
動点Pが正六角形ABCDEFの頂点上を,\ 頂点Aを出発点として
サイコロを振って出た目の数だけ反時計回りに移動する操作を
3回繰り返すとき,\ 次の確率を求めよ.
(1)\ \ 点Pが頂点Aにいる確率
(2)\ \ 点Pが初めて頂点Aにいる確率
(3)\ \ 点Pがちょうど2回頂点Aに止まる確率 \\[-11.8zh]
反復試行による正多角形上の点の移動 \\
(1)\ \ 3回の目の和が6}になる組合せは
3回の目の和が12}になる組合せは
回の目の和が12になる組合せは}
3回の目の和が18}になる組合せは
(○,\ △,\ □),\ (○,\ ○,\ △),\ (○,\ ○,\ ○)の順列はそれぞれ$3!$,\ りである. 求める確率は1回振ったとき点Pがどの頂点に移動するかは等確率}なので,\ 求める確率は 点 Pが今どこにいても,\ 1回振ってA}にいる確率は\,16,\ A}にいない確率は\,56}\,である.$}
(1)の順列36通りのうち,\ 点Pが途中で頂点Aに止まる順列は以下の11通りがある.
(1)\ \ 場合の数の比として求める方法が思い浮かびやすいだろうか(本解).
\ \ 最初から並びまで考慮しようとすると面倒になるので,\ まずは組合せだけを考える.
\ \ このとき,\ x≧ y≧ zのように自分で大小関係を設定して書き出すと重複を防げる}のであった.
\ \ その後,\ 各組の並べ方がそれぞれ何通りあるかを考える.
\ \ (○,\ ○,\ △)の並べ方は同じモノを含む順列の扱いとなる.
\ \ 答えが非常にシンプルになるが,\ 確率ではこのような場合は大抵もっとうまい解法がある(別解).
\ \ 1回の試行において,\ 各頂点に止まる確率はいずれも\,16\,なので,\ 6個の頂点は対等}である.
\ \ 1回の試行で対等なのであれば,\ 何回繰り返したとしても6個の頂点は対等である.
\ \ 突然,\ AよりB}に止まりやすくなるなどということはないはずである.
\ \ このような対等性は,\ サイコロの目の種類も頂点の個数も同じ6である}ことに起因する.
(2)\ \ (1回目Aにいない)×(2回目Aにいない)×(3回目Aにいる)\ を計算すると早い.
\ \ 場合の数の比として求めようとすると,\ 別解のように丁寧に書き出す羽目になる.
\ \ 左から順に並べたとき,\ 一番左が6の順列と左から2つの数の和が6か12になる順列を除く.
(3)\ \ 反復試行}の最も基本的な問題である.
\ \ 今どこにいるかで確率が変わる場合,\ 公式で一発というわけにはいかず,\ 場合分けが必要になる.動点Pが正五角形ABCDEの頂点上を,\ 頂点Aを出発点として
サイコロを振って出た目の数だけ反時計回りに移動する操作を
3回繰り返すとき,\ 次の確率を求めよ.
(1)\ \ 点Pが頂点Aにいる確率
(2)\ \ 点Pが初めて頂点Aにいる確率 \\[-10zh]
3回の目の和が5}になる組合せは0}
3回の目の和が10}になる組合せは
3回の目の和が10になる組合せは}
3回の目の和が15}になる組合せは
(○,\ △,\ □),\ (○,\ ○,\ △),\ (○,\ ○,\ ○)の順列はそれぞれ$3!$,\ $3!}{2!}$,\ 1通りである. 2回の目の和が4,\ 9}になる組合せは $(3,\ 1),\ (2,\ 2),\ (6,\ 3),\ (5,\ 4)$
サイコロを2回振ってE}にいる確率は
サイコロを2回振ってA,\ B,\ C,\ D}にいる(Eにいない)確率は
$(頂点E)→(頂点A)}の確率は
サイコロの目は6種類で頂点は5個であるため,\ 5個の頂点は対等ではない.}
1回振ってある頂点に止まる確率は,\ 今どこにいるかによって変わる}のである.
結局,\ 1回ごとの確率を考慮するのは面倒なので,\ 場合の数の比として求めるほうが自然である.
別解として,\ 「場合の数の比」「\,1回ごとの確率」の2つの解法のいいとこ取りをする方法を示した.
最初の2回を場合の数の比として求め,\ 最後の1回の確率を掛ける}のである.
最後の1回だけならば,\ 「E\,→\,A」と「E以外\,→\,A」}の2パターンの考慮で済む.
(○,\ △)の順列は2通り,\ (○,\ ○)の順列は1通りである.
また,\ Eにいない確率は余事象を利用}して求められる.
順列43通りのうち,\ 点Pが途中で頂点Aに止まる順列は以下の13通りがある.
2回の目の和が5,\ 10になる組合せは $(4,\ 1),\ (3,\ 2),\ (6,\ 4),\ (5,\ 5)$
点Pが頂点Aにいるとき,\ サイコロを2回振って頂点Aにいる確率
左から順に並べたとき,\ 一番左が5の順列と左から2つの数の和が5か10になる順列を除く(本解).
別解1は,\ (1)の確率から途中で頂点bf Aに止まる以下の3つの場合の確率を除く}ものである.
[1]\ \ A\,→\,A\,→\,○\,→\,A} (○はどこでもよい)
[2]\ \ A\,→\,○\,→\,A\,→\,A} (○はどこでもよい)
[3]\ \ A\,→\,A\,→\,A\,→\,A}
A\,→\,○\,→\,A}の確率は,\ 場合の数の比として求めるのが簡潔で,\ 7}{36}\,となる.\ \ A\,→\,A}は当然\,16\,である.
ただし,\ [1],\ [2],\ [3]は排反ではない}ことに注意して求める.\ ベン図で理解してほしい.
以下のように,\ 最初から排反となるように場合分けする}べきかもしれない.
[1]\ \ A\,→\,A\,→\,△\,→\,A} (△は A以外ならばどこでもよい)
[2]\ \ A\,→\,△\,→\,A\,→\,A} (△は A以外ならばどこでもよい)
[3]\ \ A\,→\,A\,→\,A\,→\,A}
A\,→\,△\,→\,A}の確率は,\ A\,→\,○\,→\,A}の\,7}{36}\,からA\,→\,A\,→\,A}\,の\,1}{36}\,を除いた\,6}{36}\,である.
別解2は,\ 表を利用するものである.\ サイコロ2回の場合,\ 表の利用が有効であった.
サイコロ3回であっても,\ 2回と1回に分けて考えることで表の利用が可能になる.
1回目でAに止まる5の列と2回目でAに止まる斜めの列を消し,\ EかE以外かで場合分けする.}