二項展開式の係数の最大値・最小値

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(x+2)^{8}$の展開式の$x^k$の係数を$a_k$とするとき,\ $a_k$の最大値とそのときの$k$の値 \ (2)\ \ $(x-2)^{10}$の展開式の$x^k$の係数を$a_k$とするとき,\ $a_k$の最大値・最小値とそのとき \{二項展開式の係数の最大・最小 \\  (1)\ \ $(2+x)^8$の展開式の一般項は $C8k2^{8-k}x^k$   よって\ \ 結論から言えば,\ 二項定理を用いて展開すると以下となる.  (x+2)^8=x^8+16x^7+112x^6+448x^5+1120x^4+1792x^3+1792x^2+1024x+256 8乗程度ならこれを計算して答えることも可能だが,\ 応用が利かないので一般的な方法を習得しよう. まず,\ 問題の設定は\,a_kx^k+a_{k-1}x^{k-1}+・・・・・・+a_2x^2+a_1x+a_0\,である. このままではa_k\,からa_0\,の順で並んでいるのでわかりづらい. xの昇べきの順に並べかえてa_0+a_1x+a_2x^2+・・・・・・+a_{k-1}x^{k-1}+a_kx^k\,として考える. そのために,\ (x+2)^8\,ではなく(2+x)^8\,として二項定理を適用し,\ 一般項a_k\,を求めた.  (a+b)^n\,の一般項(第r+1項)は C nra^{n-r}b^n} さて,\ a_k\,の最大を求めるには,\ a_k\,とa_{k+1}\,を大小比較する}のが基本であり,\ 2つの方法がある.  ①\ \ 比\,a_{k+1{a_k}\,と1の大小を考える.}   ②\ \ 差a_{k+1}-a_k\,と0の大小を考える.} 本問のようにa_k\,が積や商の形で表されている場合には①の方法が有利}である. 例えばa_k=k^3+2k^2-3kのように,\ 和や差の形で表されている場合には②の方法が有利である. a_k\,とa_{k+1}\,の比を計算するとき,\ C8k\,や\,C{8}{k+1}\,を階乗の形で表す}必要がある. 階乗で表すと多くが約分されてかなり簡潔な形になる.\ これを見越して比を計算したわけである. 最初は階乗の約分に戸惑う人も多いだろうが,\ 具体的な数字で考えると大したことはしていない. \ 比が求まれば,\ その比と1を大小比較することにより,\ a_k\,とa_{k+1}\,の大小関係がわかる. k=2のときa_k=a_{k+1}\,ということは,\ a_2=a_3\,ということである. kは整数なので,\ k<2はk=0,\ 1であることを意味する. k=0,\ 1のときa_k2はk=3,\ 4,\ ・・・,\ 7を意味し,\ a_3>a_4>・・・>a_7>a_8\,となる. こうして,\ a_2=a_3\,が最大値であることがわかる. a_k=a_{k+1}\,の場合を考慮せず,\ 安易にk=2のとき最大としてしまうミスが多いので注意! 結論から言えば,\ 二項定理を用いて展開すると以下となる. x^{10}-20x^9+180x^8-960x^7+3360x^6-8064x^5+13440x^4-15360x^3+11520x^2-5120x+1024 -の項がある場合,\ (1)と同様にしてa_k\,とa_{k+1}\,の大小を比較することができない. ここで,\ a_k=C{10}{k}(-2)^{10-k}\,より,\ a_k\,は正負が交互になることが明らかである. つまり,\ kが偶数のときa_k>0,\ \ kが奇数のときa_k<0}\,となる. 正負に規則性があるならば,\ 結局はa_k}\,の最大を求める}ことに帰着する. その後で正負を考慮してa_k\,の最大・最小を答えればよい. a_k}\,とa_{k+1\,の大小比較により,\ a_3\,が最小であることはすぐにわかる. 最大を求めるとき,\ a_2\,とa_4\,を大小比較することになる. 実際にa_2\,とa_4\,の値を求めてもよいが,\ ここでも比と1の大小比較が有効}である.