確率漸化式の基本(2状態)

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確率漸化式は、数列:漸化式の学習が完了していることを前提としています。

特殊解型漸化式と対称型連立漸化式の詳細については、数列:漸化式の解法パターン で確認してください。

袋Aには白玉2個,\ 赤玉1個,\ 袋Bには白玉3個が入っている.\ 袋Aと袋Bからそれ \\[.2zh] \hspace{.5zw}ぞれ1個の玉を無作為に取り出して入れ替えることを$n$回繰り返したとき,\ 袋Aの中 \\[.2zh] \hspace{.5zw}に赤玉が入っている確率を求めよ. 確率漸化式の基本(2状態)}}}} \\\\[.5zh]  本問の確率を普通に確率の積で求めようとすると,\ 下のような樹形図を考えることになる. \\\\  2回,\ 3回程度ならば容易に求められるが,\ $n$回の場合の確率は到底求められそうにない. \\[.2zh]  このように,\ 直接的に$p_n$を求めることが困難な場合,\ \textbf{\textcolor{blue}{漸化式の作成}}(数B:数列)を試みる. \\[.2zh]  \textbf{\textcolor{red}{一般項$\bm{p_n}$が不明でも,\ $\bm{p_n}$と$\bm{p_{n+1}}$の関係ならば立式できる}}ことを利用するのである. \\[.2zh]  この漸化式を解くことで,\ 一般項$p_n$を求めることができる. \\[.2zh]  不明のものを一旦$x$とおいて方程式を作成し, それを解いて$x$の値を求めるのと同様である. \\[.2zh]  確率漸化式は,\ 確率と漸化式の理解度を同時に問えるため,\ \textbf{\textcolor{purple}{2次記述試験で頻出する.}} \\[1zh]  漸化式は,\ \textbf{\textcolor{blue}{同じ試行の繰り返しで複数の状態を行き来するタイプの確率}}で特に有効である. \\[.2zh]  本問は,\ その中でも最も基本的な2状態を行き来するタイプである. \\[.2zh]  多くの場合,\ \textbf{\textcolor{red}{$\bm{n}$の状態を排反に場合分けして$\bm{n+1}$の状態との関係を考えて漸化式を作る.}} \\[.2zh]  その際,\ 問題の本質的構造を見抜き,\ 下のような\textbf{\textcolor{blue}{状態推移図}}を作成できるかが問われる   $n+1$回繰り返したときに袋Aの中に赤玉が入っているのは,\ 2つの場合である. \\[.5zh]    [1]\ \ $\textcolor{forestgreen}{n回後に袋\text Aに赤玉が入っており,\ n+1回目に袋\text Aから白玉を取り出す.}$ \\[.5zh]    [2]\ \ $\textcolor{forestgreen}{n回後に袋\text Bに赤玉が入っており,\ n+1回目に袋\text Bから赤玉を取り出す.}$ \\\\   $n$回繰り返したときに袋Aの中に赤玉が入っている確率を$p_n$とする. \\[.2zh]   [1]と[2]は互いに排反であるから まずは自分の手を動かして実験し,\ 問題の本質をとらえることが重要である. \\[.2zh] 最初,\ \mathRM{(A白,\ A赤,\ B白,\ B赤)}=(2,\ 1,\ 3,\ 0)である.\ 白玉同士を入れ替えても状態は変わらない. \\[.2zh] \text Aの赤玉と\text Bの白玉を入れ替えると,\ \mathRM{(A白,\ A赤,\ B白,\ B赤)=(3,\ 0,\ 2,\ 1)}となる. \\[.2zh] \text Aの白玉と\text Bの赤玉を入れ替えると,\ \mathRM{(A白,\ A赤,\ B白,\ B赤)}=(2,\ 1,\ 3,\ 0)に戻る. \\[.2zh] 結局,\ \bm{たった2つの状態を行き来するだけの問題}にすぎないわけである. \\[1zh] 起こりえる状態をすべて確認した後,\ \bm{どれだけの確率で推移するか}を求める. \\[.2zh] \text Aと\text Bのどちらに赤玉がある場合でも,\ 白玉同士を入れ替える確率は\,\bunsuu23\cdot\bunsuu33=\bunsuu23\,である. \\[.8zh] \text Aと\text Bのどちらに赤玉がある場合でも,\ 白玉と赤玉を入れ替える確率は\,\bunsuu13\cdot\bunsuu33=\bunsuu13\,である. \\\\ さらに,\ \bm{2つの状態は互いに排反で,\ なおかつすべての場合が尽くされている.} \\[.2zh] よって,\ 各状態をp_n,\ q_n\,とおくと,\ \bm{p_n+q_n=1}が成立する. \\[.2zh] 未知数列が多くなると後が面倒になるので,\ あらかじめq_n=1-p_n\,として立式するのが普通である. \\[1zh] 漸化式さえ作成できれば,\ 後は単に漸化式を解くという数\text B:数列の問題である. \\[.2zh] 本問の漸化式は,\ \ \bm{特殊解型漸化式\ a_{n+1}=pa_n+q}\ である. \\[.2zh] この型は,\ まずa_{n+1}=a_n=\alpha\,としてできる特性方程式\,\alpha=p\alpha+qを解いて特殊解\,\alpha\,を求める. \\[.2zh] すると,\ a_{n+1}-\alpha=p(a_n-\alpha)\,とでき,\ \bm{等比数列型漸化式に帰着する}のであった. \\[1zh] nのときの確率p_n\,を求める問題は,\ \bm{n=1やn=2の場合を考えて検算する}ことが望ましい. \\[.2zh] 直接的に求めると どんな確率の問題で漸化式の作成が有効かという大体の目安を改めてまとめると以下のようになる. \\[.5zh]  [1]\ \ \bm{nのときの確率p_n\,を求める問題}である. \\[.3zh]  [2]\ \ \bm{n+1のときの状態がnのときの状態によってのみ決まる.} \\[.3zh]  [3]\ \ \bm{nの値によって試行内容が変わらない(同じ試行を何回も繰り返す).} \\[.3zh]  [4]\ \ \bm{状態の推移が一方向ではなく,\ 複数の状態を行き来する.} \\[1zh] 状態が一方向にのみ推移する場合,\ 漸化式を作成せずとも直接的に確率を求められる. \\[.2zh] 例えば,\ 本問の設定でn回目の試行で初めて赤玉が\text Bに移動する確率を求めるとしよう. \\[.2zh] \text Bから\text Aに戻ることはなく,\ \text Aから\text Bへの一方向への状態推移のみを考えればよいことになる. \\[.2zh] (n-1回白玉交換)\times(n回目に赤玉移動)=\left(\bunsuu23\right)^{n-1}\times\bunsuu13\,と直接的に求まる. n$回繰り返したときに袋A,\ 袋Bに赤玉が入っている確率をそれぞれ$p_n,\ q_n$とする. \\\\ 状態推移図より  別解は,\ q_n=1-p_n\,を利用せず,\ \bm{q_n\,についての漸化式も作成して連立する}ものである. \\[.5zh] この場合,\ \bm{対称型の連立漸化式\begin{cases} a_{n+1}=pa_n+qb_n \\[.2zh] b_{n+1}=qa_n+pb_n \end{cases}}に帰着する. \\\\ この型は,\ \bm{2式の和と差で組み直す}と,\ \bm{2つの等比数列型漸化式に帰着する}のであった. \\[.2zh] p_{n+1}+q_{n+1}=p_n+q_n\,より,\ p_n+q_n=p_{n-1}+q_{n-1}=\cdots\cdots=p_2+q_2=p_1+q_1=1\,である. \\[.2zh] 結局,\ p_n+q_n=1が導かれる.\ もちろん,\ 初項p_1+q_1=1,\ 公比1の等比数列と考えてもよい. \\[1zh] 後は,\ p_n+q_n=1とp_n-q_n=\left(\bunsuu13\right)^nを連立すればよい.なお,\ q_n=\bunsuu12\left\{1-袋の中に1から5までの数字が1つずつ書かれた5個の玉が入っている. この中から \\[.2zh] \hspace{.5zw}無作為に1個の玉を取り出し,\ 書かれている数字を記録してから袋の中に戻すという \\[.2zh] \hspace{.5zw}操作を$n$回繰り返したとき,\ 記録した数字の和が奇数となる確率を求めよ. \\ {n回繰り返したとき,\ 数字の和が奇数となる確率をp_n}とする.$ \\\\   $n+1$回繰り返したときに和が奇数となるのは次の2つの場合で,\ 互いに排反である. \\[.5zh]    [1]\ \ $\textcolor{forestgreen}{n回後の和が奇数で,\ n+1回目に偶数の玉を取り出す.}$ \\[.5zh]    [2]\ \ $\textcolor{forestgreen}{n回後の和が偶数で,\ n+1回目に奇数の玉を取り出す.}$ \\\\ \bm{各\bm{n}における状態は,\ 「和が奇数」と「和が偶数」という排反な2つの状態に限られる.} \\[.2zh] 必然的にこの2つの状態を行き来することになるから,\ 漸化式の作成が有効である.
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