
f(x)=2x^{n+1}+3x^n\ (n:自然数)$を$(x-1)^2$で割ったときの余りを求めよ. \\[1zh] \hspace{.5zw}(2)\ \ 整式$f(x)$を$(x-a)^2$で割ったときの余りを$a,\ f(a),\ f'(a)$を用いて表せ. {整式を$\bm{(x-a)^2}$で割ったときの余り}}}} \\\\[.5zh] (1)\ \ $(x-1)^2$で割ったときの商を$Q(x)$,\ 余りを$px+q$とすると両辺を$x$で微分すると (2)\ \ $(x-a)^2$で割ったときの商を$Q(x)$,\ 余りを$px+q$とする (1)を一般化したのが(2)で,\ 実質同じ問題である. \\[.2zh] 整式の割り算の問題では,\ 恒等式A=BQ+Rを作成するのが基本であった. \\[.2zh] \bm{(割られる式)=(割る式)\times(商)+(余り)}である. \\[.2zh] 整式の割り算では,\ 必ず\bm{余りの次数が割る式の次数よりも低くなる.} \\[.2zh] (x-1)^2\,は2次式なので\bm{余りは1次以下の式}であり,\ px+qとおける. \\[1zh] 余りを求めるには,\ \bm{Q(x)が消えるようなxの値を代入すればよい}のであった(剰余定理). \\[.2zh] (1)ではx=1,\ (2)ではx=aを代入するとQ(x)が消える. \\[.2zh] 式が1つできるが,\ 未知数はp,\ qの2つなのでこれだけでは式の数が不足する. \\[.2zh] 複数の対処法があるが,\ 微分分野なので\bm{恒等式は微分しても恒等式}となることを利用する. \\[.2zh] 積の微分公式と累乗の微分公式(数\text{I\hspace{-.1em}I\hspace{-.1em}I})を利用する必要が生じるが,\ 最も自然な解法である. \\[.5zh] 積の微分公式 \bm{\{f(x)g(x)\}’=f'(x)g(x)+f(x)g'(x)} \\[.5zh] 累乗の微分公式 \bm{[\{f(x)\}^n]’=n\{f(x)\}^{n-1}\cdot f'(x)} 最後は,\ p,\ qの連立方程式を解いて余りを求めればよい. 整式が$\bm{(x-a)^2}$で割り切れるための必要十分条件}} \\[1zh] 整式$f(x)$が$(x-a)^2$で割り切れることは,\ 余り$px+q$が恒等的に0になる}ことである. \\[.2zh] (2)より $p=f'(a)=0\ \ かつ\ \ q=f(a)-af'(a)=0$ \\[.2zh] ゆえに \ \ \ $\bm{\textcolor{red}{f(a)=f'(a)=0}}$ \\[1zh] 余り$px+q=0$のとき,\ $f(x)=0$は$(x-a)^2Q(x)=0$と表される. \\[.2zh] よって,\ $f(a)=f'(a)=0$は,\ 方程式$f(x)=0$が$x=a$を重解にもつ条件でもある. \\\\ $\bm{\textcolor{red}{整式f(x)が(x-a)^2\,で割り切れる}\ {f(a)=f'(a)=0}}$ \\[.5zh] $\bm{\phantom{整式f(x)が(x-a)^2\,で割り切れる}{f(x)=0がx=aを重解にもつ} \bm{px+q=0がxについての恒等式(xの値によらず成り立つ)\p=0,\ q=0} \\[1zh] p=f'(a)=0より q=f(a)-af'(a)=f(a)-a\cdot0=f(a)=0