数Iの三角比で学習した幾何的解法も重要である。

\cos36° の値を求めよ.        (2)\ \ \sin18° の値を求めよ.$ \\cos36° と\sin18° の値}$ \\
	 $30°\,や45°\,の倍数以外にも,\ 三角関数の値が割と綺麗になる角がある.$
	 $15°\,や22.5°$の三角関数の値を,\ 加法定理や半角の公式で求める方法を学習済みである.
	 さて,\ $18°\,の倍数の三角関数の値も割と綺麗になるのだが,\ 求め方は暗記を要する.$ 
	 幾何的手法(数I三角比で学習)と代数的手法があり,\ 本項では代数的な方法を紹介する.
	 $角を\,θ\,とおき,\ \cosθ\,または\sinθ\,についての方程式}を作成する}という特殊な方法になる.$
	 その際,\ 三角関数の各種公式を利用する必要がある. 
	 (1)\ \ $θ=36°}\ とすると 5θ=180°}\ より 3θ=180°-2θ$
		両辺の$\sin$をとる}と $\sin3θ=\sin(180°-2θ)}$
		よって $\sin3θ=\sin2θ}$
		ゆえに $3\sinθ-4\sin^3θ=2\sinθ\cosθ$
		$\sinθ=\sin36°≠0}\ より 3-4\sin^2θ=2\cosθ$
		$よって 4\cos^2θ-2\cosθ-1=0}$  \ .1zw}$[\,\sin^2θ=1-\cos^2θ\,を適用した}\,]$
		この$\cosθ\,についての2次方程式}を解くと \cosθ=1±√5}{4}$ 
		θ=36°\,とし,\ 5倍すると180°} という綺麗な角になることに着目する.
		θ\,は変数ではなく,\ 実際は36° という定数}であることに注意してほしい.
		\cosθ=\cos36° についての方程式を作成し,\ それを解くと\,\cos36°\,の値が求まるというわけである.
		5θ\,を2θ\,と3θ\,に分割}し,\ 両辺の\sin} をとる.
		右辺に補角の公式\ \sin(180°-θ)=\sinθ}\ を適用し,\ 簡単にする.
		\sin3θ\,に3倍角の公式,\ \sin2θ\,に2倍角の公式を適用し,\ 角を統一}する.
		θ=36° であるから\sinθ≠0\ であり,\ それゆえ両辺を\sinθ\,で割る}ことができる.
		さらに三角関数の相互関係を用いると\cosθ\,についての2次方程式}となる.
		36° は第一象限の角なので,\ その\cos は正である.
		ここで示した途中計算は,\ あくまでも1例である.
		両辺の\cos をとり,\ \cos3θ=\cos(180°-2θ)\ として解くこともできる.
		また,\ 2θ=180°-3θ\ や,\ θ=180°-4θ\ として解くこともできる.
		細かい部分の違いはあっても,\ \cos36° についての方程式を作成する}ということに変わりはない.
		わかりやすさを優先して度数法で表したが,\ 通常はラジアンで出題される.\ \cos36°=\cosπ}{5}\,である.
		θ=π}{5}\,とおき,\ \sin3θ=\sin(π-2θ)などとして求めることになる.
		できれば,\ \cos36°=√5+1}{4\ は暗記しておくとよい. 
		\cos36°\,の値が求まれば,\ \sin^2θ+\cos^2θ=1\,や\,\tanθ=\sinθ}{\cosθ}\,より,\ \sin36°\,や\,\tan36°\,も求まる.
		ちなみに,\ \sin36°=√{10-2√5{4},\ \ \tan36°=√{5-2√5}\ である.
		また,\ 余角の公式より,\ \sin54°=\sin(90°-36°)=\cos36°\,である.
θ=18°}\ とすると 5θ=90°}\ より 3θ=90°-2θ$
		両辺の$\sin$をとる}と $\sin3θ=\sin(90°-2θ)}$
		よって $\sin3θ=\cos2θ}$
		ゆえに $3\sinθ-4\sin^3θ=1-2\sin^2θ$
		つまり $(\sinθ-1)(4\sin^2θ+2\sinθ-1)=0$ \\[-4.5zh]
		$\sinθ=\sin18°≠1}\ より 4\sin^2θ+2\sinθ-1=0}$
		この$\sinθ\,についての2次方程式を解く}と \sinθ=-\,1±√5}{4}$ 
		∴ \sinθ=\sin18°>0}\ より \sinθ=\sin18°=-\,1+√5}{4$} \\
	$\left[l}
		θ=18°\,とし,\ 5倍すると90°} という綺麗な角になることに着目する.
		2θ\,と3θ\,に分割}して両辺の\sin} をとり,\ 右辺に余角の公式\ \sin(90°-θ)=\cosθ}\ を適用する.
		\cos の2倍角の公式には3通りの表現があったが,\ 関数も統一}するために \sin のみの表現を利用する.
		整理すると\sinθ\,についての3次方程式ができるので,\ 因数定理を用いて因数分解する.
		θ=18° のとき\sinθ≠1より,\ \sinθ-1=0\ となることはない.
		なお,\ \sin18°=\sinπ}{10}\,である.\ また,\ \sin18°=√5-1}{4\,は暗記しておくとよい. 
		余角の公式より \cos72°=\cos(90°-18°)=\sin18°
  
  
  
  
