2つの分数式の和・差は,\ 通分して1つの分数式にすることができた.
これを逆に行えば,\ 1つの分数式を2つの分数式に分解することができる.
このような式変形を部分分数分解という.
部分分数分解については,\ 後により複雑で一般化したものを扱う.
本項で扱うのは,\ 最も基本的な部分分数分解である.\ まずはその基本公式を示す
証明は容易で,\ 右辺を変形して左辺を導けばよい.
高校数学で重要なのは,\ 左辺を右辺に変形できるか}である.
最も確実なのは,\ 公式として覚えてしまうことである.
間に-を入れて\,1}{B-A}\,を掛けるだけなので覚えにくい公式ではない.
中級者以上は以下のような思考で変形できるので,\ 参考書などでは公式として扱われていない.
まず,\ 1}{AB}\,を\,1A-1B\,に分割する.
これだけでは\,1A-1B=B-A}{AB}\,になってしまうので,\ 1}{B-A}\,をかけてつじつまを合わせる.
(1)\ \ 分子が定数かつ分母の2つの因数の差が一定である分数式の和は,\ 部分分数分解して求める.}
\ \ まず,\ A=2x+1,\ B=2x+3として公式を適用する.
\ \ 残りの2つの項も同様に部分分数分解する.
\ \ すると,\ 中央の項が全て消え,\ 最初と最後の項だけが残る}ので,\ 後はこれを通分して計算する.
\ \ このような和は数 Bや数III}のある種の問題でよく登場する.\ 今のうちに慣れておいてほしい. 他の項も同様である.