
n$を自然数とする.\ 毎回$\bunsuu1n$の確率で当たるくじを$n$回引く. \\[1zh] \hspace{.5zw}(1)\ \ $n$回すべてはずれる確率を$P_n$とするとき,\ $\dlim{n\to\infty}P_n$を求めよ(数n\geqq5$とする.\ ちょうど5回当たる確率を$Q_n$とするとき,\ $\dlim{n\to\infty}Q_n$を求めよ(数反復試行の確率の極限と自然対数の底$\bm{e}自然対数の底eの定義 確率に関するある種の極限計算では,\ 自然対数の底eが現れる.\ なお,\ e\kinzi2.71である. \\[.2zh] テーマとして興味深く,\ 極限の知識も含めて総合力を問えるため,\ 頻出する. \\[.2zh] もっとも,\ 都合よくeが現れる極限は限られており,\ ほとんどは有名パターンである. \phantom{(1)}\ \ \dlim{n\to\infty}\left(1-\bunsuu1n\right)^nは単純には1^{\infty}\,となるが,\ これは不定形なので1としてはならない. \\[.8zh] \phantom{(1)}\ \ \bm{1^{\infty}\,の不定形になる極限は,\ 自然対数の底eの定義を利用して求める}必要がある. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 定義式と見比べ,\ 括弧内が一致するように置換する. \\[1zh] \phantom{(1)}\ \ P_n\,の収束はかなり速く,\ n=6程度ですでにほぼ\,\bunsuu13\,となる. \\[1zh] \phantom{(1)}\ \ つまり,\ nの値によらず,\ すべてはずれる確率はおおよそ\,\bunsuu13\,程度というわけである. \\[.8zh] \phantom{(1)}\ \ 逆にいえば,\ nの値によらず,\ 少なくとも1回当たる確率はおおよそ\,\bunsuu23\,程度である. \\\\ (2)\ \ 同じ試行をn回繰り返すとき,\ 確率pの事象Aがr回起こる確率は \kumiawase nrp^r(1-p)^{n-r} \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ \bunsuu{n\cdots(n-4)}{n^5}\,の極限は展開せずとも,\ \bm{分母のn^5\,を分子の5つの積に1つずつ分配する}とよい. \\[.8zh] \phantom{(1)}\ \ 指数部分のn-5を分割すると,\ (1)の極限に帰着する. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 本問の5をrとすると容易に一般化でき,\ ちょうどr回当たる確率の極限は\,\bm{\bunsuu{1}{r\kaizyou e}}\,となる. \\[.8zh] \phantom{(1)}\ \ r=0の場合が(1)である.\ \ 0\kaizyou=1という決まりなので,\ \bunsuu{1}{0\kaizyou e}=\bunsuu1e\,となる.