高校2年生になったとき、突然矢印遊びが始まる。最初はその意義や意味が分からず戸惑うことだろう。しかし、学習を進めていくなかで、徐々にベクトルの有用性がわかってくるはずである。
平面図形の問題を幾何的手法で解こうとするとひらめきが必要なることも多く、常人には難易度が高くなる。中学生のときに図形問題に苦労したことを思い出せばよい。三平方の定理や相似などの限られた幾何的知識のみで図形問題を解くのは至難の業である。到底気付かないような補助線を引いた解答を見て自分には数学的センスがないと思った学生もいたことであろう。
しかし、美しくテクニカルに解くだけが数学ではない。いざというときはゴリ押しで求めることも可能なのが数学の強さである。
ベクトルの大きなメリットの1つは「図形問題を解くときにひらめく必要がない」ことである。ベクトルを用いると図形問題が単なる機械的な計算問題と化す。そのベクトルの意義は演習を積み重ねていくなかでわかってくる。
平面ベクトルは空間ベクトルの基礎である。空間に進む前にしっかりと平面ベクトルの考え方を学習しておくこと。
☆当カテゴリの印刷用pdfファイル販売中☆
当カテゴリ内記事一覧
- ベクトルの基本と演算法則、等式の証明、正六角形
- ベクトルの成分表示と大きさ、成分によるベクトルの演算
- ベクトルの成分表示と平行条件
- ベクトルの成分表示と平行四辺形
- ベクトルの1次結合sa+tbと1次独立
- ベクトルの内積a・bの定義とその理由、性質、図形的意味
- 余弦定理のベクトル表示と内積の定義の成分表示の証明
- ベクトルの内積の定義の成分表示となす角, 垂直条件
- ベクトル|a+tb|の大きさの最小値と図形的意味
- 三角形の面積のベクトル表示・成分表示とその証明
- ベクトルの不等式の証明(コーシー・シュワルツの不等式、三角形の成立条件)
- 変数変換によるベクトルの和の大きさの最大・最小
- ベクトルの内積とax+byの最大最小
- ベクトルの急所!「位置ベクトル」の概念と内分点・外分点・中点・重心の位置ベクトル
- ベクトルの共線条件(3点が一直線上にある条件)
- ベクトルの共点条件(複数の点が一致する条件)
- aPA+bPB+cPC=0を満たす点Pの位置と三角形の面積比
- 2直線の交点の位置ベクトル(ベクトル分野ダントツNo.1頻出問題)
- 加重重心(裏技)による点Pの位置問題と交点の位置ベクトル問題
- 角の二等分線のベクトル2パターン
- 正射影ベクトル(直交射影ベクトル)
- 三角形の内心の位置ベクトル
- 三角形の垂心の位置ベクトル
- 三角形の外心の位置ベクトル
- ベクトルとオイラー線(三角形の重心G・外心O・垂心Hの位置関係)
- 三角形の外心Oに関するベクトルの等式 aOA+bOB+cOC=0
- ベクトルの内積の等式を満たす三角形の形状
- ベクトルと正五角形、cos108°の値
- 直線のベクトル方程式3パターン
- 円のベクトル方程式2パターン
- 円の接線のベクトル方程式2パターン
- ベクトル方程式が表す点Pの軌跡(前編)
- ベクトル方程式が表す点Pの軌跡(後編)
- 斜交座標系とベクトル(直交座標系の一般化)
- ベクトルの終点の存在範囲