2次の不等式 a²+b²+c²≧ab+bc+ca の証明とその拡張

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次の不等式を証明せよ.\ また,\ 等号成立条件を示せ.$  (1)\ \ $a^2+b^2+c^2≧ ab+bc+ca$     (2)\ \ $a^4+b^4+c^4≧ abc(a+b+c) 本解は,\ 1つの文字の式とみて平方完成する最終手段}である. まず,\ aの式とみてaで整理し,\ 平方完成した. さらに,\ 残りのbとcのみの部分をbの式とみて平方完成すると,\ ≧0が示される. 等号成立条件を求めるときは,\ A^2+B^2=0\ ⇔\ A=B=0}\ を利用する. 実は,\ 対称性を維持したまま平方完成する別解1が正攻法}である. 高校数学においてこの変形をする機会は思いの外多いので,\ 必ず習得しておいてほしい. 12\,をくくりだして括弧内を2倍にし,\ 2a^2=a^2+a^2\,と考えて対称的に分配した後に平方完成する. このように,\ 対称性のある不等式は,\ 対称性を最大限生かして証明すると簡潔に済む. 無論,\ 多くの場合,\ その方法に気付くにはそれなりの演習量が必要である. 別解2は,\ より簡単な2変数の不等式を証明し,\ 3変数に拡張する方法}である. 拡張の仕方はいろいろ考えられるが,\ 本問の場合は文字を循環させた3式の辺々を足せばよい. もっとも,\ 結局は(a-b)^2+(b-c)^2+(c-a)^2≧0としただけで,\ 本質的に別解1と同じである. これも対称性を生かす証明方法の1つとして習得しておいてほしい. (2)は(1)の拡張である.\ 前提条件はないので,\ まず,\ (1)のa,\ b,\ cをそれぞれ\,a^2,\ b^2,\ c^2\,に置換する.} このときの等号成立条件は,\ a^2=b^2=c^2\,である. さらに,\ (1)のa,\ b,\ cをそれぞれ\,ab,\ bc,\ ca\,に置換する.} このときの等号成立条件は,\ ab=bc=caである. (1)を2段階で適用したので,\ 両方の等号成立条件が同時に成立する必要がある.} つまり,\ a^2=b^2=c^2\,かつ\,ab=bc=ca\ が(2)の不等式の等号成立条件である. [1]\ \ a,\ b,\ cの少なくとも1つが0のとき,\ a^2=b^2=c^2\,よりa=b=c=0である. [2]\ \ a,\ b,\ cがすべて0でないとき,\ ab=bcよりa=cである. (b≠0よりbで両辺を割れる) \ \ 同様にしてbc=caよりb=aであるから,\ a=b=cである.\ これはa^2=b^2=c^2\,も満たす. [1],\ [2]\,より,\ 結局\ 「\,a^2=b^2=c^2\ かつ\ ab=bc=ca\ ⇔\ a=b=c\,」}である. a+b+c=1$のとき,\ \ $a^2+b^2+c^2≧13$が成り立つことを示せ. a^2+b^2+c^2-13}=13(2a^2+2b^2+2c^2-2ab-2bc-2ca)$a^2+b^2+c^2-13}=13\{(a^2-2ab+b^2)+(b^2-2bc+c^2)+(c^2-2ca+a^2)\}${a^2+b^2+c^2-13}=13\{(a-b)^2+(b-c)^2+(c-a)^2\}≧0}$ 等式条件つきの不等式の証明では,\ 1文字消去}が基本である. その後はaの式とみて平方完成,\ さらに残りのbの部分を平方完成すればよい. a+b-1}{2}=0\ かつ\ b-13=0\ かつ\ a+b+c=1,\ つまりa=b=c=13\,のとき等号が成立する. 別解は,\ a^2+b^2+c^2≧13\,の代わりにa^2+b^2+c^2≧13(a+b+c)^2\ ・・・\,①\ を示す}ものである. 展開して整理すると,\ a^2+b^2+c^2≧ ab+bc+ca\ の証明に帰着する. a-b=0\ かつ\ b-c=0\ かつ\ c-a=0\ かつ\ a+b+c=1,\,つまりa=b=c=13\,のとき等号成立. 不等式①を示すという発想の根底には同次化(斉次化)}という考え方がある. a^2+b^2+c^2≧13\ は,\ 左辺は2次式,\ 右辺は定数なので0次式である. 1次式a+b+cを2乗して2次式にして右辺に掛けることにより,\ 全ての項が2次になる.} a+b+c=1なので,\ 式自体を変えずに全ての項の次数が同じ式(同次式)を作成できたわけである. 一般に,\ 等式や不等式の両辺を同次式にすると,\ 比の置換により1文字消去することが可能になる.}  ①の両辺をa^2\,(≠0)\,で割ると 1+ ba^2+ ca^2≧13-.2zw}1+ ba+ ca^2   ba=k,\ ca=l\,とおくと   \ 1+k^2+l^2≧13(1+k+l)^2 このように,\ 同次化\ →\ 比の置換という1文字消去の手段がある. 本問は比の置換まではしなくとも,\ 同次化により対称性を保ったまま処理する}ことができる.