
a$と異なる値をとりながら}\,限りなく$a$に近づくとき,\ $f(x)$が一定値$A$に近づくとする. \\[.2zh] この$A$を$x\longrightarrow a$のときの$f(x)$の\textbf{\textcolor{blue}{極限値}}といい,\ 次のように表す. 極限を本格的に学習するのは数\text{I\hspace{-.1em}I\hspace{-.1em}I}である.\ 数\text{I\hspace{-.1em}I}では微分に必要となる極限の超基礎のみ取り扱う. \\[.2zh] 極限は様々な落とし穴がある厄介な分野だが,\ 数\text{I\hspace{-.1em}I}の範囲ではあまり気にする必要はない. \\[1zh] 波線部の意味合いを理解するため,\ f(x)=\begin{cases} 2x & (x\neqq1) \\[.2zh] 1 & (x=1) \end{cases}のときの\dlim{x\to1}f(x)を考える.\ \\[1.3zh] よくある\bm{誤り}が,\ \dlim{x\to1}f(x)=f(1)=1である. \\[.6zh] \dlim{x\to1}f(x)は,\ xが\,\uwave{1と異なる値をとりながら}\,限りなく1に近づくときのf(x)の値. \\[.6zh] よって,\ x=1のときを考えてはならない.\ x\neqq1のときで\dlim{x\to1}f(x)が決まる. \\[.6zh] x\neqq1のときf(x)=2xであるから,\ \dlim{x\to1}f(x)=\dlim{x\to1}2x=2\ となる. \\[.8zh] グラフを見ると,\ x\longrightarrow 1のときf(x)が2に近づいていくことがわかるだろう. \\[.2zh] \dlim{x\to 1}f(x)は「\bm{x\longrightarrow 1のときにf(x)が近づく\dot{目}\dot{標}}」であり,\ f(1)とは限らないのである. (1)\ \ 途中で途切れた(不連続な)関数でもない限り,\ \dlim{x\to a}f(x)=f(a)が成り立つ. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ よって,\ x=1を代入するだけである. \\[1zh] (2)\ \ 素直にx=1を代入してみると\,\bunsuu00\,となる.\ この形を\bm{不定形}という. \\[.6zh] \phantom{(1)}\ \ 文字通り,\ そのままでは極限値が定まらない形である. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 不定形になる場合,\ \bm{不定形にならない形に変形してから極限にとばす}必要がある. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 因数分解すると0となる原因の因数x-1が約分でき,\ 不定形ではなくなる. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ x=1を代入して0になるならばx-1を因数にもつ(因数定理)ので,\ 必然的に約分できる. \\[1zh] (3)\ \ \bunsuu00\,の不定形となる.\ \ 公式a^3-b^3=(a-b)(a^2+ab+b^2)を用いて因数分解すると約分できる. \\\\ (4)\ \ \bunsuu{\bunsuu13-\bunsuu{1}{x+3}}{x}\,とみると\,\bunsuu00\,の不定形となる.\ 括弧内を通分すると約分できる. \\\\ (5)\ \ \bunsuu00\,の不定形となる.\ 根号がある場合は\bm{有理化}すると約分できる. \\[.6zh] \phantom{(1)}\ \ 根号が分子にあるが,\ 分母\ruizyoukon a-\ruizyoukon b\,の有理化と同じく分母分子に\ruizyoukon a+\ruizyoukon b\,を掛ければよい. u{x^2+ax+b}{x-2}=1$を満たす定数$a,\ b$の値を求めよ. \\ }{極限値から関数の係数決定}}}} \\\\[.5zh] 必要条件}である. \ 詳しくは数\text{I\hspace{-.1em}I\hspace{-.1em}I}の範囲だが,\ 次が成立する. \\[.5zh] \bm{\dlim{x\to a}\bunsuu{f(x)}{g(x)}=A\ かつ\ \dlim{x\to a}g(x)=0\ \Longrightarrow\ \dlim{x\to a}f(x)=0} \\[1zh] \dlim{x\to a}\bunsuu{f(x)}{g(x)}\,の極限値が存在し,\ かつ分母が0に収束するならば,\ 分子も0に収束することを意味する. \\[.8zh] \Longleftarrow は成り立たないことに注意する.\ つまり,\ \bm{\dlim{x\to a}f(x)=0}は必要条件にすぎない. \\[.6zh] 必要条件を代入し,\ 実際に極限値が1となるようにa,\ bを定めると必要十分条件となる.