白玉6個,\ 赤玉5個,\ 青玉4個が入っている袋から4個の玉を同時に取り出す.
このとき,\ 次の確率を求めよ.
(1)\ \ 白玉が3個以上含まれる確率
(2)\ \ 同じ色の玉を2個ずつ2色含む確率 \\
確率の加法定理事象$A,\ B}$が同時には起こらないとき,\ つまり$A∩ B=\varnothing$のとき,
事象$A,\ B$は互いに排反であるという.
事象$A,\ B}$が互いに排反であるとき,\ 確率の加法定理が成り立つ.
確率の加法定理が成り立つことはベン図から明らかであろう.\ 場合の数でも同様の公式があった.
事象A,\ Bが互いに排反}であるとき (AまたはBの確率)=(Aの確率)+(Bの確率)}
実際の確率の問題では,\ 起こりえるすべての事象を考え,\ 場合分けできるか}が問われる.
このとき,\ 後から同時に起こりえるかを考えるのは筋が悪い.
最初から排反になるように場合分け}しておけば,\ 後は足すだけで済むのであった.
(1)\ \ 「白玉3個」「白玉3個,\ 赤玉1個」「白玉3個,\ 青玉1個」と3つに場合分けしてもよい.
\ \ ただし,\ 白以外の9個から1個選ぶと考えると,\ 後者2つをまとめて求められる.}
\ \ また,\ 最後に通分して足すことを見越すと,\ 安易に約分したり分母の掛け算を行わない方がよい.
\ \ 約分した解答を示したが,\ 実際には直ちに約分したわけではない.
\ \ 3・5}{15・7・13},\ 5・4・9}{15・7・13}\,まで求めた後,\ 両方15で約分できることを確認した上で約分している.
\ \ 「白玉3個,\ 白玉または赤玉または青玉1個」と考え,\ C63×C{12}{1{C{15}{4\,とするのは誤り}である.
\ \ このような誤りは,\ 場合の数で学習した積の法則}の理解が不十分であることに起因する.
\ \ m通りのAのいずれに対してもBがn通りあるとき,\,AかつBはmn通りある}のであった.
\ \ \dot{異}\dot{な}\dot{る}\,6個の白玉から4個選ぶとき,\ C64\,と\,C63×C31\,では何が違ってくるだろうか.
\ \ C64=15は,\ (白_1,\ 白_2,\ 白_3,\ 白_4)や(白_1,\ 白_2,\ 白_3,\ 白_5)などの組合せの総数である.
\ \ 言うまでもなく,\ 例えば(白_1,\ 白_2,\ 白_3,\ 白_4)と(白_1,\ 白_2,\ 白_4,\ 白_3)は1通りの扱いである.
\ \ C63=20は,\ (白_1,\ 白_2,\ 白_3)や(白_1,\ 白_2,\ 白_4)などの組合せの総数である.
\ \ C63×C31\,は,\ 20通りのいずれに対しても残りの白玉1個の選び方が3通りあることを意味する.
\ \ つまり,\ (白_1,\ 白_2,\ 白_3)に対しては白_4,\ 白_5,\ 白_6\,の3通りある.
\ \ (白_1,\ 白_2,\ 白_4)に対しても白_3,\ 白_5,\ 白_6\,の3通りある.\ 他の組合せについても同様である.
\ \ 要は,\,20×3とすると(白_1,\ 白_2,\ 白_3)+白_4\,と(白_1,\ 白_2,\ 白_4)+白_3\,を別に数えることになる.
\ \ 主役と脇役を混在させてしまうと,\ このようなダブルカウントのリスクが高くなる.}
\ \ 赤玉と青玉は両方とも脇役なのでまとめられるが,\ 主役の白玉までまとめて考えるべきではない.
(2)\ \ 確率の加法定理は,\ 3つ以上の事象に対しても同様に成り立つ.