a,\ b,\ c,\ d,\ e$の5文字を一列に並べるとき,\ 次の確率を求めよ.
(1)\ \ $a$と$b$が隣り合う確率
(2)\ \ $a$が$b$または$c$と隣り合う確率
(3)\ \ $a$と$b$が隣り合う,\ $a$と$c$が隣り合うのどちらか一方だけが起こる確率
(4)\ \ $a,\ b,\ c$のうちどの2文字も隣り合わない確率 \\
隣り合う・隣り合わない確率(和事象$A∪ B}$の確率) \\
$事象A,\ Bが互いに排反でない$とき
5ヶ所のうち$a$と$b$が並ぶ位置の組合せは$C52$通りあり,\ これらは同様に確からしい.}
$b$の並べ方は,\ $a$が端に並ぶとき1通り,\ $a$が端以外に並ぶとき2通りある}から
隣り合うモノは一旦1つの箱に入れて並べ,\ その後その箱の中で並べ替える}のであった.
\fbox{$ab$},\ c,\ d,\ eの並ベ方が4!\,通り,\ a,\ bの並べ方が2!\,通りである.
隣り合うか否かは相対的な位置関係の問題}なので,\ 位置だけに着目して求めることもできる(別解1).
①②③④⑤のうちaとbが並ぶ場所の組合せ(aとbの順序は考えない)は\,C52\,通りある.
(①,\ ②)よりも(②,\ ③)のほうが起こりやすいなどということはなく,\ C52\,通りが対等である.
C52\,通りのうちaとbが隣り合うのは,\ (①,\ ②),\ (②,\ ③),\ (③,\ ④),\ (④,\ ⑤)の4通りである.
1文字ずつ段階的に考える}と別解2となる.\ 最初にa,\ 次にbを並べるとする.
aの位置によってbの並べ方が変わるので排反な2つの場合(aが端か端以外か)に分ける.
aが端に並ぶとき,\ aと隣り合うのは残り4ヶ所のうち1ヶ所だけである.
aが端以外に並ぶとき,\ aと隣り合うのは残り4ヶ所のうち2ヶ所である.
(2)\ \ $a$と$b$が隣り合う確率,\ $a$と$c$が隣り合う確率はいずれも,\ (1)より\ $25$
$a$と$b$および$a$と$c$がいずれも隣り合う}確率は 5ヶ所から3ヶ所選んで$a$,\ $b$,\ $c$を並べる方法は$P53$通りあり,\ これらは同様に確からしい.
事象A,\ Bが排反でない(共通部分をもつ)}とき,\ 以下が成り立つことはベン図から明らかであろう.
(AまたはBの確率)=(Aの確率)+(Bの確率)-(AかつBの確率)}
AまたはBの確率を求めるとき,\ 必ずAとBが排反か否かを考慮する.}
「\,aとbが隣り合う」と「\,aとcが隣り合う」は排反ではない}ので,\ 重複分を引く必要がある.
共通部分は,\ \fbox{$abc$},\ d,\ eの並べ方が3!\,通り,\ a,\ b,\ cの並べ方がbacとcabの2通りである.
aとbおよびaとcがいずれも隣り合う確率を求める部分の別解も示した.
本問ではどのような並びで隣り合うか}が問われているので,\ 組合せではなく順列を全事象}にとった.
①②③④⑤のうちa,\,b,\,cの位置の組合せが(①,\ ②,\ ③),\ (②,\ ③,\ ④),\ (③,\ ④,\ ⑤)の3通りある.
そのいずれに対しても,\ 並べ方はbacとcabの2通りである.
a,\ b,\ cを順に並べる場合,\ 最も条件の強いaから並べる}(別解2).
aの位置は②,\ ③,\ ④の3通り,\ bの位置はaの両隣の2通り,\ cの位置はbと対称の1通りである
問題文だけを見るとややこしそうに感じるが,\ ベン図を描けば何のことはない.
5ヶ所のうち$a$,\ $b$,\ $c$が並ぶ位置の組合せは$C53$通りあり,\ これらは同様に確からしい.
「隣り合わない」を(全体)-(隣り合う)とするのは非推奨なのであった(場合の数で学習).
「\,2文字a,\ bが隣り合わない」の場合は,\ (全体)-(a,\ bが隣り合う)は正しい.
しかし,\ 「\,3文字a,\ b,\ cが隣り合わない」の場合,\ (全体)-(a,\ b,\ cが全て隣り合う)は正しくない.
3文字のうち2文字だけが隣り合う場合もありえるからである.
これらをすべて考慮するのは大変面倒で,\ 4文字以上ともなるともはやお手上げである.
結局,\ 「隣り合わないモノを先に並べた後,\ 残りのモノを間に並べる」}が有効なのであった.
a,\ b,\ cを並べる方法が3!\,通り,\ その間の2ヶ所にd,\ eを並べる方法が2!\,通りである(本解).
a,\ b,\ cの位置のみに着目}すると,\ ①②③④⑤のうち(①,\ ③,\ ⑤)の1通りである(別解1).
aの位置は①,\ ③,\ ⑤の3通り,\ bはその残りの2通り,\ cはさらにその残りの1通りである(別解2).
余事象を利用}する別解も示した.\ 普段の演習では様々な解法を実戦しておくおくことが望ましい.
確率では答えに自信が持てないことも多いが,\ 複数の求め方を習得していると検算が可能になる.}
本問に限って言えば,\ 対称性があるのに加えてベン図中央の重なりがない}ので楽である.
P(A∪ B∪ C)}
=P(A)+P(B)+P(C)-P(A∩ B)-P(B∩ C)-P(C∩ A)+P(A∩ B∩ C)}
求める確率は P(A∪ B∪ C})=P(U)-P(A∪ B∪ C)=1-P(A∪ B∪ C)}