3と9、4と8、6と12、7と11と13の倍数(余り)の判定法

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3の倍数条件} 各位の和が3の倍数}} \ 9の倍数条件}  \textcolor{red}{各位の和が9 の倍数}} &,4桁の自然数の場合\,] 333a+33b+3cは整数であるから,\ 3(333a+33b+3c)は3の倍数である.$ \\[1zh] \centerline{$\therefore 3の倍数条件は,\ a+b+c+d,\ つまり\ \bm{各位の和が3の倍数}\ である.$} \\\\    \maru2\ \ $1000a+100b+10c+d=(\textcolor{red}{999a+a})+(\textcolor{red}{99b+b})+(\textcolor{red}{9c+c})+d$ \\[.2zh] \phantom{   \maru1}\ \ $\phantom{1000a+100b+10c+d}=(999a+99b+9c)+(a+b+c+d)$ \\[.2zh] \phantom{   \maru1}\ \ $\phantom{1000a+100b+10c+d}=\textcolor{cyan}{9(111a+11b+c)}+(\textcolor{red}{a+b+c+d})$ \\[1zh] \phantom{   \maru1}\ \ $111a+11b+cは整数であるから,\ 9(111a+11b+1c)は3の倍数である.$ \\[1zh] \centerline{$\therefore 9の倍数条件は,\ a+b+c+d,\ つまり\bm{\ 各位の和が9の倍数\ }である.$} \\\\[1zh] 何桁でも同様なので,\ 4桁の自然数の場合を示した. \\[.2zh] まず,\ 4桁の整数abcdは,\ 数式で\ \bm{1000a+100b+10c+d}\ と表現できる. \\[.2zh] 例えば,\ 3582ならば,\ 3582=1000\cdot3+100\cdot5+10\cdot8+2となる. \\[.2zh] \bm{各位の数や桁数に着目する問題}では,\ 自然数をこのように設定して議論することが多い. \\[.2zh] 一般化する場合には,\ a,\ b,\ \cdots\,では文字が足りなくなるので添え字で表現するとよい. \\[.2zh]  \bm{10^na_n+10^{n-1}a_{n-1}+10^{n-2}a_{n-2}+\cdots\cdots+10^2a_2+10a_1+a_0} \\[1zh] 3,\ 9の倍数条件は,\ \bm{3,\ 9がくくり出せるように999,\ 99,\ 9を分離する}とわかる. \\[.2zh] くくり出せた部分は3,\ 9の倍数であるから,\ 残りのa+b+c+dが3,\ 9の倍数であればよい. \\[1zh] \bm{合同式}を学習済みならば,\ 非常に簡潔な表現が可能になる. \\[.5zh]  10^n\equiv1^n\equiv1\ より 1000a+100b+10c+d\equiv a+b+c+d\ \pmod3 \\[.2zh]  10^n\equiv1^n\equiv1\ より 1000a+100b+10c+d\equiv a+b+c+d\ \pmod9 \\[1zh] この判定法は,\ \bm{証明を理解した上で暗記}しておく必要がある. \\[.2zh] 倍数に関する問題はもちろん,\ \bm{普段の単純計算でも利用}できる. \\[.2zh] 例えば,\ \bunsuu{8916}{33}\,が約分できるか否かを素早く判断できる. \\[.6zh] 分母は明らかに3の倍数であるから,\ 分子の8916が3の倍数か否かを判定すればよい. \\[.2zh] (各位の和)=8+9+1+6=24=(3の倍数)より,\ 3で約分できることがわかる. \\[.2zh] さらに言えば,\ 各位の和を計算するとき,\ \bm{3の倍数である9と6は無視}してよい. \\[.2zh] それ以外の和さえ3の倍数ならば,\ 3の倍数の9や6を加えても3の倍数になるからである. \\[.2zh] 結局,\ 8+1=9=(3の倍数)のみで,\ 8916が3の倍数であると判定できる. \\[1zh] さらに,\ \bm{倍数の判定法は,\ より一般的には余りの判定法}であると認識しておくと応用が利く. \\[.2zh] 4桁の整数abcdを3,\ 9で割ったときの余りを求めるとする. \\[.2zh] このとき,\ \bm{a+b+c+dを3,\ 9で割ったときの余りを求めればよい.} \\[1zh] \rei\ \ 31946を3で割った余りは,\ 1+4=5を3で割った余り2に等しい(3の倍数3,\ 9,\ 6は無視). \ 4の倍数条件}  \textcolor{red}{下2桁が4の倍数}\ または\ \textcolor{red}{00}} & \cdots\cdots\,\maru3 \\[.2zh] \bm{\textcolor{cyan}{\ 8の倍数条件}  \textcolor{red}{下3桁が8の倍数}\ または\ \textcolor{red}{000}}   \syoumei\ \ [\,5桁の自然数の場合\,100a+10b+cは整数であるから,\ 4\cdot25(100a+10b+c)は4の倍数である.$ \\[1zh] \centerline{$\therefore 4の倍数条件は,\ 10d+e,\ つまり\ \bm{下2桁が4の倍数\ または\ 00\ }である.$} \\\\    \maru4\ \ $10000a+1000b+100c+10d+e=\textcolor{cyan}{1000(10a+b)}+(\textcolor{red}{100c+10d+e})$ \\[.5zh] \phantom{   \maru1}\ \ $10a+bは整数であるから,\ 8\cdot125(10a+b)は8の倍数である.$ \\[1zh] \centerline{\scalebox{.95}[1]{$\therefore\ \ 8の倍数条件は,\ 100c+10d+e,\ つまり\bm{\ 下3桁が8の倍数\ または\ 000\ }である.$}} \\\\[1zh] 4,\ 8の倍数条件は,\ \bm{100=25\times4,\ 1000=125\times8}\ であることがポイントになる. \\[.2zh] 百の位以上はすべて100をくくり出せるから4の倍数である. \\[.2zh] 結局,\ 下2桁が4の倍数か否かで決まる.\ ただし,\ \bm{00も含まれる}ことに注意する. \\[.2zh] 同様に,\ 千の位以上は1000をくくり出せるから,\ 8の倍数か否かは下3桁で決まる. \\[1zh] 以下のように素因数分解して捉えるのが本質的で,\ 2^n,\ 5^n\,の倍数条件を統一的に理解できる. \\[.2zh]  \bm{100=10^2=5^2\times2^2,\ \ 1000=10^3=5^3\times2^3,\ \ 10000=10^4=5^4\times2^4} \\[1zh] \ 2の倍数条件 & 下1桁が2の倍数 \\[.2zh] \ 2^2=4の倍数条件 & 下2桁が4の倍数\ または\ 00 \\[.2zh] \ 2^3=8の倍数条件 & 下3桁が8の倍数\ または\ 000 \\[.2zh] \ 2^4=16の倍数条件\phantom{0}  & 下4桁が16の倍数\ または\ 0000 \ 5の倍数条件 & 下1桁が5の倍数」 \\[.2zh] \ 5^2=25の倍数条件 & 下2桁が25の倍数\ または\ 00 \\[.2zh] \ 5^3=125の倍数条件 & 下3桁が125の倍数\ または\ 000 \\[.2zh] \ 5^4=625の倍数条件  & 下4桁が625の倍数\ または\ 0000 \maru3,\ \maru4を\bm{合同式}で表現すると以下となる. \\[.5zh]  100\equiv0\ \phantom{0}より 10000a+1000b+100c+10d+e\equiv10d+e   \ \,\hspace{.1zw}\pmod4 \\[.2zh]  1000\equiv0\ より 10000a+1000b+100c+10d+e\equiv100c+10d+e\ \,\pmod8 \end{array}}\right]$}} \\\\\\\\ \ 6=2\cdot3の倍数条件}} &  \bm{\textcolor{red}{2の倍数\ かつ\ 3の倍数}} \\[.2zh] \ 12=2^2\cdot3の倍数条件}} &  \bm{\textcolor{red}{3の倍数\ かつ\ 4の倍数}} 一般に,\ 以下の定理が成り立つ(証明は別項).\ 試験では無断使用してよい. \\[.5zh] \ \ \bm{a,\ bが互いに素な自然数のとき,\ Nがaの倍数かつbの倍数ならば,\ Nはabの倍数}である. \\[.5zh] 互いに素(最大公約数が1)という条件がない場合には成り立たないことに注意してほしい. \\[.2zh] 例えば,\ 2の倍数かつ6の倍数だからといって,\ 2\cdot6=12の倍数であるとは限らない.  \rei\ \ 6,\ 18 \\[1zh] では,\ 30=2\cdot3\cdot5の倍数条件はどうなるだろうか. \\[.2zh] 素直に考えれば「\,2の倍数かつ3の倍数かつ5の倍数」だが,\ 以下でもよい. \\[.2zh]  「\,5の倍数かつ6の倍数」「\,3の倍数かつ10の倍数」「\,2の倍数かつ15の倍数」 \\[.2zh] 状況に応じて使い分けることになる. 11の倍数条件}  \textcolor{red}{(奇数桁目の位の和)-(偶数桁目の位の和)=(11の倍数)}}$ \\[1zh]   \syoumei\ \ [\,6桁の自然数の場合の略証\,] \\[1zh]    $a,\ b,\ c,\ d,\ e,\ f:整数,\ 1\leqq a\leqq9,\ 0\leqq b,\ c,\ d,\ e,\ f\leqq9$とする. \\[.2zh]    6桁の自然数を$100000a+10000b+1000c+100d+10e+f$とおける. \\[1zh]    $100000a+10000b+1000c+100d+10e+f$ \\[.2zh]     $=(100001-1)a+(9999+1)b+(1001-1)c+(99+1)d+(11-1)e+f$ \\[.2zh]     $=100001a+9999b+1001c+99d+11e-a+b-c+d-e+f$ \\[.2zh]     $=\textcolor{cyan}{11(9091a+909b+91c+9d+e)}+\textcolor{red}{(b+d+f)-(a+c+e)}$ \\\\ \centerline{{\small $\left[\textcolor{brown}{\begin{array}{l} 奇数桁とは,\ 一の位から左に向かって数えたときに奇数番目になる桁のことである. \\[.2zh] つまり,\ 一の位,\ 百の位,\ 万の位,\ \cdots\cdots\ である. \\[1zh] \rei\ \ 5\underline{3}6\underline{2}6\underline{1}は,\ (\underline{3}+\underline{2}+\underline{1})-(5+6+6)=-\,11=(11の倍数)より,\ 11の倍数である. \\[1zh] 一般に,\ 以下の数が11の倍数であることを利用すると証明できる. \\[.2zh]  10+1=11,\ 100-1=99,\ 1000+1=1001,\ 10000-1=9999,\ 100000+1=100001,\ \cdots\cdots \\[1zh] 一見不思議だが,\ \bm{合同式}を用いると当然といっていい法則に思えるだろう. \\[.2zh]  10\equiv-\,1\pmod{11}より 10^{奇数}+1\equiv-\,1+1\equiv0, 10^{偶数}-1\equiv1-1\equiv0\pmod{11} \\[1zh] 11の倍数条件の証明についても,\ 合同式を用いるのが本質的である. \\[.5zh]  10^5a+10^4b+10^3c+10^2d+10e+f\equiv(-\,1)^5a+(-\,1)^4b+(-\,1)^3c+(-\,1)^2d+(-\,1)e+f \\[.2zh] \phantom{ 10^5a+10^4b+10^3c+10^2d+10e+f}\equiv-\,a+b-c+d-e+f\ \pmod{11} \\[1zh] 実は,\ 11の倍数の判定法はもう1つある.\ 上級者は知っておいて損はない. \\[.2zh] 例として,\ 12桁の自然数N=abcdefghijklで考える. \\[.2zh] 3桁ごとに\ \bm{abc\,|\,def\,|\,ghi\,|\,jkl}\ と区切ってabc=Aなどとすると,\ N=ABCDとおける. \\[.5zh]  1000=10^3\equiv(-\,1)^3\equiv-\,1\,\pmod{11}\ より \\[.5zh]   N=1000^3A+1000^2B+1000C+D\equiv(-\,1)^3A+(-\,1)^2B+(-\,1)C+D \\[.2zh] \phantom{  N=1000^3A+1000^2B+1000C+D}\equiv-\,A+B-C+D\ \pmod{11} \\[.5zh] (B+D)-(A+C)は,\ \bm{\uwave{右から奇数番目の区画の和から偶数番目の区画の和を引いたもの}}である. \\[.2zh] 波線部が11の倍数となるとき,\ Nも11の倍数となる. \\[.2zh] 例えば,\ 592\underline{421}174\underline{345}は,\ (\underline{421}+\underline{345})-(592+174)=0=(11の倍数)より,\ 11の倍数である. \\[1zh] ところで,\ \bm{10^3\equiv3^3\equiv27\equiv-\,1\pmod7,\ 10^3\equiv(-\,3)^3\equiv-\,27\equiv-\,1\pmod{13}}\ である. \\[.2zh] どの場合も10^3\equiv-\,1になるのは,\ \bm{1001=7\cdot11\cdot13}より,\ 1000=7\cdot11\cdot13-1だからである. \\[.2zh] これを考慮すると,\hspace{-.5zw}\mod7,\hspace{-.5zw}\mod13の場合も\hspace{-.5zw}\mod11と全く同じ議論が成り立つことがわかる. \\[.2zh] つまり,\ \bm{7の倍数条件は波線部が7の倍数,\ 13の倍数条件は波線部が13の倍数}となることである. }$5a38b$で表される5桁の自然数のうち,\ 36の倍数となるものをすべて求めよ. \\   4の倍数となる条件は $\textcolor{red}{b=0,\ 4,\ 8}$ \\[.5zh]   9の倍数となる条件は $5+a+3+8+b=\textcolor{red}{16+a+b=(9の倍数)}$ \\[1zh] 2^2=4と3^2=9は\bm{互いに素}なので,\ 2^2\cdot3^2=36の倍数は4の倍数かつ9の倍数と考えてよい. \\[.2zh] 先に4の倍数条件を考慮すると一の位bが定まり,\ 続いて9の倍数条件からaも定まる. \\[.2zh] 0\leqq a,\ b\leqq9より,\ 16+a+b=18または16+a+b=27となる可能性がある. $abcabcで表される6桁の自然数が7,\ 11,\ 13の倍数であることを示せ.$ \\   よって,\ $\bm{abcabcは7,\ 11,\ 13の倍数}$である. \\\\   \betu\ \ $abcabc=\textcolor{magenta}{1000abc+abc}=1001\cdot abc=\textcolor{red}{7\cdot11\cdot13\cdot abc}$\ より,\ 題意は示された. \\\\ 倍数条件や1001=7\cdot11\cdot13の知識があれば,\ 別解のようにスマートに解答できる. \\[1zh] 知識がなければ,\ 6桁の自然数を設定して愚直にやればよいだけである. \\[.2zh] この場合でも,\ 以下のようにすると一発である. \\[.5zh]  100100a+10010b+1001c=1001(100a+10b+c)=7\cdot11\cdot13(100a+10b+c) \\[1zh] 倍数条件を知らないとすぐに諦めてしまいがちだが,\ \bm{知らなければ自分で作ればよい}だけである. \\[.2zh] 元々,\ 倍数条件の原理はいずれも,\ \bm{くくれるだけくくって残りの部分だけで考える}というものである. \\[.2zh] この考えに従えば,\ 例えば3桁の自然数の7の倍数条件として以下を導くことができる. \\[.2zh]  100a+10b+c=7(14a+b)+2a+3b+cより \bm{2a+3b+cが7の倍数}