3次関数のグラフが変曲点に関して対称であることの証明(3次関数のグラフの点対称性)

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a,\ b,\ c,\ d$を実数とし,\ 3次関数を$f(x)=ax^3+bx^2+cx+d$とする. (1)\ \ $y=f(x)$上の2点A($α,\ f(α)$),\ B($β,\ f(β)$)\ ($α≠β$)における接線が平行である \ \ とき,\ 線分ABの中点Mは定点であり,\ かつ$y=f(x)$上にあることを示せ. (2)\ \ $y=f(x)$のグラフが点Mに関して点対称であることを示せ. \\ 3次関数のグラフの点対称性 接線が並行ということは,\ 傾き(微分係数)が等しい}ということである. 一般に,\ f(x)-f(y)の形の式は交代式}(2つの変数を入れ替えると符号が逆になる式)である. 実際,\ xとyを入れ替えると,\ f(y)-f(x)=-\,\{f(x)-f(y)\}\ となる. 2変数x,\ yの交代式は,\ 必ず差x-yを因数にもつ}のであった. g(x)=f(x)-f(y)\,とすると,\ g(y)=f(y)-f(y)=0となるからである(因数定理). f'(α)-f'(β)=0として因数分解すると,\ α+β\,が求まる.\ 3次関数であるから,\ a≠0である.数学の問題を解くときは,\ 最初の時点で最終目標が認識できているかが重要である. 中点 Mが点A,\ B}の位置に依存しない,\ つまりbf Mを\,α,\ β\,を含まない形で表す}ことが目標である. 中点の座標は足して2で割ると求まるのであった.\ x座標は,\ α+β=-2b}{3a}\,を適用すれば済む. y座標のf(α)+f(β)は,\ 2変数\,α,\ β\,を入れ替えても変わらない式なので対称式}である. すべての対称式は,\ 基本対称式\,α,\ β\,のみで表せる}のであった. α+β=-2b}{3a}\,を適用すると,\ 中点 Mが\,α,\ β\,を含まない形で表される. さらに中点 Mがy=f(x)上にあることを示す.\ Mの座標をy=f(x)に代入して成り立てばよい. 実際には,\ x=-b}{3a}\,をf(x)に代入して計算し,\ y座標\,2b^3}{27a^2}-bc}{3a}+d\,と一致することを確認する. $y=f(x)$のグラフを中点Mが原点にくるように平行移動}したグラフを$g(x)$とする. \\ 対称点が原点にくるよう平行移動した関数が奇関数(原点対称)であることを示す}解法が簡潔である. x方向に\,b}{3a},\ y方向に\,-2b^3}{27a^2}-bc}{3a}+d平行移動すると,\ 中点 Mが原点に移る. y=f(x)をx方向にp,\ y方向にq平行移動するとき,\ y-q=f(x-p)とするのであった. つまり,\ y=f(x-p)+qであり,\ 後で奇関数であることを示すためにこのyをg(x)とおいておく. \\として,\ g(x)=f(x-p)+qを計算する. 後はg(x)が奇関数(原点対称)となるための条件g(-\,x)=-\,g(x)}の成立を確認すればよい. この式は,\ xのときのy座標g(x)と-xのときのy座標g(-\,x)が正負逆}であることを意味する. 実際には,\ g(-\,x)を計算し,\ -\,g(x)と一致することを示す. y=f(x)$上の任意の点$(x,\ y)$の点Mに関する対称点を$(X,\ Y)$とすると 点$(X,\ Y)$が$y=f(x)$上にあるから,\ $y=f(x)}$は点Mに関して対称であ y=f(x)上の任意の点を点bf Mに関して対称移動した点もy=f(x)上にあることを示す.} 素直な解法ではあるが,\ 本解よりも面倒になる. 「(x,\ y)の点 Mに関する対称点が(X,\ Y)」は「(x,\ y)と(X,\ Y)の中点がbf M}」と同じことである. この条件を満たす点(X,\ Y)が,\ y=f(x)=ax^3+bx^2+cx+d上にあることを示せばよい. つまり,\ Y=aX^3+bX^2+cX+dが成り立つことを示すことが最終目標}である. (x,\ y)はy=f(x)上の点であるから,\ 当然y=ax^3+bx^2+cx+dが成り立つ. これを(X,\ Y)を用いた式に変換する. 対称点の条件式をx=,\ y=に変形して代入すると,\ Y=aX^3+bX^2+cX+dが導かれる.  ところで,\ 本解も別解も対称の中心Mの座標が既知であることを前提とする解法である.  既知でない場合,\ 自分でMの座標を求めなければこの解法をとることができない.  (1)のように求めるのは面倒なので,\ 以下を知識としてもっておくことが推奨される.  3次関数は変曲点に関して対称である.\ 変曲点は, $f”(x)=0}$を満たす点である(数III).  $f”(x)$は,\ $f'(x)$をさらに$x$で微分した関数である.  $f'(x)=3ax^2+2bx+c$より$f”(x)=6ax+2b=0$として変曲点の$x$座標$x=-b}{3a}$を導ける.}  変曲点の$y$座標は,\ $f-.2zw}-b}{3a}$を計算して求めればよい.