4次関数のグラフの図示

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y$が4次関数ならば$y’$は3次関数であり,\{$\bm{y’=0}$は3次方程式}}となる. \\[.2zh]  3次方程式は$n$重解を$n$個と数えると必ず3個の解をもち,\ 少なくとも1個は実数解である. \\[.2zh]  よって,\ 解の種類が4パターン考えられる. \\[1zh]   (1)\ \ $y’=0$が\textbf{\textcolor{red}{3個の異なる実数解$\bm{\alpha,\ \beta,\ \gamma}$}}をもつ \\[.4zh]   (2)\ \ $y’=0$が\textbf{\textcolor{red}{2重実数解$\bm{\alpha,\ \alpha}$と他の実数解$\bm{\beta}$}}をもつ \\[.4zh]   (3)\ \ $y’=0$が\textbf{\textcolor{red}{1個の実数解$\bm{\alpha}$と2個の共役な虚数解$\bm{\beta,\ \kyouyaku{\beta}}$}}をもつ \\[.4zh]   (4)\ \ $y’=0$が\textbf{\textcolor{red}{3重実数解$\bm{\alpha,\ \alpha,\ \alpha}$}}をもつ \\[1zh]  これに応じて,\ \textbf{\textcolor{blue}{4次関数のグラフの概形は本質的に4パターンに分類}}される 増減表のy’\,の行は,\ xに適当な値を代入して埋める人が多い. \\[.2zh] しかし,\ \bm{3次関数y’\,のグラフをイメージして埋めるのが本質的}である. \\[.2zh] y’=0よりx=0,\ 1,\ 3でx軸と交わることを考慮すると容易にイメージできる. \\[.2zh] もちろん,\ 3次関数のグラフの形を覚えていることが前提である. \\[.2zh] y’\,は,\ x\leqq0では\,-,\ 0\leqq x\leqq1では\,+,\ 1\leqq x\leqq3では\,-,\ 3\leqq xでは+である. \\[.2zh] これに応じて,\ 4次関数yは,\ x=0,\ 1,\ 3で極値をもつグラフとなる. \\[.2zh] 結局,\ y’=0が3個の異なる実数解をもつときのyのグラフは\text{W}のようになる. \\[1zh] ただし,\ yのx^4\,の係数が負の場合,\ y’\,の符号は\,+,\ -,\ +,\ -\,となる. \\[.2zh] 図形的には上下が逆になることを意味するから,\ 4次関数yのグラフは\ \text{\raisebox{.8zh}{\rotatebox{180}{W}}}\ のようになる. \\[1zh] 4次関数のグラフを描くとき,\ 極値およびy軸との交点をとるのが基本である. \\[.2zh] 本問はたまたま極値とy軸との交点が一致している. \\[-16zh] (重解)=(接する)より,\ y’\,のグラフはx=0で交わり,\ x=3でx軸と接する. \\[.2zh] x^3\,の係数が-であることも考慮すると,\ y’\,のグラフは右図となる. \\[.2zh] これに応じて,\ 4次関数yはx=0で極値をもつグラフとなる. \\[.2zh] また,\ x=3で一瞬だけy軸と平行になる. \\[-6zh] 因数定理「\,P(\alpha)=0\ \Longleftrightarrow\ P(x)がx-\alpha\,を因数にもつ」を用いて因数分解する. \\[.2zh] 常より,\ y’=0の実数解はx=2だけである. \\[.8zh] y’\,の正負はx-2のみで決まるので,\ y’\,のグラフをイメージせずとも容易に増減表を作成できる. \\[.2zh] 結局,\ 4次関数yはx=2で極値をもつグラフとなる. \\[.2zh] (2)のグラフとの本質的な違いは,\ y軸と一瞬だけ平行になる点があるか否かである. \\[1zh] さて,\ (3)と(4)の増減表は同様のものになるが,\ グラフは本質的には別物である. \\[.2zh] しかし,\ 数\text{I\hspace{-.1em}I}の範囲では,\ 凹凸まで正確なグラフを描くことはできない. \\[.2zh] よって,\ それらしいグラフを適当に描くしかない. \\[.2zh] この増減表だけを見て描けば,\ 放物線y=x^2\,と同様のグラフになるだろう. \\[.2zh] 正確に描けず概形もつまらないので,\ (3),\ (4)のようなグラフの図示が試験で問われる可能性は低い. \\[1zh] ここでは,\ 数\text{I\hspace{-.1em}I\hspace{-.1em}I}の微分の知識がある場合のグラフを示した. \\[.2zh] 一般に,\ y”>0となる範囲でyは下に凸,\ y”<0となる範囲でyは上に凸となる. \\[.2zh] y''=12x^2-12x=12x(x-1)より,\ y''\,の符号はx=0,\ 1を境に変化する. \\[.2zh] yは,\ x\leqq0で下に凸,\ 0\leqq x\leqq1で上に凸,\ 1\leqq xで下に凸となる. 因数定理でもよいが,\ (a-b)^3=a^3-3a^2b+3ab^2-b^3\,の逆に気付けば速い. \\[.2zh] 以下のように因数分解することもできる. \\[.2zh]  x^3-3x^2+3x-1=x^3-1-3x^2+3x=(x-1)(x^2+x+1)-3x(x-1) \\[.2zh] \phantom{ x^3-3x^2+3x-1}=(x-1)(x^2+x+1-3x)=(x-1)(x^2-2x+1)=(x+1)^3\, \\[1zh] (3)と同様の増減表となり,\ 4次関数yはx=1で極値をもつグラフとなる. \\[.2zh] y軸との交点は,\ \left(0,\ \bunsuu14\right)である. \\[.8zh] 正確には,\ y=(x-1)^2\,のグラフを上から押しつぶしたようなグラフとなる. \\[1zh] 常にy''=3(x-1)^2\geqq0より,\ 常に下に凸である. \\[.2zh] 凹凸が変化しないという意味で,\ (3)のグラフとは本質的に別物といえる.