ベクトルの成分表示と大きさ、成分によるベクトルの演算

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座標平面上の図形を扱うことを想定し,\ ベクトルを$x成分とy成分}$で表す.}}
 次のように,\ 座標A$(a_1,\ a_2)$と座標B$(b_1,\ b_2)$が与えられたとする. \\\\
AB}=(b_1-a_1,\ b_2-a_2)}}$}} \\\\
 成分表示に関する注意点}}を2つ挙げる.
  [1]\ \ 座標と成分の混同に注意する.} \\[.5zh]
\ A}(3,\ 2)}} &  A}は,\ x座標3,\ y座標2の点}}である. \\[.5zh]
\ AB}=(3,\ 2)}} &  AB}\ は,\ x成分3,\ y成分2のベクトル}}である.
\end{cases}$
  [2]\ \ $AB}\ を成分で表示するとき,\ 座標B}から座標A}を引く
[1]\ \ AB}=(3,\ 2)は,\ 点\text Aからx方向に3,\ y方向に2行くと点\text Bに到達することを意味する.
[1]}\ \ このような点\text{A,\ B}の組は座標平面上に無限にある.
[1]}\ \ 例えば,\ \text A(1,0)と\text B(4,\ 2)や\text A(-\,2,\ -\,5)と\text B(1,\ -\,3)などである.
[1]}\ \ \text A(3,\ 2)が座標平面上の決まった1点(3,\ 2)のみを表すこととの違いに注意してほしい.
[1]}\ \ ここで,\ 点\text A(3,\ 2)に対して原点\text O(0,\ 0)を始点としたベクトル\,OA}\,を考えてみよう.
[1]}\ \ OA}\,の成分は\ OA}=(3,\ 2)-(0,\ 0)=(3,\ 2)\ であり,\ 点\text Aの座標(3,\ 2)と一致する.
[1]}\ \ この原点を始点にとると座標と成分が一致する}という事実は,\ 応用上極めて重要である.
[1]}\ \ 後に「点 Aの座標を求める」=「\,OA}\,の成分を求める」}を利用して図形問題を解くことになる.
[2]\ \ 座標\text A(a_1,\ a_2),\ \text B(b_1,\ b_2)に対して原点\text{O}を始点とすると OA}=(a_1,\ a_2),\ \ OB}=(b_1,\ b_2) \\[.4zh]
[1]}\ \ ここで,\ ベクトルの始点を変更するとき,\ 矢印の矢先から尾を引くのであった.
[1]}\ \ よって,\ AB}=OB}-OA}=(b_1,\ b_2)-(a_1-a_2)=(b_1-a_1,\ b_2-a_2)\ である.
ベクトル\ $AB}=(b_1-a_1,\ b_2-a_2)}$\ の大きさ}}
ti{AB}}=√(b_1-a_1)^2+(b_2-a_2)^2}}}$}
   $AB}}$の大きさは図形的には線分ABの長さ}}なので,\ 単なる三平方の定理}}である.
   大きさは絶対値記号で表すが,\ 負を正にする絶対値とは別物と考えておく. \\\\

 \textcolor{blue}{成分によるベクトルの演算}}
   $x成分}とy成分}をそれぞれ計算する.}$ \\[.
   成分を縦に表記するとわかりやすい(成分が4個,\ 5個になる大学ではこれが普通). \\[.5zh]
a=(2,\ 3),\ b=(-\,4,\ 2)$のとき,\ ベクトル$2a-b$を成分で表し,\ 大きさを求めよ. \\[.5zh]
\hspace{.5zw}さらに,\ $2a-b$と平行な単位ベクトル$e$を求めよ.
2a-b\,の成分は,\ x成分とy成分を別々に計算するだけである.
大きさは\ √8^2+4^2}=√80}=4√5\ と計算してもよいが,\ うまくない.
今後z成分も考慮したり,\ 数値が大きくなったりした場合,\ 計算が一気に面倒になる.
2a-b=(8,\ 4)=4(2,\ 1)と考えると,\ 実質的に\ √2^2+1^2}=√5\ だけの計算で済む.
大きさが1のベクトル}が単位ベクトルなので,\ a\,の単位ベクトルは となるのであった. \\[.5zh]
例えば,\ a\,の大きさ{a}=2ならば,\ \bunsuu{a}{2}\,として大きさが1のベクトルを作ることができる. \\[.6zh]
ただし,\ a\ の単位ベクトルには,\ 同じ向きのもの\,\bunsuu{a}{{a}}\,と逆向きのもの\,-\bunsuu{a}{{a}}\,が存在する. \\[1.3zh]
「同じ向き」「逆向き」ならば一方のみ,\ 「平行な」ならば両方を答える.