sinA=sinB、cosA=cosB、tanA=tanB、sinA=cosB型の三角方程式

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これらの型は通常は習わない割に利用機会は多いという高校数学の盲点の1つである. \\[.2zh]  問題集や参考書にも載っていないことが多いので,\ 是非ここで習得しておいてほしい. \\  $\sin A=\sin B$型の方程式を考える.\ 他の型も考え方は同じである. \\[1zh]  $A=B$のとき,\ 明らかに$\sin A=\sin B$である. \\[.2zh]  だからといって,\ $\sin A=\sin B\ \Longleftrightarrow\ A=B$は\textbf{成り立たない.} \\[.2zh]  $A=B$以外にも$\sin A=\sin B$となる場合があるからである. \\[.2zh]  $\sin$は図形的には$y$座標のことなので,\ \textcolor{cyan}{$y$座標が$B$と同じ$\pi-B$の$\sin$も値が等しくなる.} \\[.2zh]  結局,\ $\bm{\textcolor{red}{A=B,\ \pi-B}}\ となるわけである.$ \\[.2zh]  実際には何周かした角もすべて方程式を満たすから,\ $\textcolor{red}{2n\pi\,を加えて一般角にする.}$ \\\\  また,\ $\tan A=\tan B 型は,\ 図より\,\textcolor{red}{A=B+2n\pi,\ \pi+B+2n\pi}\ である.$ \\  これは結局,\ $\bm{\textcolor{red}{A=B+n\pi}}\ と1つにまとめることができる.$ \\\\\\ \sin A=\sin B\ \Longleftrightarrow\ A=B+2n\pi,\ \ \pi-B+2n\pi\ を適用する. \\[.2zh] それぞれ\ \theta\ について解き,\ さらに\ \bm{0\leqq\theta<2\pi\ となるような整数nを全て調べる.} \\[.2zh] それらしい整数nを代入していってみてもよいし,\ 以下のように数式で求めてもよい. \\[.2zh]  0\leqq\bunsuu17\pi+\bunsuu27n\pi<2\pi\ より\ \ -\bunsuu12\leqq n<\bunsuu{13}{2}   これを満たす整数nは\ 0\,~\,6 \\\\ 仮に\sin A=\sin B型の解法を知らなかった場合,\ 和積の公式を用いることになる. \\[.2zh] \sin4\theta-\sin3\theta=2\cos\bunsuu72\theta\sin\bunsuu{1}{2}\theta=0\ より,\ \cos\bunsuu72\theta=0,\ \sin\bunsuu12\theta=0\ を解けばよい. \\\\ 本問は2倍角の公式と3倍角の公式を利用して求めることもできるが,\ 5\theta\,以上への応用が利かない. \bm{余角の公式を用いて,\ \sin A=\sin B型か\cos A=\cos B型に帰着させる.} \\[.2zh] ここでは,\ 後の計算が楽そうな\ \cos A=\cos B型に帰着させることにした. \\[.2zh] 余角の公式\ \bm{\cos\hspace{-.2zw}\left(\bunsuu{\pi}{2}-\theta\right)=\sin\theta\ を逆に用いると,\ \sin2\theta\,を\cos に変換できる.} \\[.8zh] \cos A=\cos B\ \Longleftrightarrow\ A=\pm\,B+2n\pi\ を適用し,\ 0\leqq\theta<2\pi\,を満たす整数nを調べればよい.