確率の定義、場合の数との違い、「同様に確からしい」とは

確率の定義 (事象Aが起こる場合の数)}{(起こりうるすべての場合の数)}$  単純に場合の数の比であるが,\ 注意すべきポイントがある.  場合の数分野とは異なり,\ 同じモノでも区別して考えることである.  白玉と赤玉が入った箱から1個取り出すとき,\ 白玉である確率を考える.  ただし,\ 同じ色の玉は区別できないとする.     {○○●●  ${「白玉」}{「白玉」「赤玉」}=12$?     {○●●●  ${「白玉」}{「白玉」「赤玉」}=12$?  上は正しいが,\ 普通(常識的・現実的)に考えて,\ 下は\ $14\ であろう.$  この常識的に考えた確率は,\ 同じモノを区別することで得られる.  つまり,\ 「白玉」}{「白玉」「赤玉1」「赤玉2」「赤玉3」}=14}\ と考えたわけである.$  場合の数では同じモノを区別しない決まりであったがなぜだろうか.  次のような4個の玉の並べ方が何通りあるかを考える. 白玉2個,\ 赤玉2個 ○○●●}   すべて区別すると $4!\ (通り)$} 白玉1個,\ 赤玉3個 ○●●●}   すべて区別すると $4!\ (通り)$}  これでは考える意味がない.\場合の数では区別しないことに意義がある.  一方,{確率では区別しないと現実離れする.  そこで,\ 場合の数では区別せず,\ 確率では区別することになるのである.  ただし,\ 区別するかしないかが確率の根幹ではない.  根幹にあるのは,\ 「各事象が同様に確からしい}」}ことである.  {○●●●\ は,\ 「赤玉」が「白玉」よりも3倍起こりやすい.  これを対等とみなして比を求めて正しい確率が得られるはずはない.  起こりやすさが同程度の事象の数を基準として比を求めるべきである.  そのためには,\ 同じモノでも区別して考えることになるのである.  この場合は,\ 「白玉」「赤玉1」「赤玉2」「赤玉3」が同様に確からしい.  起こりやすさが同程度の4つのうちの1つの事象が白玉というわけである.  このように,\ 何が同様に確からしいかは,\ 1個取り出すときは簡単である.  しかし,\ 複数個取り出すときは単純ではなくなる.  大きく3パターンあるので,\ 以下で1パターンずつ確認する. 1から7の数字から異なる4個の数字を選び,\ 4桁の整数を作る. 奇数である確率を求めよ. 7個の文字$a,\ a,\ a,\ b,\ b,\ c,\ c$をすべて並べて文字列を作る. 両端が$c$となる確率を求めよ. 白玉4個,\ 赤玉3個が入っている箱の中から1個取り出すという 操作を2回繰り返す.\ ただし,\ 1回目で取り出した玉は戻さない. 2回とも白玉を取り出す確率を求めよ. 総数は\ P74=840通りで,\ この840通りは{同様に確からしい.} \ 1234よりも2345が起こりやすいなどということはないだろう. \ 最小の1234から最大の7654までの840通りすべての整数が対等である. \ 奇数となるとき,\ 一の位は1,\ 3,\ 5,\ 7の4通りある. \ 他の位は,\ 残りの6個の数字から3個選んで並べるから,\ P63\ 通りである. \ 確率の原則に従うならば,\ {同じ文字でも区別して考える}べきである. \ つまり,\ a₁,\ a₂,\ a₃,\ b₁,\ b₂,\ c₁,\ c₂\ の並べ方を考える. \ {全事象\ 7!\ 通りが同様に確からしい.} \ 両端がcとなるのは,\ c₁○○○○○c₂\ と\ c₂○○○○○c₁\ の場合がある. \ ○に入る5文字\ a₁,\ a₂,\ a₃,\ b₁,\ b₂\ の並べ方は\ 5!\ 通り. \ さらに,\ 両端のc₁,\ c₂の並べ方が2通りあるから,\ 分子は\ 5!2\ となる. \ ためしに,\ 同じ文字を区別せずに考えると,\ {同じものを含む順列}の扱いになる. \ 総数は,\ {7!}{3!2!2!}=210\ 通りである. \ 両端がcとなるのは,\ c○○○○○cの場合のみである. \ ○に入る5文字a,\ a,\ a,\ b,\ b\ の並べ方は,\ {5!}{3!2!}=10\ 通りである. \ よって,\ 確率は\ {10}{210}=1}{21\ となり,\ 上の解答と一致する. \ 実は,\ 本問のように{すべてを並べる場合に限り,\ 区別しなくてもよい.} \ しかし,\ 何個か選んで並べる場合は同様に確からしいとはいえなくなる. \ 実際,\ 1個選んで並べる場合,\ 「aを1個」は「bを1個」よりも起こりやすい. \ やはり,\ 同じものは常に区別して考えるのが安全で確実である. \ 「毎回元に戻さずに取り出す」ことを{非復元抽出}という. \ 非復元抽出における場合の数は,\ {順列}で求めることができる. \ 本問も,\ 白₁,\ 白₂,\ 白₃,\ 白₄,\ 赤₁,\ 赤₂,\ 赤₃\ のように区別して考える. \ 1回目は7通り,\ 2回目は6通りなので,\ 76\ つまり\ P72\ 通りである. \ 1回目に白玉を取り出すのは4通り,\ 2回目は3通りなので,\ P42\ 通りである. \ なお,\ 非復元抽出の確率は,\ {確率の乗法定理}で求めるほうがわかりやすい. \ 1回目に白玉を取り出す確率は\ 47,\ 2回目は\ 36\ なので,\ 4736\ とできる. 1から9の数字が1つずつ書かれたカードが9枚ある.\ この中から 2枚取り出すとき,\ 2枚とも奇数である確率を求めよ. 白玉4個,\ 赤玉3個が入っている箱の中から2個取り出すとき,\ 2個 とも白玉である確率を求めよ. 異なる9枚から2枚選ぶ場合の数は\ C92=36\ 通りがあり,\ {同様に確からしい.} \ 組合せ(1,\ 2)が組合せ(8,\ 9)よりも起こりやすいなどということはない. \ 全事象を36通りと,\ 2枚とも奇数を選ぶC52通りとの比を求めればよい. \ C nrは,\ 異なる}\ n個からr個選ぶときの組合せの総数である. \ よって,\ C nr\ を使う時点でモノを区別して考えていることになる. \ 区別するのがP nr,\ 区別しないのがC nr\ だと誤解している人が少なくない. \ {異なる}n個から選んでかつ並べるのがP nr,\ 選ぶだけなのがC nr} である. \ 白₁,\ 白₂,\ 白₃,\ 白₄,\ 赤₁,\ 赤₂,\ 赤₃\ のように区別して考える. \ C nrで考えれば自動的に区別したことになるので,\ 単純に考えればよい. \ 27\ という答えは,\ 先の{非復元抽出の問題の答えと一致}する. \ 実は,\ {「非復元抽出(順序関係なし)」と「同時に取り出す」は同一視できる.} \ 直感的には次のように考えられる. \ 現実問題,\ 同時に取り出すということは不可能である. \ 同時に見えても,\ 0.00000000000000001秒ずれているかもしれないからである. \ よって,\ 本問の「同時に2個取りだす」は,\ 「順に2個取り出す」と同じである. \ 逆に,\ 「順に2個取り出す」を「同時に2個取り出す」と考えて求めてもよい. \ あくまで,\ 順序が関係しない事象においてのみ成り立つ話なので注意. \ また,\ {分母と分子の考え方を必ず統一する}こと. \ 分母をPで求めたなら分子もPで,\ 分母をCで求めたなら分子もCで求める.} 白玉4個,\ 赤玉3個が入っている箱の中から1個取り出すという 操作を2回繰り返す.\ ただし,\ 1回目で取り出した玉は戻す. 2回とも白玉を取り出す確率を求めよ. 2個のサイコロを同時に振るとき,\ 出る目の積が12となる確率を \ 「毎回元に戻してから取り出す」ことを{復元抽出}という. \ 復元抽出における場合の数は,\ {重複順列}で考えることができる. \ 7個の玉を全て区別すると,\ 1回目も2回目も7通りなので,\ 7²通りである. \ この{49通りが同様に確からしい.} \ (1回→2回)=(白₁→白₂)が(白₂→白₃)より起こりやすいということはない. \ 白玉を取り出すのは,\ 1回目も2回目も4通りなので,\ 4²通りである. \ 復元抽出の確率も,\ {確率の乗法定理}で求めるほうがわかりやすい. \ 1回目に白玉を取り出す確率は\ 47,\ 2回目も\ 47\ なので,\ 4747\ とできる. \ {「n個のサイコロを振る」「1個のサイコロをn回振る」も重複順列となる.} \ 各サイコロの目,\ あるいは各回のサイコロの目は互いに影響しないからである. \ 1個,\ 1回のサイコロにつき6通りが同様に確からしく,\ 分母は必ず\ 6^n\ となる. \ つまり,\ この2つは同じと考えてよい. \ また,\ {「コインを投げる」「じゃんけんする」}も同様である. \ 確率では区別できないサイコロであっても,\ 区別して考える. \ よって,\ 本問では,\ {6²=36通りが同様に確からしい.} \ 当然,\ (サイコロ1,\ サイコロ2)=(2,\ 6),\ (6,\ 2)は2通りと数える.
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