(2乗平均)≧(相加平均)≧(相乗平均)≧(調和平均)の証明

スポンサーリンク
一般に,\ $(2乗平均)≧(相加平均)≧(相乗平均)≧(調和平均)$\ が成り立つ 「2乗平均」は,\ 正確には「2乗平均平方根」である. 調和平均は,\ 逆数の相加平均\ 1a+1b}{2}\ をさらに逆数にしたもの}である. (2乗平均)≧(相加平均) 両辺が正なので,\ 2乗の差を計算}すればよい. 以下を利用することになるので,\ 前提条件A>0,\ B>0を確認した上で2乗をはずす.  A>0,\ B>0\ のとき A≧ B\ ⇔\ A^2≧ B^2} a-b=0,\ つまりa=bのとき等号が成立する.} a+b≧2√{ab}\ を示すのがよい.\ 両辺を2乗せずとも,\ そのまま差を計算するだけで証明できる. √ a-√ b=0,\ つまりa=bのとき等号が成立する.} 両辺の逆数をとる}と 1a+1b\ に\ (相加平均)≧(相乗平均)\ を適用し,\ 逆数をとる}という上手い証明方法がある. 逆数をとるとき,\ 不等号の向きが逆になる}ことに注意する. 1a=1b,\ つまりa=bのとき等号が成立する.} 結局は(相加平均)≧(相乗平均)なので,\ 以下のようにも証明できるが本質的に同じである.  3文字の場合も$(2乗平均)≧(相加平均)≧(相乗平均)≧(調和平均)$\ が成り立つ. {(2乗平均)≧(相加平均)$\, 両辺を2乗し,\ 分母をはらった\ 3(a^2+b^2+c^2)≧(a+b+c)^2\ を証明する}のが簡潔である. 別項でも複数回扱った有名不等式であり,\ 対称性を生かして平方完成}すればよいのであった. a-b=0\ かつ\ b-c=0\ かつ\ c-a=0,\ つまりa=b=cのとき等号が成立する.} a+b+c≧3√[3]{abc\ を示せばよい.\ √[3]{a}\,を「3乗根a」といい,\ 3乗してaになる数を表す. √[3]{a},\ √[3]{b},\ √[3]{c}\,を置換し,\ 有名な3次の因数分解公式を利用する}と証明できる. 明らかにA+B+C>0なので,\ 後はA^2+B^2+C^2-AB-BC-CA≧0\ の証明である. 本質的に3(a^2+b^2+c^2)≧(a+b+c)^2\,と同じ式なので,\ 対称性を生かして平方完成}すればよい. P>0,\ Q≧0ならば,\ PQ≧0である. A-B=0\ かつ\ B-C=0\ かつ\ C-A=0,\ つまりa=b=cのとき等号が成立する.} 2変数の場合と同様,\ 1a+1b+1c\ に(相加平均)≧(相乗平均)を適用し,\ 逆数をとる.} 1a=1b=1c,\ つまりa=b=cのとき等号が成立する.} 4文字の(相加平均)≧(相乗平均)\ の証明を示す.$ 等号成立条件\ a=b=c=d)}$}  加えて,\ $4文字の場合を利用して3文字の場合を証明する方法がある.${両辺を4乗}すると$ 4文字の場合の証明は,\ 2文字の相加相乗\,a+b}{2}≧√{ab}\,を3回利用}して求められる. まず,\ 12\,をくくりだし,\ 2つの分数に分割する. 2つの分数それぞれに対して相加相乗を適用し,\ さらに\,√{ab}+√{cd{2}\,に対してもう一度適用する.} 普段\,√[2]{a}\,を\,√ a\,と表している.\ よって(4乗根a)となる. a=b\ かつ\ c=d\ かつ\ √{ab}=√{cd}\ のときに等号が成立する.} 3回分の相加相乗の等号が同時に成立する必要がある. 4文字目のdを3文字の場合の左辺\,a+b+c}{3}\,に置き換える. a+b+c}{3}≧√[4]{abc・a+b+c}{3\,となるので,\ 後は以下のようにして3文字の場合が示される. 両辺を4乗\ →\ 両辺を\ a+b+c}{3}\ で割る\ →\ 両辺を3乗根} a=b=c=a+b+c}{3}\ のときに等号が成立する.