1\,g,\ 2\,g,\ $2^2$g,\ $2^3$g,\ $2^4$g,\ $2^5$g\,のおもりが1個ずつと天秤ばかりがある.
\ \ この天秤ばかりで52\,g\,のものをはかる方法を示せ.
(2)\ \ 1\,g,\ 3\,g,\ $3^2$g,\ $3^3$g,\ $3^4$g,\ $3^5$g\,のおもりが1個ずつと天秤ばかりがある.
\ \ この天秤ばかりで208\,g\,のものをはかる方法を示せ. \\
2進法・3進法と分銅問題
(1)\ \ $52=32+16+4=1・2^5+1・2^4+1・2^2}$
∴$ 一方の皿に52\,gのものをのせ,\ 他方の皿に$2^5}$g,\ $2^4}$g,\ $2^2}$gのおもりをのせる.
要するに,\ 52を1,\ 2,\ 2^2,\ 2^3,\ 2^4,\ 2^5\,の和で表せる}かが問われている.
これは,\ 52を2進数に変換する}ことに相当する.
このように直接的に和に変換してもよいし,\ 筆算で110100_{(2)\,を求めてから和で表してもよい.
本問の背景に少し踏み込んでおく.
2進法において,\ 6桁の最大の自然数は111111_{(2)}=63_{(10)}\,である.
10進法の1から63までのすべての自然数は,\ 2進法の1_{(2)}\,~\,111111_{(2)}\,と1対1で対応する.
つまり,\ 6個のおもりで,\ 1\,g}から63\,g}までを1\,g}刻みで,\ それぞれただ1通りのはかり方ができる.}
1個のおもりには,\ のせる(1)かのせない(0)かの2通りがある.
よって,\ 2進法で考えるのが有効というわけである.
∴$ 一方の皿に208\,gのものと$3^2}$g,\ $3^3}$gのおもりをのせ,}
∴$} \ \,他方の皿に$3^5}$g,\ $1}$gのおもりをのせる.}
よって $208+3^3+3^2=3^5+1}$
∴$ 一方の皿に208\,gのものと$3^2}$g,\ $3^3}$gのおもりをのせ,}
∴$} \ \,他方の皿に$3^5}$g,\ $1}$gのおもりをのせる.
2個ずつあるならば,\ 一方の皿に3^4g}\,2個,\ 3^3g}\,1個,\ 3^2g}\,2個,\ 1g}\,1個のおもりをのせればよい.
実は,\ おもりが1個ずつであっても,\ 両方の皿にのせることを許せば,\ はかることができる.}
各皿にどのようにのせるべきかを求めるために,\ 208_{(10)}=21201_{(3)}\,を式変形していく.
とにかく,\ 右辺に2があるとおもりが2個必要なことになってしまう.
6個のおもりの質量を3進法で表すとそれぞれ1,\ 10,\ 100,\ 1000,\ 10000,\ 100000である.
これらを両辺に適切に加えることで,\ すべての位が0と1のみからなる3進数に変換できる.}
2_{(3)}+1_{(3)}=10_{(3)}\,を利用するのである.
21201_{(3)}\,は,\ 100_{(3)}\,を足すことで3^2\,の位を0にできる(22001_{(3)}\,になる).
さらに,\ 1000_{(3)}\,を足すことにより,\ すべての位が0と1のみからなる3進数100001_{(3)}\,になる.
別解のように,\ 10進法のまま2=3-1を利用して変形していく}方法もある.
必ず3の累乗数の和(差)に変形できるので,\ 負の項を左辺に移項すればよい.}
3進法において,\ 0と1のみで表せる6桁の最大の自然数は111111_{(3)}=364_{(10)}である.
10進法の1から364までのすべての自然数は,\ 3進法の1_{(3)}\,~\,111111_{(3)}\,と1対1で対応する.
3進数にするとある位の数字が2になる自然数の場合は,\ 本問と同様に処理する.
結局,\ 6個のおもりで,\ 1\,g}から364\,g}までを1\,g}刻みで,\ それぞれただ1通りのはかり方ができる.}
1個のおもりには,\ 左の皿にのせる(-1)か右の皿にのせる(1)かのせない(0)かの3通りがある.
よって,\ 3進法で考えるのが有効というわけである.