これらの公式を暗記すべきか否かということがたびたび話題になる。実際、「丸暗記せずに導き方を覚えよ」という教師が多いように思う。これは、使う機会が低く紛らわしい公式であるために、暗記を面倒くさがって結局覚えない学生が多いことも理由の1つであろう。

個人的には、少なくとも理系は暗記すべきだと考える。この公式に限った話ではないが、暗記しておけば済むものを本番の限られた時間にいちいち導くのは時間の無駄ではないだろうか。相対評価である受験において、そのわずかな時間が他の受験生との差になりうる。しかも、工夫さえすればそこまで覚えにくい公式であるわけでもないし、有名なゴロ合わせも存在する。能力の高い人ほど、「公式は丸暗記してしまったほうが楽」と考えている。結果、素早く問題を解くことができる。この程度の公式の暗記に抵抗感を持っているようでは、試験本番でそういう人を上回ることは難しいだろう。ただし、導き方そのものが問われることもあるので、丸暗記ではなく導き方も知っておくべきである。

ちなみに、覚えにくい公式などを試験直前に暗記して試験が始まった瞬間に問題用紙の端に書いてしまうという方法がある。これを「合法カンニング」と呼ぶ人もいる。

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積和・和積は,\ ただでさえ公式が多い三角関数の中で最も厄介な公式である. \\ 基本的にはさほど使わないが,\ レベルが高くなるにつれて,\ 使う機会が増える. \\\\ この公式をどう扱うかに関して,\ いくつかの考え方がある. \\ 最高の理想は,\ 導くこともできて,\ 丸暗記もできていることである. \\ ただし,\ 出題頻度を考えると,\ 導くことさえできれば問題はない. \\ 一方,\ ゴロ合わせなどで丸暗記してしまう手もある. \\ 公式の導出自体が問題として出題されない限り,\ これでもよい. \\ 紛らわしいので覚えにくいが,\ 逆に考えれば\bm{違う部分を暗記すればよい.} \\[1zh] 積→和は加法定理から素早く導けるため,\ 丸暗記の利点は少ない. \\ 一方,\ 和→積を導こうとすると,\ 一旦積→和を経由する必要がある. \\ このことを考慮すれば,\ 和→積は丸暗記してしまうほうがよいかもしれない. 積→和の公式の導出}} \textbf{\textcolor{red}{加法定理の正負ペアの和・差をとる.}} \\[1zh] \sin\alpha\cos\beta\ の公式が欲しければ,\ それを含む加法定理を利用する. \\ \sin(\alpha+\beta)\ と\ \sin(\alpha-\beta)\ に含まれるが,\ \cos\alpha\sin\beta\ が邪魔である. \\ \bm{2式の両辺を足して\ \cos\alpha\sin\beta\ を消去}すれば,\ \sin\alpha\cos\beta\ の公式が得られる. \\ 1例を示したが,\ 他の公式も同様の手法で得られる. 和→積の公式の導出} 和→積の公式は,\ 積→和の公式から導くことになる. \\ よって,\ 一から作る場合,\ 一旦積→和の公式を作らなければならない. \\[1zh] \bm{積→和の公式は,\ 見方を変えれば既に和→積の公式}である. \\ これをよりわかりやすくするために,\ \bm{文字を置換しただけ}である. \bm{2角の和・差の三角比の値が綺麗になる}ことに着目し,\ 和積の公式を適用する. \\ どう組み合わせても一方が綺麗になるが,\ 本問は別解の組合せが結果的に楽である. \\ 差が負にならないように,\ 順番を入れ替えてから和積の公式を適用した. \\ \cos A+\cos B=2\cos\bunsuu{A+B}{2}\cos\bunsuu{A-B}{2} \\[1zh] 本解は,\ 結局2つの\ \cos\ の和に帰着する. \\ 後は,\ \bm{わかりにくい角は鋭角に直してみる}という基本に従えば,\ うまく相殺される. \\[1zh] 途中過程を詳細に示したが,\ 実際には最低限の記述で素早く求めればよい. \bm{2角の和・差の三角比が綺麗になる}ことに着目し,\ 積和の公式を適用する. \\ どう組み合わせても一方が綺麗になるが,\ 本問は別解の組合せが結果的に楽である. \\ 差が負にならないように,\ 順番を入れ替えてから積和の公式を適用した. \\ \bm{2回積和の公式を適用}すると,\ \sin\ の和に帰着する. \\ 後は,\ \bm{わかりにくい角は鋭角に直してみる}という基本に従えば,\ うまく相殺される. \\ 途中過程を詳細に示したが,\ 実際には最低限の記述で素早く求めればよい.