
直方体の縦の長さ,\ 横の長さ,\ 高さをそれぞれ$x,\ y,\ z$とする. \\[1zh] 縦の長さ,\ 横の長さ,\ 高さの和について 表面積について $2(xy+yz+zx)=72\ より \textcolor{cyan}{xy+yz+zx=36}$ \\[1zh] 体積$\textcolor{cyan}{xyz=V}$とすると,\ $\textcolor{red}{x,\ y,\ zは\ t^3-\textcolor{cyan}{12}\,t^2+\textcolor{cyan}{36}\,t-\textcolor{cyan}{V}=0\ の3つの実数解}である.$ \\[.2zh] $Vを分離して\ t^3-12t^2+36t=V\ とし,\ f(t)=t^3-12t^2+36t\ とおく.$ \\[.2zh] $\textcolor{red}{t>0でy=f(t)とy=Vが2個以上の共有点をもつとき,\ 直方体が存在する.}$ \\[1zh] $\therefore t=2\ (重解),\ 8\ のとき \bm{V=xyz\ の最大値\ 32}$ とりあえず文字を設定し,\ 問題の条件を数式で表す. \\[.2zh] すると,\ 2つの条件x+y+z=12,\ xy+yz+zx=36のもとでxyzの最大を求める問題となる. \\[1zh] 一般に,\ \bm{等式1つにつき文字を1つ消去できる.} \\[.2zh] 本問は3変数であるが,\ 等式が2つあるので実質1変数関数である. \\[.2zh] しかし,\ 等式がx,\ y,\ zの1次式ではないので通常の方法で2文字を消去するのは困難である. \\[.2zh] \bm{x+y+z,\ xy+yz+zx,\ xyzが3変数基本対称式}なので,\ 対称性を生かす上手い解法がある. \\[1zh] わかりやすくするためにxyzをVとおき,\ \bm{3解x,\ y,\ zをもつ3次方程式を作成}する. \\[.2zh] 3解x,\ y,\ zをもつ3次方程式の1つは (t-x)(t-y)(t-z)=0 \\[.2zh] 展開すると \bm{t^3-(x+y+z)t^2+(xy+yz+zx)t-xyz=0} \\[.2zh] x+y+z,\ xy+yz+zx,\ xyzの値から逆にx,\ y,\ zを解にもつ方程式を作成できるわけである. \\[1zh] \bm{Vを分離すると,\ y=t^3-12t^2+36tとy=Vの共有点として図形的な考察が可能になる.} \\[.2zh] この3次関数と直線の共有点のt座標が,\ 直方体の3辺の長さx,\ y,\ zである. \\[.2zh] ここで,\ 3次方程式の解x,\ y,\ zは直方体の3辺の長さなので,\ 当然正でなければならない. \\[.2zh] よって,\ \bm{y=f(t)\ (t>0)と2個以上の共有点をもつという条件の下でVを最大にすればよい.} \\[.2zh] (接点)=(重解)より,\ 接点では2個の実数解をもつ扱いになることに注意してほしい. \\[1zh] Vを動かすと,\ \bm{00の範囲で2個以上の共有点をもつ.} \\[.2zh] 以上から,\ \bm{V=32が最大値}であり,\ このとき\bm{直方体の3辺の長さはt=2,\ 2,\ 8}である. \\[1zh] t=2以外の解は,\ t^3-12t^2+36t=32,\ つまりt^3-12t^2+36t-32=0を解いて求められる. \\[.2zh] (接点)=(重解)より,\ (t-2)^2\,を因数にもつことが確定している. \\[.2zh] このことを利用すると,\ 容易に(t-2)^2(t-8)=0と因数分解できるのであった. 実数$x,\ y,\ zがx+y+z=2,\ x^2+y^2+z^2=2\ を満たすとき,\ x^3+y^3+z^3\ の最大$ \\[.2zh] \hspace{.5zw}値と最小値を求めよ. の2つの実数解}である.\ 判別式をDとする.$ \\[.2zh] 本問も条件つき3変数対称式であるから,\ 前問と同様の解法で求めることもできる. \\[.2zh] しかし,\ ここでは\bm{2変数対称式として扱う解法}を示した. \\[.2zh] 2変数に関してさえ対称ならば適用できるので,\ 前問で示した解法よりも適用範囲が広い. \\[1zh] \bm{yとzの対称式とみて,\ 基本対称式y+zとyzのみで表す.} \\[.2zh] すると,\ y+zとyzをxのみの式で表すことができ,\ xの1変数関数に帰着させることができる. \\[1zh] 一般に,\ 文字を消去するときは\bm{消去する文字の実数存在条件を残る文字に反映させる}必要がある. \\[.2zh] 2変数基本対称式y+z,\ yzの場合,\ \bm{y,\ zを解にもつ2次方程式を作成する}のであった. \\[.2zh] y,\ zを解にもつ2次方程式は (t-y)(t-z)=0 つまり t^2-(y+z)t+yz=0 \\[.2zh] 2解y,\ zが実数であるための条件は,\ 当然\bm{D\geqq0}である. \\[1zh]