x,\ y$座標がともに整数の点を格子点,\ ともに有理数の点を有理点という.
以下を証明せよ.
(1)\ \ $y=23x+13$上に無限に多くの格子点が存在する.
(2)\ \ $y=12x+13$上の格子点は存在しない.
(3)\ \ $y=√2x+1$上にただ1つの有理点が存在する.
(4)\ \ $y=√2x+√3$上の有理点は存在しない.
(5)\ \ $y=12x^2+13x$上に無限に多くの格子点が存在する.
直線・放物線上の格子点と有理点の存在性 \\
(1)\ \ 無限に多くの格子点$(x,\ y)=(3k+1,\ 2k+1)\ (k:整数)}$が存在する.} \\
(2)\ \ $x,\ y$を整数}と仮定すると,\ $2y-x=23$の左辺は整数で右辺は整数ではないので矛盾.}有理数}と仮定する. $の左辺は有理数,\ 右辺は無理数なので矛盾}である.の有理点は存在しない.}$} \\
(5)\ \ 無限に多くの格子点$(x,\ y)=(6k,\ 18k^2+2k)\ (k:整数)}$が存在する.}
(1)\ \ 直線上の格子点は,\ 数式的には1次不定方程式ax+by=cの整数解}である.
\ \ a,\ bが互いに素であるとき,\ ax+by=cは無数の整数解をもつのであった.
\ \ つまり,\ a,\ bが互いに素であるとき,\ 直線ax+by=c上に無限に多くの格子点が存在する.}
\ \ 分母をはらうと2x-3y=-\,1で,\ 2,\ 3は互いに素なので,\ 無限に多くの格子点が存在する.
\ \ 高校数学に限れば,\ 「存在を示せ」は「求めよ」に等しい}ことが多いのでビビる必要は無い.
\ \ 普通に2x-3y=-\,1の整数解を求めるだけで証明できる.
\ \ 特殊解(1,\ 1)を用いると2(x-1)=3(y-1)となるから,\ x-1=3k,\ y-1=2kである.
(2)\ \ x,\ yを整数と仮定して矛盾を示す(背理法}).
\ \ 3(x-2y)=-\,2と変形してもよい.\ 左辺は3の倍数,\ 右辺は3の倍数ではないから矛盾である.
\ \ 当然だが,\ 有理点は0,\ 13など無数に存在する.
(3)\ \ √2\,が無理数であることに着目して矛盾を示す.
\ \ (分母)≠0より,\ 必然的にx=0を場合分けすることになる.\ 格子点(0,\ 1)が存在するとわかる.
\ \ 有理点は格子点を包含する}から,\ 格子点が存在するならば有理点が存在することになる.
\ \ もしy=√2x+12\,ならば,\ 格子点ではないただ1つの有理点0,\ 12が存在する.
(5)\ \ y=x(3x+2)}{6}\,より,\ 明らかにxが6の倍数のときyも整数となる.
\ \ よって,\ x=6kとすると,\ 無限に多くの整数解を具体的に示すことができる.
\ \ (6k,\ 18k^2+2k)以外の整数解が存在するかや何かまでを考える必要は無い.
\ \ 練習のため,\ (6k,\ 18k^2+2k)以外の整数解の可能性を考慮してみる.
\ \ 3x+2は3で割ると2余る数なので,\ 3x+2が6の倍数や3の倍数となることはない.
\ \ xが3の倍数かつ3x+2が2の倍数の場合,\ x=3l,\ 3x+2=2mとおける.
\ \ このとき 9l=2(m-1) よって\ \ l=2k 結局,\ この場合もx=3l=6kとなる.
直線$ℓ$上に格子点が2個あるとき,\ 無限に多くの格子点があることを示せ.
直線$ℓ$上の2個の格子点を$(x,\ y)=(p,\ q),\ (r,\ s)$とする.
[1]\ \ $p=r}$のとき 直線$ℓ$の方程式は$x=p}$であり,\ これは$y$軸と平行な直線である.
[1]}\ \ $p=r$のとき} よって,\ $ℓ}$上に無限に多くの格子点$(p,\ k)\ (k:整数)}$が存在す
[1]}\ \ 直線$ℓ$の方程式を$y=ax+b\ (a,\ b:実数)$とおく.
[1]}\ \ $q=ap+b,\ \ s=ar+b$\ より $a=q-s}{p-r},\ \ b=ps-rq}{p-r}$
[1]}\ \ このとき,\ 直線$ℓ$の方程式は \ \ $y=q-s}{p-r}x+ps-rq}{p-r$ 上に無限に多くの格子点$(p+k(p-r),\ q+k(q-s))\ (k:整数)}$が存在する.}
格子点を文字で設定して直線\,ℓ\,の方程式を求め,\ ℓ\,上に無限にある格子点を具体的に示せばよい.
2点を通る直線の式は数II}で高校生用の求め方を学習するが,\ ここでは中学生的に求めた.
y軸に平行な直線の方程式だけはy=ax+bの形で表せない}ことに注意する.
p≠ rのときの格子点は,\ 図形的観点でも見つけられる.\ 直線上の格子点は等間隔で並んでいる.
x座標の間隔は2なので,\ x=1を基準として他の格子点のx座標をx=1+2k\ (k:整数)と表せる.
数 B:数列の知識を借りれば,\ 初項1,\ 公差2の等差数列をなしているというだけである.
本問の場合,\ x座標の間隔がp-rなので,\ x=pを基準としてx=p+k(p-r)と表せる. \
もちろん,\ ax+by=c型の不定方程式(q-s)x-(p-r)y=rq-psとして解いてもよい.