ポリアの壷(確率漸化式・個数の期待値)

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壷の中に赤玉が2個,\ 青玉が1個入っている.\ 壷の中から玉を1個取り出して元に戻し, さらにそれと同じ色の玉を壷の中に1個追加するという試行を繰り返す.\ \ $n$回目に取 り出す玉が赤玉である確率を$p_n$,\ \ $n$回の試行の後に壷の中の青玉の個数が$k$個である 確率を$q_n(k)$とする.  (1)\ \ $p_1,\ p_2,\ p_3$を求めよ.  (2)\ \ $p_n$を求めよ.  (3)\ \ $q_1(1),\ q_1(2),\ q_2(1),\ q_2(2),\ q_2(3)$を求めよ.  (4)\ \ $q_n(1),\ q_n(2),\ q_n(3)$を求めよ.  (5)\ \ $q_n(k)\ (1≦ k≦ n+1)$を求めよ.  (6)\ \ $n$回の試行の後の壷の中の青玉の個数Xの期待値$E(X)$を求めよ. \\  本問は,\ 「ポリアの壷」と呼ばれる有名問題の特殊な場合である.  一般的なポリアの壷問題では,\ 赤玉が$a$個,\ 青玉が$b$個で,\ 同じ色の玉を$c\ (≧1)$個加える.   [1]\ \ $c=0}$のとき,\ いわゆる復元抽出}である(\,\rei\ \ サイコロを振る).   [2]\ \ $c=-\,1}$のとき,\ いわゆる非復元抽出}である(\,\rei\ \ 順にくじを引いて戻さない).   [3]\ \ $c≧1}$のとき,\ ポリアの壷問題}である(大学入試での出題は少ない).  [1]は無論のこと,\ [2]の場合も確率$p_n$は$n$によらず一定値$a}{a+b}$をとるのであった.  実は,\ $[3]\ c≧1}$の場合も$p_n}$は$n}$によらず一定値$a}{a+b$をとることが知られている. 回数が少ない場合は1回ごとの確率の積として求めればよい. $n$回目に取り出すときの壷の中の赤玉の個数を$a_n$}とすると $p_n=a_n}{n+2$ $n+1$回目に赤玉を取り出す場合は以下の2通りがあり,\ 互いに排反である.  [1]\ \ $n$回目に赤玉を取り出し,\ $n+1$回目に赤玉を取り出す.}  [2]\ \ $n$回目に青玉を取り出し,\ $n+1$回目に赤玉を取り出す.}  壷の中の3個の玉に番号をつけてすべて区別し,\ ①,\ ②,\ ③とする. この中から1個選んで元に戻し,\ 同じ番号の玉を壷の中に1個追加することを繰り返す. $n$回目に取り出す玉の番号は3通りあり,\ これらは同様に確からしい}から  初見ではかなりの難問であり,\ 経験が必要である. n回目に取り出す玉の色で排反に場合分けして漸化式を作成する}と簡潔に済む. 1回試行するたびに壷の中の玉の個数は1個ずつ増える}から,\ 玉の総数は容易にわかる. n回目に取り出す直前はn-1回試行済みなので,\ 玉の総数は3+(n-1)=n+2個である. しかし,\ 赤玉の個数と青玉の個数は不明であるから,\ これを文字でおく}必要がある. 別解のように全事象の取り方を工夫する}と瞬殺も可能である. 解答を見て,\ n回目に取り出すときは玉の個数が増えているのではないか等と思ったかもしれない. 玉の個数が変わるのは,\ 何回か取り出した時点での条件付き確率を考える場合である. 例えば,\ 1回目の試行が完了したという条件のもとで2回目を考えるならば,\ 壷の中の玉は4個ある. 一方,\ 本問で求めるべきはまだ1回も試行していない時点でn回目に赤玉を取り出す確率}である. 試行を繰り返すとき,\ 無意識のうちに条件付き確率を考えてしまいがちになるので注意してほしい. 以下は,\ まだ1回も試行していない時点での話であることを強烈に意識した上で考える必要がある. 当然ながら,\ その時点では3個の玉①,\ ②,\ ③は完全に対等である. n-1回目までに①,\ ②,\ ③を何個ずつ取り出すかは様々なパターンがありえる. n-1回目までに①が多く出て,\ n回目に①が取り出しやすくなることもあるだろう. n-1回目までに②が多く出て,\ n回目に②が取り出しやすくなることもあるだろう. これらのn-1回目までにありえるパターンもすべてひっくるめて割合を考える.} すると,\ n回目に取り出す玉の番号は,\ \dot{最}\dot{初}\dot{の}\dot{時}\dot{点}\dot{で}\dot{は}\,3通りが完全に対等}というわけである. 3個の玉①,\ ②,\ ③のうちの2個を赤玉と考えると本問となる. 以上のように考えると,\ nによらず等確率になるのはもはや明らかであろう. ポリアの壷問題では,\ p_n\,に加えてn回後の壷の中の玉の個数についてもよく問われる. q_1(1):1回目赤玉  q_1(2):1回目青玉  q_2(1):1回目も2回目も赤玉 q_2(2):1回目赤玉かつ2回目青玉または1回目青玉かつ2回目赤玉 \ \ q_2(3):1回目も2回目も青玉 q_n(1):n回すべて赤玉} これだけならn回の確率の積でもよいが,\ 汎用性がない. 分母と分子の場合の数をそれぞれ求める}方法ならば,\ 容易に(5)にまで一般化できる. n回の試行における分母(すべての場合の数)は,\ 赤玉と青玉を何個ずつ取り出す場合も変わらない. 常にn個の連続整数の積である.\ \ このとき,\ n+3を掛けないように注意する. [-1zh] n回目の試行直前の壷の中の玉は,\ n-1回の試行が完了しているからn+2個である. 分子(n回すべて赤玉を取り出す場合の数)は,n個の連続整数の積である. [-1zh] 連続する整数の積は階乗を用いると簡潔に表せる.}  q_n(2):n回のうち1回だけ青玉,\ 残りのn-1回は赤玉} 要するに,\ 分子全体として考えると何回目に青玉を取り出す場合もその場合の数は同じ}である. しかも,\ 青玉の個数と赤玉の個数は互いに影響を受けないから,\ それぞれに分けて求めればよい. 順序によらず,\ 青玉の取り出し方は1通り,\ 赤玉の取り出し方は 後は,\ n回のうち何回目に青玉1個を取り出すかは\,C n1\,通りある}から,\ これを掛ければよい. いわゆる反復試行と同じ扱いである. q_n(3):n回のうち2回だけ青玉,\ 残りのn-2回は赤玉} 順序によらず,\ 取り出し方は青玉1・2=2!\,通り,\ 赤玉2・3・\,・・・\,・(n-1)=(n-1)!}{1!}\,通りである. n回のうち何回目に青玉2個を取り出すかは\,C n2\,通りある. q_n(k):n回のうちk-1回青玉,\ 残りのn-k+1回は赤玉} 基本的には(4)と同様だが,\ 二項係数\,C nr\,を階乗の形で表して計算する}必要がある. \\  変数$X_k$を以下のように定める. \ 1 & (k回目に青玉が取り出される) \ 0 & (k回目に青玉が取り出されない) 本解は,\ 期待値の定義に基づいて普通に計算するものであり,\ 数 B:数列の知識が必要になる. n回すべて青玉ならばk=n+1となるから,\ kは1≦ k≦ n+1のn+1通りの値をとりうる.} n+1までの和を計算する}ことに注意してΣ公式を適用する.  公式 Σ{k=1}{n}k^2=16n(n+1)(2n+1)  Σ{k=1}{n}k=12n(n+1) n回の試行終了後,\ 壷の中の玉はn+3個になっている. 3個の玉は対等かつ最初の青玉の割合が\,13\,なので,\ n+3}{3}\,個の青玉が期待されるのも当然}である. 本解が割と簡潔に済んだのは,\ 最初の壷の中の赤玉と青玉の個数が少なかったおかげである. 最初の個数が多くなると,\ 本解の方法で求めることが困難になる. そこで重要になるのが,\ 和の期待値の公式を利用}する別解の方法である. 個数の期待値問題では,\ カウント効果をもつダミー変数を導入する}とよいのであった. 青玉が取り出されるたびに+1ずつカウントする}もので,\ 壷の中の青玉の個数Xを和で表せる. 例えば,\ 5回の試行で2回目と4回目に青玉が取り出されたとしよう. このとき,\ 青玉の個数はX=1+X_1+X_2+X_3+X_4+X_5=1+0+1+0+1+0=3個となる. 後は,\ 公式\ E(aX+b)=aE(X)+b}\ と\ E(X+Y)=E(X)+E(Y)}\ を適用して分割する. (2)より,\ 何回目でも青玉(赤玉)を取り出す確率は等しいから,\ E(X_k)は容易に求められる.
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