最大公約数gと最小公倍数lの関係と数式表現

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最大公約数と最小公倍数の関係と数式表現 \\  $[1]$\ \ $2整数の最大公約数が1であるとき,\ 2整数は互いに素であるという.$  $[2]$\ \ $  日本語「\,a,\ bの最大公約数がg\,}」}$ \ \ $→ 数式 「\,a=ga’,\ \ b=gb’\ \ (a’,\ b’\,は互いに素な整数)}」}$  $[3]$\ \ $自然数a,\ bの最小公倍数をl,\ 最大公約数をgとする [1]}\ \ 例えば,\ \ 3と5は互いに素だが,\ 3と6は最大公約数が3なので互いに素ではない. \ \ 互いに素は,\ 素数とは全く関係がないことに注意する. \ \ 3数の場合,\ 3数の最大公約数が1のときに互いに素}といえる. \ \ 例えば,\ 3数4,\ 6,\ 9は,\ 最大公約数が1ではない2数が含まれているが,\ 互いに素である. [2]}\ \ 特に整数問題では,\ 問題の条件を自分で文字を設定して数式で表現できるか}が問われる. \ \ 2数の最大公約数や最小公倍数に関する条件が与えられた場合,\ 自分で[2]のように設定する. \ \ 単に丸暗記するだけでは応用が利かないので,\ 意味合いを理解しておく必要がある. \ \ 具体的な数で考えてみるとわかりやすいだろう. \ \ 60=2^2・3・5,\ \ 84=2^2・3・7の最大公約数は,\ 2^2・3=12である. \ \ 最大公約数12以外の部分は1以外の共通の正の約数をもたないはずである. \ \ 実際,\ 最大公約数12以外の5と7の最大公約数は1,\ つまりは互いに素である. \ \ これを文字を用いて一般化したのが[2]である. \ \ a=60,\ b=84のとき,\ g=12,\ a’=5,\ b’=7である. [3]}\ \ 最大公約数gと最小公倍数lの関係も,\ 60と84を例に考えよう. \ \ 60=(2^2・3)・5,\ \ 84=(2^2・3)・7\ のとき 最小公倍数\ \ (2^2・3)・5・7 \ \ これを文字を用いて一般化すると,\ [3]の関係が得られる. \ \ a=ga’,\ \ b=gb’\ (a’,\ b’\,は互いに素)のとき 最小公倍数\ \ l=ga’b’ \ \ [2]の設定をすることにより,\ 最小公倍数をこのように表せていることに注目してほしい. \ \ つまり,\ 最小公倍数に関する条件が与えられた場合も,\ 最大公約数を設定して表現する.} \ \ さらに gl=g・ ga’b’=(ga’)(gb’)=ab \ \ 公式暗記も重要だが,\ 具体例を元に自分で導けるようにしておくことのほうが100倍重要である. \ \ なお,\ 3つ以上の自然数に対しては,\ [3]のような関係(abc=gl)が成り立つとは限らない. g,\ lは,\ 最大公約数(greatest\ common\ divisor}),\ 最小公倍数(least\ common\ multiple})に由来する.a≧ bを満たす自然数a,\ bについて,\ a+bがa,\ bの最大公約数の4倍に等しいとき,\ $ 「\,a,\ bの最大公約数」とあるので,\ とにかくまずこの日本語を数式に変換}する. さらに,\ 問題の文字を消去し,\ 自分が設定した文字の条件を追求する}のが整数問題の極意であった. 本問の場合,\ a≧ b,\ \ a+b=4g,\ \ ab\,を全てg,\ a’,\ b’\ で表して考えることになる. 最大公約数は必ず正数なのでga’≧ gb’\,の両辺をgで割ることができる.\ 不等号の向きは変わらない. a’+b’=4を満たすa’,\ b’\,は,\ a’≧ b’\,とa’,\ b’\,が互いに素な自然数であることに注意して求める. (a’,\ b’)=(1,\ 3),\ (2,\ 2)は不適なので,\ 1通りの組しかないことがわかる. 積が2700,\ 最小公倍数が180であるような2つの自然数を求めよ.$ \\ 条件が最小公倍数に関するものだが,\ 最大公約数を文字で設定して条件を数式にするのが基本である. 本問の場合,\ a>bとしても一般性は失われない.\ 大小関係を設定しておくと後が楽になる. 2つの条件を数式で表現して連立すると,\ gを求めることができる. gは,\ ga’・ gb’=(ga’b’)g=180g=2700としてもよいし,\ ga’・ gb’}{ga’b’}=2700}{180}\,として求めてもよい. a’b’=12において,\ a’\,とb’\,は互いに素なので(6,\ 2)の組合せは不適である. 本問の場合,\ ab=glを利用してg=15を素早く求めることも可能である(別解).