記数法の変換(有限小数・循環小数)(n進法→10進法、10進法→n進法)

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10進法で表された整数は,\ 10の累乗を位取りの基本としていた.  例えば,\ $523}=5}×10^2}+2}×10^1}+3}×10^0}$といった具合である.  同様に,\ 小数以下も10の累乗を位取りの基本とすることができる.  例えば,\ $0.482=0.4+0.08+0.002=4×1}{10^1}+8×1}{10^2}+2×1}{10^3}$である.  ここで,\ $1}{10^1}=10^{-\,1},\ 1}{10^2}=10^{-\,2},\ 1}{10^3}=10^{-\,3}$という関係が成立する(数IIで学習).  つまり,\ 10進法で表された0.482は次のような意味合いをもつ. \ \ \,10進法についてここまで理解できていれば後は速い.\ \ $n$進法についても同様だからである.  例えば,\ 2進法で表された0.1101は次のような意味合いをもつ.  このようにして,\ $n進数\,→\,10進数$の変換ができる.\ 他の底の例も示す.  では,\ $10進数\,→\,n進数$の変換はどうすればよいだろうか.  例えば,\ $0.8125_{(10)}$を2進数に変換することは,\ 次の$a_1,\ a_2,\ a_3,\ a_4$を特定することである. の部分は小数部分であり,\ 整数部分に影響しない. 2進数なので\ a_2,\ a_3,\ a_4\ は0または1であり,\ 分母の2と約分されることはないからである. また,\ 1を引いたのは小数部分のみを残してから2倍するためである.  長くなったが,\ 要は\.{小}\.{数}部分を2倍して\.{整}\.{数}部分を取り出すことを繰り返しただけである.  この過程を筆算表記すると以下のように簡潔になる.  繰り返しになるが,\ \.{小}\.{数}部分のみを2倍していることに注意して欲しい.  2を1回掛けたときの\.{整}\.{数}部分が$a_1$,\ 2回掛けたときの\.{整}\.{数}部分が$a_2,\ ・・・・・・$である.  よって,\ 矢印のような順で整数部分の数字を並べて$0.1101_{(2)$となるわけである.  2進数以外の$n$進数への変換も同様,\ 繰り返し$n$を掛ければよい. 小数部分が0になったところで筆算は終了(有限小数の場合)であるが,\ 常に0になるとは限らない. 小数部分が0にならない場合はある周期で循環し,\ 無限小数となる. 左の0.825の例では,\ 黒丸のところの小数部分が.200で一致している. よって,\ 0.3103030303}・・・・・・\ のように0と3を無限に繰り返すことがわかる. 有限小数と循環小数は本質的に別物ではなく,\ 底で変化する.} 100.4375のように整数部分が0でない場合,\ 整数部分と小数部分を別々に変換する.} 2進数0.111を10進法の小数で表せ. (2)\ \ 2進数0.111を7進法の小数で表せ. (3)\ \ 2進数0.1111011を8進法の小数で表せ. (4)\ \ 8進数0.634を2進法の小数で表せ. \\ (1)\ \ 12,\ 14,\ 18\,を小数にしたときの値を覚えていれば,\ 最初から小数で計算すると速い(別解1). \ \ 一般に,\ 0.22_{(3)}=1_{(3)}-0.01_{(3)},\ \ 0.333_{(4)}=1_{(4)}-0.001_{(4)}\ のような関係が成り立つ. \ \ 10進法における0.99=1-0.01に相当する.\ 本問はこれを利用すると簡潔に済む(別解2). (2)\ \ m進数からn進数への変換は,\ 一旦10進数を経由する}のが基本となる. \ \ 10進数から7進数への変換は筆算でもよいが,\ 別解の分数のまま変換する}方法も重要である. \ \ むしろ,\ 先程説明したように,\ 分数での方法の方を原理で,\ これを元に筆算表記ができる. \ \ 分数を7倍し,\ 整数部分と小数部分に分けて整数部分を取り出す}ことを繰り返せばよい. (3)\ \ 2^3=8より,\ 完全に計算してしまわずとも8進数に変換できる. \ \ 3桁ごとに\,1}{2^3}\,やその累乗を無理矢理くくり出す}とよい. \ \ これは,\ 2進数を3桁ごとに区切って考える}ことに等しい. (4)\ \ (3)とは逆に,\ 18=1}{2^3}\,と変換し,\ さらに6,\ 3,\ 4も2の累乗数の和で表す. \10進数$13}{16}$を2進法の小数で表せ. (2)\ \ 10進数$7}{8}$を3進法の小数で表せ. \\ (1)\ \ 分数を小数にして筆算で求めることもできるが,\ 16=2^4\,より分数のまま変換すると簡潔に済む. \ \ 分子の13も2の累乗数の和で表し,\ 分数を分解すればよい. (2)\ \ 8は3の累乗数ではないので,\ 3を掛けて整数部分を取り出すことを繰り返す. \ \ 参考までに,\ 分母分子をそれぞれ3進法に変換する方法を示しておいた(別解2). \ \ 3進数の分数で分母が22のとき,\ 分子の数字が循環する循環小数となることを利用している. \ \ 一般に,\ 12_{(4){33_{(4)=0.\dot{1}\dot{2},\ \ 123_{(5){444_{(5)=0.\dot{1}2\dot{3}\ のような関係が成り立つ. \ \ これは,\ 10進法において\,23}{99}=0.\dot{2}\dot{3}\,となるのと同じである. \ \ このような法則が成り立つ理由は,\ 循環小数を分数に変換する方法を理解していればわかる. 10進数の既約分数がp進法で有限小数となる条件}を知識としてもっておくとよい. 10進法で有限小数となる条件はすでに別項で取り上げたが,\ それのp進法版である.  整数でない10進数の既約分数を\, mn,\ pを素数とするとき       分母nの素因数がpのみ\ ⇔\ 分数\, mn\,はp進法で有限小数} この知識があれば,\ (1)は有限小数,\ (2)は循環小数となることが計算前にわかり,\ 見通しがよくなる. 10進数$0.\dot{7}$を3進法の小数で表せ. (2)\ \ 3進数$0.\dot{1}\dot{2}$を10進法の小数で表せ. \\ (1)\ \ 掛け算は一の位から計算するから,\ 0.777・・・×3を計算して3進数に変換することはできない. \ \ まず循環小数を分数に変換する.} \ \ 元の数を文字でおき,\ 小数部分が消えるように10^n\,倍して引く}のであった(数I}). \ \ 後は\,79\,を分数のまま3進数に変換する.\ 分母9=3^2\,より,\ 有限小数となる. (2)\ \ 1・13+2・1}{3^2}+1・1}{3^3}+2・1}{3^4}+・・・・・・\ を計算しても求まるが,\ 数III}の極限が必要になる. \ \ やはり,\ まず循環小数を分数に変換する必要がある. \ \ (1)と同様に変換すればよいが,\ すべて3進数}であることに注意する. \ \ 3進数のまま計算する方法については後に扱うので,\ ここでは一旦10進数に変換して計算する. \ \ 100_{(3)}-1_{(3)=9_{(10)}-1_{(10)}=8_{(10)}=2・3+2=22_{(3)\,である. \ \ また,\ 12_{(3){22_{(3)=4}{11}\,のように3進数の分母分子を10進数3で割るのは誤り}である. \ \ 12_{(3)}\,と22_{(3)}\,をそれぞれ10進数に変換}すればよい.
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