2直線のなす角と正接(tan)の加法定理

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交わる2直線\ y=m_1x+n_1,\ y=m_2x+n_2\ のなす角を\ θ\ とする.$ 2直線のなす角\ θ\ というと,\ 普通鋭角}を意味する. 直線は平行移動で傾きが変化しないので,\ 交点が原点となるように平行移動して考える. 原点で交わる2直線y=m_1x,\ y=m_2xのx軸の正方向となす角を\ α,\ β\ とする. の場合を考えると,\ 上左図の場合,\ 鋭角\ θ=α-β\ である. また,\ 上右図では\,α-β\,が鈍角となるから,\ 鋭角\ θ=π-(α-β)\ である. さらに,\ α<β\ のとき,\ 鋭角\ θ=β-α\ または\ θ=π-(β-α)\ である. つまり,\ 2直線の位置関係と設定次第で,\ 鋭角\ θ\ の表現は4パターンありえる. 問題ごとに4パターンのどれであるかを考えたり,\ 場合分けしたりするのは非常に面倒である. ここで,\ 4通りの\,θ\,の\,\tan\,を考える.}\ \ \tanθ=\tan(α-β)}\ を基準とする. が鋭角のとき\,\tanθ\,は正である. よって,\ θ\,の表現がどの場合であれ,\ \tan(α-β)\,の値を正にしたものが\,\tanθ\,であるといえる. 結局,\ 2直線の位置関係と設定によらず,\ \tan(α-β)}\ を計算すれば済む}というわけである. これに加法定理\ \tan(α-β)=\tanα-\tanβ}{1+\tanα\tanβ}\ を適用する. さらに,\ \tanα=m_1,\ \tanβ=m_2}\,であることから,\ 上の公式が得られる. なお,\ 傾きm=\tanθ\,であることは数I}の三角比分野で学習済みである. 実用上は,\ 以下の点に注意する必要がある. (分母)=1+m_1m_2=0,\ つまり\ m_1m_2=-\,1\ のとき,\ \tanθ\,の公式は適用できない.} m_1m_2=-\,1は,\ 2直線の垂直条件}であった(数I-.2zw}I}:図形と方程式で学習済み). 座標平面上の2直線のなす角を扱う場合,\ \tan\,でとらえる}のが基本である. 余弦定理やベクトルの内積でとらえる方法もあるが,\ 2乗や根号のせいで扱いが面倒になりやすい. (1)\ \ 2直線が直交しないことを確認した上で公式を適用すればよい. \ \ 教科書や参考書では,\ \tanθ=m_1-m_2}{1+m_1m_2\ を公式としていないことが多い. \ \ この場合,\ \tanα\,と\,\tanβ\,から加法定理を用いて求めることになる(別解). (2)\ \ 直線の傾きをmとおいて公式を適用した後,\ 次を利用すればよい. ,の角をなす直線には,\ +π}{3}\,回転したものと-π}{3}\,回転したものがあることに注意する.