
本項では,\ 実際に3次関数のグラフを図示する方法を学習する. \\[.2zh] \textbf{3次関数のグラフの分類(下表)の知識の有無で図示のスピードに雲泥の差が生じる.} \\[1zh] $f(x)=ax^3+bx^2+cx+d$とする. y’=0となるxの値を求め,\ 増減表を作成してグラフを図示する. \\[1zh] 3次関数のグラフの分類の知識があれば,\ x=-\,3,\ 1が求まった時点でグラフの概形がわかる. \\[.2zh] よって,\ わざわざ増減表を作成せずともグラフを図示できる. \\[.2zh] ただし,\ 実際の試験では,\ \bm{3次以上の関数は増減表を作成しておくのが無難}である. \\[1zh] 増減表の作成やグラフの図示は,\ 思考をほぼ必要としない機械的作業の部分である. \\[.2zh] よって,\ 単純計算と同様に\bm{いかに素早く行うかが重要}である. \\[.2zh] 本問は,\ 3次関数のグラフの分類の\bm{a<0,\ D>0}の場合に相当する. \\[.2zh] \bm{グラフの概形から逆にy’\,の正負がわかる.} \\[.2zh] 計算せずともy’\,の行を瞬時に埋めることができ,\ yの値を計算するだけで増減表が完成する. \\[1zh] グラフは,\ 先に主要な点(\bm{極値とy軸との交点})をとった後,\ 一気に描く. \\[.2zh] x=-\,3のとき\ 極小値-17,\ \ x=1のとき\ 極大値15 \\[.2zh] 3次関数は,\ \bm{グラフの図示までを1,\ 2分で終えられるように訓練しておく}ことが望ましい. \\[1zh] 3次関数のグラフの分類を覚えていない場合でも,\ y’\,のグラフを考えると速い. \\[.2zh] y’=-\,3(x+3)(x-1)は,\ \bm{x軸とx=-\,3,\ 1で交わる上に凸の2次関数}である. \\[.2zh] よって,\ \bm{y’\,の符号が-\,→\,+\,→\,-と変化する}ことが直ちにわかる. \\[1zh] 最終手段は,\ 各区間内で最も簡単なxの値をy’\,に代入することであった. \\[.2zh] x=-\,4,\ 0,\ 2あたりをy’=-\,3(x+3)(x-1)に代入して正負を調べる. \\[-8zh] 3次関数のグラフの分類の\bm{a>0,\ D=0}の場合である. \\[.2zh] x=2のときy’=0であるから,\ \left(2,\ \bunsuu83\right)で一瞬x軸と平行になるように描かなければならない. \\[.8zh] また,\ 原点を通ることに注意する. まず,\ -\,3x^2-6x-6=0,\ つまりx^2+2x+2=0を解くことになる. \\[.2zh] しかし,\ x=-\,1\pm\ruizyoukon{-\,1}\,となり,\ 実数解をもたないことがわかる. \\[.2zh] 直ちに増減表を作ってもよいが,\ \bm{平方完成して常に>0か<0であることを示しておく}のがよい. \\[1zh]
本問は,\ 3次関数のグラフの分類の\bm{a<0,\ D<0}の場合である. \\[.2zh]
この場合,\ 増減表だけでは全区間で単調に減少することしかわからない. \\[.2zh]
3次関数のグラフの分類の知識がなければ,\ 増減表を作成したとしてもまともなグラフは描けない. \\[1zh]
y'\,を平方完成しておくことでy'\,の軸がわかり,\ それは\bm{yの対称中心のx座標}でもある. \\[.2zh]
対称中心は(-\,1,\ -\,3)ではないので注意する.\ x=-\,1のときy=-\,4である. \\[.2zh]
対称中心とy軸との交点をとって初めて,\ それらしいグラフを描くことができる.