点$(a,\ b)$から曲線$y=x^3-x$に引ける接線がちょうど2本あり,\ この2本の接線が
直交するとき,\ 点$(a,\ b)$を求めよ. \\
3次関数の2本の接線が直交する条件 \\
接点を\ P$(t,\ t^3-t)$\ とおく.
$y’=3x^2-1$より,\ 点Pにおける接線の方程式は
3次関数では接点の個数と接線の本数が一致する.
ゆえに,\ 2本の接線が引けるための条件は,\ ①が異なる2個の実数解をもつこと}である.
接点を文字でおいて接線の方程式を作成し,\ 通る1点(a,\ b)を代入する.
tは接点のx座標なので,\ tの3次方程式①は接点のx座標を求める方程式である.
①の実数解が2個あれば,\ 接点が2個ある,\ つまりは引ける接線が2本存在することになる.
①の実数解が2個あるための条件は,\ y=f(t)\ がt軸と異なる2個の共有点をもつこと}である.
y=f(t)がt軸と異なる2個の共有点をもつ条件は,\ 「極大値0または極小値0」}である(右図).
3次関数f(t)が極値をもつための条件は,\ f'(t)=0\ が異なる2個の実数解をもつこと}であった.
よって,\ f'(t)=0\ の2解\ t=0,\ a\ が一致するとき(a=0),\ f(t)は極値をもたない.
ゆえに,\ y=f(t)が極値をもつ条件はa≠0}\ となる.
f(0)とf(a)のどちらが極大値かを考える必要はなく,\ 一方が0ならばt軸と2個の共有点をもつ.
傾きがm_1,\ m_2\,である2直線の直交条件は m_1m_2=-\,1}
傾きを求めるには,\ y’=3x^2-1に接点のx座標を代入する必要がある.
①の実数解が接点のx座標なので,\ これを求めればよい.
f(a)=0ということは,\ y=f(t)がt=aでt軸と接するということである.
(接する)=(重解)より,\ このときf(t)=0はt=aを重解にもつ.
よって,\ 2t^3-3at^2+a^3は(t-a)^2=t^2-2at+a^2\,を因数にもつ.
よって,\ 最高次の項2t^3\,と定数項a^3\,に着目すると,\ (t-a)^2(2t+a)と素早く因数分解できる.
複2次式(2乗の2次式)は,\ 2乗を置換して2次式として扱う.\ より,\ 実数解をもたない.
実際の解答では,\ 平方完成することによりA=0となりえないことを示しておくのが普通である.