証明は容易で,\ 加法定理において\ β\ →\ α\ }とするだけである.
利用機会が極めて多い}ので,\ 毎回加法定理から導くというのは推奨されない.
問題演習する中で自然に覚えてしまうのが理想だが,\ それが無理ならば丸暗記したほうがよい.
特に,\ \cos2α\,の公式は,\ 3通りの表現を全て丸暗記}しておくべきである.
丸暗記とはいっても,\ 導き方を理解した上での暗記}であることに注意してほしい. \\
④の形で2倍角の公式を利用することも少なくない.
④により,\ 三角関数の次数を2次から1次に下げる}ことができる.
場合によっては,\ 角を2倍にしてでも次数を低くする必要があるのである.
素早く次数を下げるために,\ ④の形でも暗記}しておくことが望ましい.
また,\ 以下で示すように,\ ④は実質半角の公式でもある.
[1]\ 2倍角の公式④において,\ α\ →\ α}{2}\ と変換すると得られる.}
よって,\ [1]\,④の形で暗記していれば,\ 半角の公式はほぼ暗記する必要はない.
また,\ 半角の公式よりも[1]\,④の形で利用することの方が多い.}
それゆえ,\ [1]\,④の形でも暗記しておくことを推奨したわけである.
半角の公式は,\ いずれも2乗がつくことを忘れやすい}ので要注意である.
半角の公式の応用として,\ √{1-\cosα},\ \ √{1+\cosα}\ の根号をはずす}ことができる.
(1)\ \ 2倍すると綺麗な角になる場合,\ 半角の公式を利用して三角関数の値を求めることができる.
\ \ 67.5°×2=135°}\,に着目し,\ \cos^2α}{2}=1+\cosα}{2}\,を適用する.
\ \ α}{2}=67.5°\,と考えることになるから,\ α=135°\,である.
\ \ このとき,\ 一旦2乗する}必要がある.\ \cos67.5°\,の正負を確認}した上で2乗をはずす.\
\ \ 67.5°\,は第1象限の角であるから,\ その\,\cos\,は正である.\ なお,\ 67.5°=38π\ である.
\ \ \cos^2α=1+\cos2α}{2}\,において\,α=67.5°\,とすると考えてもよい.
(2)\ \ π}{8}×2=π}{4\ に着目し,\ \tan^2α}{2}=1-\cosα}{1+\cosα}\,を適用する.
\ \ 有理化}するとき分子を2乗をすることになるが,\ これを展開する必要はない.
\ \ 安易に√{(√2-1)^2}=√2-1\,としてはならないことに注意する.
\ \ 一般に,\ √{A^2}= Aであるから,\ √{(√2-1)^2}=√2-1}\,である.
\ \ Aは,\ A≧0のときA,\ A≦0のとき-Aとなるのであった.\ \ なお,\ π}{8}=22.5°\ である.
角の範囲に注意して\ \cosθ\ の値を求めると,\ 後は2倍角の公式に代入するだけである.
\cos2θ\ は3通りの表現があるが,\ 問題で与えられた\,\sinθ\,で求まるものを利用するのが安全である.
\cosθ\,の値が万が一間違っていると,\ \cos2θ\,の値も間違えてしまうからである.
\tan2θ\ だけを求めたいならば,\ 別解のように計算することになる.
\cos2θ\,を\,\sin^22θ+\cos^22θ=1\,を利用して\,\sin2θ\,から求めることも可能だが推奨されない.
2乗の計算が面倒になるだけでなく,\ 2乗をはずすときに正負の判断をより慎重に行う必要が生じる.
実際に求めてみよう
より厳しく角の範囲を限定しなければ,\ \cos2θ\,の正負を判断することができない. より\,\cos2θであるから,\ \cos2θ=7}{25}\,となる.一旦2乗して半角の公式を利用する.
2乗をはずすとき,\ θ}{2}\,の範囲を求めて正負を判断する}必要がある.
\tanθ}{2}\,のみを求めればよい場合,\ 別解のように計算する.