ベクトル方程式が表す点Pの軌跡(前編)

平面上の$$ABCに対し,\ 動点Pがベクトル方程式$AP}+BP=AB}+AC$を満た
すとき,\ 点Pが描く軌跡を求めよ.
とにかく{始点を統一}するのが原則である.
別解1のように任意の点\text Oを始点としてもよいが,\ {三角形の頂点を始点とする}ほうが簡潔になる.
頂点\text Aを始点にとると,\ 動点\text Pが点\text Aからみてどのような点の集合であるかかがわかる.
それが動点\text Pが描く軌跡である.
さて,\ 問題になるのは始点を統一した後,\ どのような形に変形すると軌跡がわかるかである.
まず,\ 結論を言ってしまうと,\ {高確率で答えは円}である.
ベクトル表現が簡潔で意義深い図形は直線と円に限られ,\ 直線は問題として面白くないからである.
よって,\ {円の中心と半径がわかる形に変形}し,\ それを求められるかが問われていることになる.
円のベクトル方程式には,\ 以下の2通りの表現があった.\ これらの形を目指して変形することになる.
{中心 C(c),\ 半径rの円}     {p-c}=r}
{ A(a),\ B(b)を直径とする円}  \ {(p-a)(p-b)=0}
2式は同じ円を表すから理論上はどちらの形にも変形できるはずだが,\ 当然変形がより楽な方を選ぶ.
本問はの形を目指すのが簡潔である.
両辺に絶対値がついており(つまり両辺は長さを表す),\ かつ右辺に\text Pがないからである.
最初からほぼの形になっているといっても過言ではない.
実際には始点を統一した後,\ 両辺を2で割って{pの係数を1にする}必要がある.
最後は{式から図形的意味を読み取って答える}わけだが,\ ベクトルの理解が不十分だと間違えやすい.
まず,\ 中心は{b}{2}である.AB}=bとしたのであるから,\ {b}{2}は辺AB}の中点を表す.
また,\ {b+c}{2}は点\text Aに対する辺{BC}の中点の位置ベクトルであるから,\ 右辺はAMの長さ}を表す.
半径はBCの長さの半分ではない}ことに注意してほしい.
始点を統一するとき,\ 位置ベクトルを小文字に置き換えることが多い.
しかし,\ 記述が簡潔になるだけで本質的な意味はなく,\ 始点の明記がない分わかりづらくなる.
置き換えなければ\ {AP}-{AB{2={AB}+AC{2}\ となる.\ 特に初学者にはこちらをオススメする.
なお,\ をの形に変形すると,\ 直径の両端がわかる.\ 基本通り,\ ベクトルの大きさを2乗して扱う. \
これで点\text Aに対する位置ベクトルが{-{c}{2}とb+{c}{2}となる2点を直径の両端とする円}とわかる.
結局同じ円になることを図で確認しておいてほしい.
別解1のように任意の点\text Oを始点とすると,\ 事実上文字が1つ増えるので後が面倒になる.
始点を\text Oとした場合,\ {a+b}{2}は辺{AB}の中点を表す.
また,\ {b+c}{2}は辺{BC}の中点\text Mを表すから,\ {b+c}{2}-a}=OM}-OA=AM\ である.
ベクトル方程式の問題には最終手段がある(別解2).
{各点の座標を設定し,\ 座標平面の問題に帰着させる}というものである.
必然的に文字が多くなり計算が面倒になるが,\ ゴリ押しが可能になる.
座標はできるだけ計算が楽になるように設定すればよいが,\ {一般性を失わないように注意する.}
頂点\text Aを原点とし,\ 辺AB}がx軸上にあるとしても一般性を失わない(どんな三角形でも表せる).
成分の計算をして両辺を2乗し,\ (x-a)²+(y-b)²=r²の形に変形すればよい.
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