三角関数分野は、高校数学の中で最も厄介な分野の1つである。
数Iの三角比で一度学習しているとはいえ、sin、cos、tanに慣れが必要で、数Ⅱではさらに弧度法という新たな概念も導入される。
試験では純粋に関数の計算問題として問われることもあれば、グラフや三角形関連など図形的側面を問われることもある。sin、cos、tanが絡む分、単純な計算自体がそもそも面倒で、グラフや図形も絡むとよりいっそう複雑さを増す。
非常に紛らわしい公式が多数あるのも厄介である。証明を理解した上で、さらに時間短縮のために暗記することが必要になる。試験前には必ず公式を確認する癖をつけておくべきである。 最も複雑な積和・和積公式は数Ⅱでは使う機会が少ないのでスルーしている学生が多いが、理系は数Ⅲの積分でよく利用する。
当カテゴリでは、三角関数のパターンをかなりハイレベルなものまで網羅する。試験において特に重要なのは「三角方程式・不等式」「三角関数の最大・最小」である。また、三角関数のグラフを素早く図示できるようにしておくことも重要である。
それなりに時間がかかると思うが、大学入試における重要度が非常に高い分野なのでしっかりと学習しておいてほしい。
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当カテゴリ内記事一覧
- 一般角と弧度法、扇形の弧長l=rθと面積S=1/2r²θ
- 弧度法と三角関数の値
- 三角関数の相互関係と還元公式(負角の公式・補角の公式・余角の公式)
- sinθとcosθ、tanθと1/tanθの対称式・交代式の値
- sinθとcosθを解にもつ2次方程式、sinθとcosθの連立方程式
- 三角関数の3大要素(振幅、周期、位相)とグラフの図示
- 三角関数の加法定理の証明と応用
- 正接(tan)の加法定理に関する有名問題演習
- 2直線のなす角と正接(tan)の加法定理
- 2定点を見込む角の最大(レギオモンタヌスの問題)
- 三角関数の2倍角の公式・半角の公式の証明と応用
- 三角関数の媒介変数表示(有理関数表示) t=tan(θ/2)
- 三角関数の3倍角の公式の証明とゴロ合わせ
- 三角関数の積和・和積の公式の証明
- 三角形における三角関数の等式の証明(和積の公式を利用)
- 三角関数のsin型合成 asinθ+bcosθ=rsin(θ+α) とcos型合成
- 三角方程式・不等式①(基本型)
- 三角方程式・不等式②(三角関数の相互関係による関数の統一)
- 三角方程式・不等式③(2倍角・3倍角・半角の公式による角の統一)
- 三角方程式・不等式④(三角関数の合成)
- 三角方程式・不等式⑤(三角関数の和積の公式)
- 連立三角方程式(三角関数の相互関係、合成、加法定理の利用)
- 三角方程式・不等式の図形的解法(座標変換・グラフの利用)
- sinA=sinB、cosA=cosB、tanA=tanB、sinA=cosB型の三角方程式
- 三角不等式の表す領域
- cos36°とsin18°の値(三角方程式を用いた代数的解法)
- 三角関数の最大・最小①(関数の統一・角の統一)
- 三角関数の最大・最小②(合成)
- 三角関数の最大・最小③(sinθとcosθの対称式)
- 三角関数の最大・最小④(2次同次式)
- 三角関数の最大・最小⑤(分数型)
- 文字を含む三角関数の最大・最小、三角関数の絶対不等式
- 三角方程式の解の存在条件
- 三角方程式の解の個数(置換型)
- 三角関数の三角形への応用① 正三角形の頂点と外接円上の点との距離の和・積の最大値
- 三角関数の三角形への応用② 3辺の長さの和と積のとりうる値の範囲
- 三角関数の三角形への応用③ 3つの角のsinとcosの和と積の最大
- 三角関数の三角形への応用④ オイラーの不等式R≧2rの証明
- チェビシェフの多項式① 存在性と一意性、関連性質 cosnθ=Tn(cosθ)
- チェビシェフの多項式② 方程式Tn(x)=0の解とcosの値
- チェビシェフの多項式③ ミニマックス原理