x,\ y,\ z$を実数とするとき,\ 次の不等式を証明せよ. 三角不等式の証明とその応用xをx+y,\ yを-yに置き換える}と yをy+zに置き換える}と を三角不等式}という.
これは,\ 三角形の成立条件と関連している.
以下で簡単に説明しておくが,\ 数B}:ベクトルの知識を要する.
右図より,\ 三角形の成立条件をベクトルで表すと
ベクトルを実数に置き換え,\ 等号を加えたのが三角不等式というわけである. \\
三角不等式の証明や等号成立条件を考えるとき,\ 絶対値の様々な性質を利用する}ので先に確認する.
辺々を足した後, (数 Iで学習済)を利用する.
(2)\ \ (1)の不等式で\,x\ →\ x+y,\ \ y\ →\ -y\ と置き換える}と簡潔に済む.
\ \ -\,y}= y}\ であることにも注意する.
\ \ (1)の等号成立条件がxy≧0であるから,\ (2)の等号成立条件は(x+y)(-\,y)≧0}となる.
\ \ つまり,\ (x+y)y≦0}である.
\ \ x- y≧0とは限らない}ので,\ 単純に2乗の差を計算して示すことはできない.
\ \ といっても,\ <0の場合を分けてしまえば,\ 後は≧0の場合を2乗の差の計算で済ませられる.
(3)\ \ (1)を2回利用}すればよい.\ 同様にしていくと,\ n文字の場合を示すこともできる.}
\ \ 等号成立条件は,\ 1回目がx(y+z)≧0,\ 2回目がyz≧0}\ である.
\ \ x(y+z)≧0\ かつ\ \ yz≧0 \
(1)\ \ (2)のための誘導であり,\ 単純に差を計算すれば済む.
\ \ 等号成立条件はx-y=0,\ つまりx=y}である.
(2)\ \ 三角不等式\ x+ y≧x+y}\ の利用を必要とする有名問題}である.
\ \ 以前取り上げた\ x}{1+x}+y}{1+y}≧x+y}{1+x+y}\ の発展問題であり,\ 解法もほぼ同じである.
\ \ 三角不等式は応用問題では無断使用してよいと思うが,\ 証明してから利用するのが安全である.
\ \ 三角不等式により,\ まず(1)のxを\, x+ y,\ yを\,x+y}\,に置き換える}ことができる.
\ \ 分子が等しい分数は,\ 分母が大きい方が全体として小さくなるというわけである.
\ \ 不等式①は(1)を利用しているから,\ 等号成立条件は\, x+ y=x+y}\,となる.
\ \ これは,\ xy≧0となるのであった.\ また,\ 不等式②の等号成立条件はxy=0である.
\ \ 結局,\ (2)の不等式の等号成立条件は\ xy≧0\ かつ\ xy=0},\ つまりxy=0}である.
\ \ (1)の誘導がなければ差を計算してゴリ押しすることになる(別解). \
\ \ 三角不等式および常に\,xy}(2+x+y})≧0}であることから,\ ≧0が示される.
\ \ 常に2+x+y}>0より,\ x+ y=x+y}\ かつ\ xy=0}\ のとき等号が成立する.
(3)\ \ まず,\ (2)の両辺に\, z}{1+ z}\,を足す.}
\ \ 当然,\ この場合の等号成立条件は(2)と同じくxy=0である.
\ \ さらに,\ (2)の不等式において\ x\ →\ x+y,\ y\ →\ z}\ とすれば示される.
\ \ この場合の等号成立条件は(x+y)z=0となる.
\ \ xy=0\ かつ\ (x+y)z=0},\ つまりx,\ y,\ zのうち少なくとも2つが0}のとき等号成立.
\ \ xy=0\ かつ\ (x+y)z=0 y=z=0