事象の独立と従属 P(A∩B)=P(A)P(B)

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サイコロを1回振る.\ 事象Aと事象Bが互いに独立か従属かを調べよ.  (1)\ \ $A:「\,3の倍数の目が出る」, B:「\,4以上の目が出る」$  (2)\ \ $A:「\,2の倍数の目が出る」, B:「\,4以上の目が出る」$ \\ 事象の独立(上級者用) \\  すでに「試行の独立」について学習済みである.  例えば,\ サイコロを2回振るとき,\ 1回目と2回目の試行は明らかに独立である.  この場合,\ $A:$「\,1回目に3の倍数が出る」,\ $B:$「\,2回目に4以上の目が出る」とするとき,  $P(A∩ B)=P(A)P(B)=13・12=1}{6}$と求められるのであった(独立試行の乗法定理).  実は,\ 独立には「試行の独立」と「事象の独立」があり,\ 数Aでは「試行の独立」のみ学ぶ.  「試行の独立」は常識で判断できるが,\ 「事象の独立」の判断は厄介だからである.  思わぬ失点を避けるため,\ 上級者は「事象の独立」も理解しておくことが望ましい.  2つの試行$S,\ T$が独立ならば,\ 当然$S$で起こる事象$A$と$T$で起こる事象$B$も独立である.  本項で考えるのは,\ 1つの試行における事象$A}$と事象$B}$が独立か否かである.  2つの事象$A,\ B$について$P_A(B)=P(B)$が成り立つとき,\ 事象$A,\ B}$は独立であるという.}  確率の乗法定理$P(A∩ B)=P(A)P_A(B)$より,\ $P(A∩ B)=P(A)P(B)$と同値である.  $P_A(B)=P(B)が成り立たないとき,\ 事象A,\ Bは従属であるという.$  具体的な問題でその意味合いを理解しよう. P(A∩ B)=P(A)P(B)}$ ∴ 事象Aと事象Bは独立である.}$} \\ ∴ 事象Aと事象Bは従属である.}$} 独立か従属かの判断方法は,\ 「P(A∩ B)=P(A)P(B)が成り立つかを調べる」}ことである. P_A(B)=P(B)でもよいが,\ P(A∩ B)=P(A)P(B)のほうが汎用性が高い. つまり,\ P(A∩ B)とP(A)P(B)を別々に求めて,\ 一致するか否かを調べる}ことになる. 数 Aの問題を解く場合でも注意すべきは,\ P(A∩ B)=P(A)P(B)\ ・・・\,①の利用についてである. P(A∩ B)とP(A)P(B)を求めてみて初めて,\ ①が成り立つか否かがわかる.} 故に,\,1つの試行の2つの事象A,\,BについてP(A∩ B)を求めるとき,\ 原則①を使うべきでない.} 例えば,\ 「(1)の事象A,\ BについてP(A∩ B)を求めよ」という問題が出題されたとしよう. このとき,\ P(A∩ B)=P(A)P(B)=13・12=16\,と解答するのは非常に危険}である. 答えはたまたま合うが,\ 記述試験では正答とは認められない可能性が高い. 仮に(2)の事象A,\ Bについて同様の方法でP(A∩ B)を求めると,\ もはや答えも合わない. (1)の事象A,\ Bは独立,\ (2)の事象A,\ Bは従属と判明したが,\ 直感的に納得できるだろうか. サイコロを1回振って4以上の目が出る確率は,\ 当然P(B)=12\,である. 「\,3の倍数の目が出る」という条件付きで4以上の目が出る確率P_A(B)を考える. 3の倍数の目は2通り,\ その中で4以上の目は1通りあるから,\ P_A(B)=12\,である. このように,\ 4以上の目が出る確率は,\ 条件「\,3の倍数の目が出る」の有無によらず等しくなる.} これは,\ 2つの事象「\,3の倍数の目が出る」と「\,4以上の目が出る」が独立}であることを意味する. 一方,\ 「\,2の倍数の目が出る」という条件付きで4以上の目が出る確率は,\ P_A(B)=23\,である. これは,\ 4以上の目が出る確率P(B)=12\,と一致しない. 条件「\,2の倍数の目が出る」の有無で4以上の目が出る確率が変わるから,\ 2つの事象は従属である. 要素数の比を面積の比で表した図}を書くと視覚的に理解できる. (1)は完全に「田」}になるので,\ P(B)=n(B)}{n(U)}\,とP_A(B)=n(A∩ B)}{n(A)}\,が一致する. 事象Aが起こるか否かが事象Bの確率に影響を与えない}から,\ 事象Aと事象Bは独立}である. 一方,\ (2)は「田」にならないので,\ P(B)≠ P_A(B)となる. 2つの事象$A,\ B$が独立であるとする.  (1)\ \ $A$と$ B$も独立であることを示せ.  (2)\ \ $ A$と$ B$も独立であることを示せ. \\ P(A∩ B)=P(A)P(B)}$が成り立つとき,\ $P(A∩ B)=P(A)P( B)}$も成り立つことを示す.}=P(A)\{1-P(B)\} (1)\ \ P(A∩ B)=P(A)-P(A∩ B)\ はベン図で考えるとよい.\ 最後,\ P(B)+P( B)=1を利用する. (2)\ \ ド・モルガンの法則  A∩ B=A∪ B} 確率の性質に関する抽象的な問題では,\ 文字で設定してより具体的に考える方法も有効である. 1回投げて表が出る確率が$p\ (0
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高校数学A 確率
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