分数式の分母または分子がさらに分数式であるものを繁分数式という.
本項では,\ 繁分数式の扱いを学習する.
最初に以下の2つの違いを確認してほしい.\ 横線の長さで区別される.}
繁分数式には以下の2つの扱い方がある.
[1]の扱い方は一見わかりやすいが,\ 複雑な繁分数式になるほど[2]の扱い方が有利になる.
[1]の扱い方はそういう方法もあるという程度に考え,\ [2]の方法に慣れてほしい.
$[1]$\ \ $分数式を(分子)÷(分母)という割り算の形にして計算する.$
$[2]$\ \ 分母分子に同じ式を掛け
(1)\ \ [1]の方法(本解)と[2]の方法(別解)を両方示した.
\ \ [2]の方法は手っ取り早いが,\ 分母分子に何を掛けるかを見抜く}必要がある.
\ \ 分子にx,\ 分母にx+1を掛けると,\ 分母分子がそれぞれ整式になる.
\ \ よって,\ 分母分子を一度に整式にするにはx(x+1)を掛ければよい}とわかる.
\ \ この程度の繁分数式ならば,\ [1],\ [2]のどちらの方法でも大差ない.
(2)\ \ (x+2)-4}{x-1}×(x-1)=(x+2)(x-1)-4}{x-1}(x-1)\ のように考えて計算する.
\ \ 分母分子を展開した後に因数分解すると約分できる.
(3)\ \ 本解が標準解法である.\ 右下の繁分数から順に処理していく.}
\ \ 割り算として扱うと,\ 以下のように逆数にする前に一旦通分する必要が生じる.
\ \ やはり,\ 分母分子に同じ式を掛ける方法が有利である.
\ \ さらに分母分子にx-1を掛ければよい.
\ \ 別解は,\ 繁分数全体をみて分母分子に1-1x\,を掛ける方法だが,\ 参考程度である.