当カテゴリでは、高校数学の最重要分野「微分・積分」のうち、微分法の基本計算および頻出のグラフの図示のパターンを網羅する。
微分・積分は大学数学の柱であり、多くの大学の2 次記述試験では数Ⅲの微分・積分の問題が5 割近くを占める。微分・積分ができない学生は大学に必要ないということである。心して学習してもらいたい。
数Ⅲの微分は多くの場合に通用する一般的な方法があるため、それがない積分と比べるとかなり容易である。公式暗記および積の微分法・商の微分法・合成関数の微分法の習得のみでほとんどの関数を微分できる。
後はそれ以外の特殊なもの(対数微分法・逆関数の微分法・陰関数の微分法・媒介変数表示関数の微分法)を確認しておけばよい。
微分計算は単にできるというだけでなく、重要なのは「素早く正確に微分計算を実行できるか」である。
数Ⅲの主要な問題の大まかな流れとしては、「微分計算 → 増減表 → グラフの図示 → 積分計算で面積を求める」であり、これを20~30分程度で行わなければならない。
この一連の流れの中で要求される計算量は膨大である。微分計算ごときに手こずっているようではとても時間内に終わらないし、微分計算の時点で計算間違いをしようものなら後が全滅する。
2次記述試験では、数Ⅲの微分積分分野から少なくとも1題は出題される。出題率はほぼ100%と考えてもよい。易問・難問に関わらず、その中で「微分してグラフを描く」というのは誰もが機械的に点を取れる部分であり、そこで失点した人は合格から大きく遠ざかる。
それゆえ、多くの微分計算演習をして素早く正確に実行できるようになっていなければ、実戦では戦えない。微分積分で計算ミスをした場合、それだけで不合格になると考えておいてもらいたい。
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- 高次導関数と数学的帰納法、代表的な第n次導関数
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