
両面が赤のカードが2枚,\ 片面が赤でもう片面が青のカードが3枚,\ 両面が青のカード \\[.2zh] \hspace{.5zw}が1枚入った箱の中から,\ 1枚のカードを無作為に取り出して机の上に置く. さらに, \\[.2zh] \hspace{.5zw}もう1枚のカードを無作為に取り出して1枚目のカードの横に置く.\ 見えている面を \\[.2zh] \hspace{.5zw}表とするとき,\ 以下の確率を求めよ. \\[1zh] \hspace{.5zw} (1)\ \ 1枚目のカードの表が赤である確率 \\[1zh] \hspace{.5zw} (2)\ \ 2枚目のカードの表が赤である確率 \\[1zh] \hspace{.5zw} (3)\ \ 1枚目のカードの表が赤であったとき,\ そのカードの裏も赤である確率 \\[1zh] \hspace{.5zw} (4)\ \ 1枚目のカードの表が赤で,\ かつ2枚目のカードの表が青であったとき, \\[.2zh] \hspace{.5zw}\phantom{ (1)}\ \ 1枚目のカードの裏が赤である確率 \\ 両面色付きカードの確率}}}} \\\\[.5zh] (1)\ \ \textcolor{magenta}{両面赤のカードを取り出す場合}と\textcolor{cyan}{片面赤のカードを取り出す場合}がある. \\[1zh] \centerline{$\therefore 2つの場合は互いに排反であるからすべての面を区別すると1枚目のカードの表は12通りあり,\ これらは同様に確からしい.} 普通に考えると本解となる. \\[.2zh] 片面が赤のカードを取り出す確率が\,\bunsuu36,\ 表が赤になる確率がその\,\bunsuu12\,である. \\\\ 実は,\ \bm{どのカードを取り出すかではなく,\ どの面が表に出るかを全事象にとる}と簡潔に済む. \\[.2zh] 以下のように,\ \bm{同じ色の面もすべて区別すると12通りの面があり,\ 完全に対等}である. \\[.5zh] (赤1,\ 赤2),\ (赤3,\ 赤4),\ (赤5,\ 青1),\ (赤6,\ 青2),\ (赤7,\ 青3),\ (青4,\ 青5) \\[.5zh] 赤1よりも赤2のほうが表になりやすいなどということはないだろう. \\[.2zh] 結局,\ 1枚取り出して表だけ見るというのは,\ 赤玉7個,\ 青玉5個から1個選ぶのと変わらない. (2)\ \ 1枚目と2枚目に取り出すカードは以下の6つの場合があり,\ 互いに排反である. \\[.5zh] $(1枚目,\ 2枚目)=(両面赤,\ 両面赤),\ (両面赤,\ 片面赤),\ (片面赤,\ 両面赤),$ \\[.2zh] $\phantom{(1枚目,\ 2枚目)=}\ (片面赤,\ 片面赤),\ (両面青,\ 両面赤),\ (両面青,\ 片面赤)$ \\[1zh] すべての面を区別すると2枚目のカードの表は12通りあり,\ これらは同様に確からしい.} 1枚目と2枚目にどのカードを取り出すかで場合分けすると,\ 大変面倒なことになる(本解). \\[1zh] \bm{すべての面を区別し,\ 2枚目の表にのみ着目して全事象をとる}と瞬殺である(別解). \\[.2zh] \bm{まだ1枚も取り出していない時点で,\ 2枚目のカードの表が赤である確率}が題意である. \\[.2zh] よって,\ この時点では12通りの面すべてが等確率で2枚目の表になりうる. (3)\ \ $A:$「\,1枚目のカードの表が赤である」 $B:$「\,1枚目のカードの裏が赤である」 \bm{1枚目のカードの表が赤とわかった時点で,\ そのカードの裏が赤である条件付き確率}が題意である. \\[.5zh] 事象Aが起こったときに事象Bが起こる条件付き確率は \bm{P_A(B)=\bunsuu{P(A\cap B)}{P(A)} (4)\ \ $A:$「\,1枚目のカードの表が赤で,\ かつ2枚目のカードの表が青である」 \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ \ $B:$「\,1枚目のカードの裏が赤である」 \\\\ \phantom{ (1)}\ \ 事象$A$が起こるのは,\ 以下の2つの場合であり,\ 互いに排反である. \\[.5zh] [1]\ \ \textcolor{magenta}{1枚目が両面赤のカードで,\ かつ2枚目のカードの表が青である} \\[.2zh] [2]\ \ \textcolor{cyan}{1枚目が片面赤のカードで,\ かつ表が赤で,\ かつ2枚目のカードの表が青である} $A\cap B:$「\,1枚目が両面赤のカードで,\ かつ2枚目のカードの表が青である」 \\[1zh] P(A)を求めるとき,\ 以下のように考えるのは\bm{誤り}である. \\[.2zh] 1枚目のカードの表が赤である確率は,\ (1)より\,\bunsuu{7}{12}\,である. \\[.8zh] 残り11通りの面のうち青の面は5面あるから,\ 2枚目のカードの表が青になる確率は 誤りの理由は,\ \bm{表の色と裏の色が連動していることを考慮していない}ことにある. \\[.2zh] \bm{1枚目の表の色がわかった時点で,\ 残りの11面は対等ではなくなる.} \\[.2zh] 実際,\ 以下の12通りの面のうち,\ 1枚目の裏が赤5,\ 赤6,\ 赤7,\ 青4,\ 青5である可能性はない. \\[.2zh] (赤1,\ 赤2),\ (赤3,\ 赤4),\ (赤5,\ 青1),\ (赤6,\ 青2),\ (赤7,\ 青3),\ (青4,\ 青5) \\[.2zh] この点,\ 2面を扱う本問は1面だけ扱う(1)や(2)とは話が異なるので注意が必要である. \\[1zh] 結局,\ 面のみに着目して求めることは難しいので,\ 1枚目のカードが何かで場合分けすることになる. \\[.2zh] そして,\ \bm{1枚目のカードが何かさえ決まれば,\ 残りの10面は完全に対等}になる. \\[1zh] うまい考え方に確信がもてないならば,\ 以下のように排反な場合分けをして求めるのが無難である. \\[1zh] (1枚目,\ 2枚目)=(両面赤,\ 片面青),\ (両面赤,\ 両面青),\ (片面赤,\ 片面青),\ (片面赤,\ 両面青) \\[.2zh]