
定数分離する解法も当然考えられるが,\ 数I\hspace{-.1em}I\hspace{-.1em}Iの微分が必要になる. \\[.5zh] 数I\hspace{-.1em}Iの範囲で求めるには,極値の積を利用する解法}}を習得する必要がある. \\\\ 原理を説明する.\ グラフを用いて図形的に考えるのは定数分離法と同じである. \\[.2zh] $f(x)=0$の実数解の個数は,\ $y=f(x)$と$y=0\ (x軸)$の共有点の個数に等しい.} \\\\ 先に,\ {極値をもたない場合}}を考える.\ $f(x)$を3次関数とする. \\[.2zh] 3次関数は, 必ず極大値と極小値をセットでもつのであった. \\[.2zh] よって,\ ${f'(x)=0が異なる2個の実数解をもたない(D\leqq0)とき,\ f(x)は極値をもたない.}$ \\[.2zh] このとき$f(x)$は\単調増加(減少)}}するから実数解($\bm{x}$軸との共有点)は1個}}である. \\\\ 以下,\bm{x=\alpha,\ \beta}$で極値をもつ場合($\bm{f'(x)=0においてD>0}$)}}を考える. \\[.2zh] $y=f(x)$のグラフは,\ 極大値と極小値が正か0か負かによって5パターン考えられる.{実数解が1個,\ 2個,\ 3個になる場合}}である. \\[.2zh] {極値の積を考えることにより,\ \fbox{1},\ \fbox{2},\ \fbox{3}\,をうまく場合分けする}}のが本解法の肝である. \\[1zh] \fbox{1}\,の2パターンは,\極大値と極小値の\ (両方が正)\ または\ (両方が負)}}\ である. \\[.2zh] つまり,\ $[\,(f(\alpha)>0かつf(\beta)>0)\,]\ または\ [\,(f(\alpha)<0かつf(\beta)<0)\,]である.$ \\[.5zh] ここで,\ $\bm{\textcolor{cyan}{(A>0かつB>0)または(A<0かつB<0)\ \Longleftrightarrow\ AB>0}}$を利用する. \\[.5zh] 結局,\ \textbf{\textcolor{magenta}{実数解が1個となる条件\,\fbox1\,}}は,\ 1つの式$\bm{\textcolor{red}{f(\alpha)f(\beta)>0}}で表現できる.$ \\\\ \fbox{2}\,の2パターンは,\ \textbf{\textcolor[named]{ForestGreen}{極大値または極小値の一方が0}}である. \\[.2zh] つまり,\ $f(\alpha)=0\ または\ f(\beta)=0$である. \\[.2zh] ここで,\ $\bm{\textcolor{cyan}{A=0\ または\ B=0\ \Longleftrightarrow\ AB=0}}$を利用する. \\[.2zh] 結局,\ \textbf{\textcolor{magenta}{実数解が2個となる条件\,\fbox2}}は,\ 1つの式$\bm{\textcolor{red}{f(\alpha)f(\beta)=0}}$で表現できる. \\\\ \fbox{3}\,は,\ $\bm{\textcolor[named]{ForestGreen}{極大値と極小値の一方が正で他方が負}}である.$ \\[.2zh] つまり,\ $[\,(f(\alpha)>0かつf(\beta)<0)\,]\ または\ [\,(f(\alpha)<0かつf(\beta)>0)\,]\ である.$ \\[.5zh] ここで,\ $\bm{\textcolor{cyan}{(A>0かつB<0)または(A<0かつB>0)\ \Longleftrightarrow\ AB<0}}$を利用する. \\[.5zh]
結局,\ \textbf{\textcolor{magenta}{実数解が1個となる条件\,\fbox3\,}}は,\ 1つの式$\bm{\textcolor{red}{f(\alpha)f(\beta)<0}}で表現できる.$ \\\\ 極値の積による場合分けは,\ \textbf{\textcolor{purple}{$\bm{\alpha}$と$\bm{\beta}$の大小を気にしなくてもよい}}という点でも優れている. \\\\ 以上をまとめると,\ \textbf{\textcolor{blue}{3次方程式の実数解の個数}}は,\ 以下のように分類される. \\\\ $f'(x)=0の判別式をD,\ 2つの実数解を\ \alpha,\ \beta\ (大小は不明)とすると$ \\[1zh] f'(x)=0の解がx=0,\ 2aとなるが,\ 直ちに異なる2つの実数解をもつと判断してはならない. \\[.2zh] 0=2a,\ つまりa=0のとき,\ f'(x)=0は重解x=0をもつので,\ f(x)は極値をもたない. \\[.2zh] 3x^2-6ax=0の\,\bunsuu D4=9a^2\leqq0より,\ a=0のときf(x)は極値をもたないとすることもできる. \\[.6zh] しかし,\ f'(x)が因数分解できるならば,\ f'(x)=0の解で極値をもたない条件を考れば済む. \\[1zh] a\neqq0のとき,\ \bm{極値の積f(0)f(2a)が正か0か負かで場合分け}する. \\[.2zh] a>0のとき0<2a,\ a<0のとき0>2aだが,\ この大小関係を気にする必要はない. \\[1zh] 16a^2(-\,a^2+1)>0は4次不等式だが,\ a\neqq0より常に16a^2>0なので,\ 両辺を16a^2\,で割れる. \\[.2zh] よって,\ 2次不等式-a^2+1>0に帰着する. \\[.2zh] これを解くと-\,1