下の手順で求めるのが基本である. \\[.8zh] まず,\ \bm{x\neqq0を確認した後,\ 分母分子をxで割る.} \bunsuu{x}{x^2+A}=\bunsuu{1}{x+\bunsuu Ax} \\[.2zh] これは,\ \bm{変数xの散らばりを少なくする}ためである. \\[.2zh] 変数xが分母に集まったことにより,\ 結局\bm{分母x+\bunsuu Ax\,の最\dot{小}値を求める}ことに帰着する. \\[.8zh] そして,\ x+\bunsuu Ax\,型の最小値は,\ \bm{相加平均と相乗平均の関係}を利用して求められるのであった. \\[.8zh] \bm{\underline{a>0,\ b>0}\ のとき a+b\geqq2\ruizyoukon{ab} (等号成立\ \ a=b)} \\ こうして,\ \tan\angle\mathRM{APB}は,\ x=\ruizyoukon{ab}\ のとき最大値\ \bunsuu{a-b}{2\ruizyoukon{ab}}\ をとることがわかる.の範囲では\,\tan\theta\,の値は単調に増加する}から,\ これが求めるxである.,図形的解法(方べきの定理の利用)\,}}] \\[1zh] $\textcolor{red}{\mathRM{3点A,\ B,\ P}を通る円}において,\ \angle\mathRM{APBは弦AB}に対する円周角である.$ \\ $\textcolor{cyan}{円の半径が最小となるとき,\ 円周角\angle\mathRM{APB}は最大となる.}$ \\ $\text Pがx軸上にある条件の下で円の半径が最小となるのは,\ \textcolor{red}{円がx軸に接するとき}である.$ \\[1zh] このとき,\ $\textcolor{red}{方べきの定理}より \bm{2定点を見込む角は,\ 円を持ち出して考える}という発想は常に持っておきたい. \\[1zh] 一般に,\ \bm{2定点を一定角度で見込む点は円弧上にある(円周角の定理の逆).} \\[.2zh] 言い換えると,\ \bm{2定点を見込む角が一定となるような点の軌跡は円になる.} \\[1zh] 仮に,\ 上図において点\text Pがx軸上に限らず,\ 座標平面内(ただしx>0)を自由に動けるとしよう. \\[.2zh] 点\text Pが図の円弧上(x>0)のどこにあったとしても,\ 円周角の定理より\angle\mathRM{APB}は常に一定である. \\[.2zh] また,\ 点\text Pが円内にあるとすると,\ \angle\mathRM{APB}は点\text Pが円弧上にあるときよりも大きくなる. \\[.2zh] 逆に,\ 点\text Pが円外にあるとすると,\ \angle\mathRM{APB}は点\text Pが円弧上にあるときよりも小さくなる. \\[1zh] 以上を考慮すると,\ \bm{3円\mathRM{A,\ B,\ P}を通る円が小さくなるほど,\ \angle\mathRM{APB}が大きくなる.} \\[.2zh] \mathRM{P}がx軸上にあるという条件下で円が最小になるのは,\ \bm{円がx軸と接するとき}である. \\[1zh] 実際,\ 上図において接点以外のx軸上の点は全て円の外部となる. \\[.2zh] よって,\ 接点以外の点から点\mathRM{A,\ B}を見込む角は,\ 接点から点\mathRM{A,\ B}を見込む角よりも小さくなる. \\[1zh] 結局,\ \bm{円がx軸と接するときの\mathRM{OP}の長さが求めるx}であり,\ \bm{方べきの定理}で求めると簡潔に済む. \\[.2zh] 円と交わる2直線がx軸,\ y軸,\ その交点が原点であるから \bm{\mathRM{OP^2=OA\times OB}} \\\\ 本問は,\ 壁に掛けられた絵画\text{AB}をどの位置から見るべきかを考えるときの1つのモデルである. \\[.2zh] (見やすい)=(視野角が大きい)とすると,\ x=\ruizyoukon{ab}\,となる位置から見るべきというわけである. \\[.2zh] これは,\ レギオモンタヌスの問題として知られている.