定積分の定義(区分求積法)を利用する和の極限 ∫f(x)dx=lim1/nΣf(k/n)

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当ページの内容は、数Ⅲ積分法の基本計算を学習済みであることが前提となります。

必須ではないですが、区分求積法を理解しているとより学習しやすくなります。

次の極限値を求めよ. $lim[n→∞]1n[n]{P2n}{n$ [東京理科大]   & $lim[n→∞]({C3n}{n{C2n}{n)^{1n}$ [東京工業大] 定積分の定義を利用する和の極限 定積分の定義   式の意味は区分求積法の項目を参照してほしい. 重要なのは,\ 右辺の極限を求めたければ,\ 左辺の定積分を計算すれば済むということである. 実際には,\ 以下に示す作業手順で機械的に和の極限を定積分に帰着させることになる. 無理矢理にでも,\ ${1nをΣ}の外に出す.$ [0zh] 無理矢理にでも,\ ${Σ}の中身を knのみの式にする.$ [0zh] 繰り返しになるが,\ なぜこのように対応するかは区分求積法の項目を参照してほしい. ここで,\ 積分区間${(xの範囲)}$に関する注意点を述べる. 積分区間は,\ $Σk=1{nならば{[0→1]となる.\ また,\ Σk=3{n+1の場合も{[0→1]である.$ [0zh] $x$は$ kn$と対応しており,\ $k=3$のとき$3n→0$,\ $k=n+1$のとき${n+1}{n}→1$だからである. 同様に考えると,\ $Σk=1{2nならば{[0→2]となる.\ また,\ Σk=n+5{3n-2ならば{[1→3]である.$ まず,\ 無理矢理1nをくくり出す.\ その結果,\ 分子がn²になる. 後は,\ 分母分子をn²で割ると,\ knのみの式で表される. 分母が因数分解できるので,\ 部分分数分解して積分するパターンである. ∫{1}{2-x}dx=-log2-x}+C\ (1次式置換型)は,\ -を忘れないように注意する. 容易に定積分に変換できるが,\ 積分区間が[1→2]となることに注意する. sin²xは,\ 2倍角の公式cos2x=1-2sin²xを逆に用いて次数を下げてから積分する. 和をΣ}を用いて表した後,\ 定積分に変換する.\ 積分区間が[0→3]となることに注意. 分子が分母の微分型なので,\ 公式∫{f'(x)}{f(x)}dx=logf(x)}+Cを適用する. 常にx²+1>0より,\ 絶対値ははずせる. まず,\ 順列P2n}{n}を階乗を用いて表す.\ 例えば,\ である. 一般化すると,となる.\ 本問の場合,となる. (2n)!は1から2nまでの整数の積,\ n!は1からnまでの整数の積である. よって,\ 約分するとn+1から2nまでの整数の積となる. 先を見据えると,\ 小さい整数から並べておくほうがよい.\ また,\ 2n=n+nと考えておく. 階乗を経由せずに,\ 普通にP2n}{n}は2nからn個分の整数の積と考えても同じである. 区分求積法では1nを出す必要がある.\ 最初から1nが前についているが,\ これは罠である. この\ 1nは括弧内に入れる.\ n^n(n個のnの積)となるから,\ 分子のn個の因数に1個ずつ分配する. さて,\ {無限積は,\ 一旦対数をとって和に分解し,\ それをΣ}で表すと区分求積法に帰着する.} 積分は,\ 公式∫log xdx=xlog x-x+Cの1次式置換型として求められる. 1つのlogに変形するとlim[n→∞]log a_n=log 4eとなり,\ log をはずしてlim[n→∞]a_n=4eとなる. 対数の性質 log M^k=klog M log MN=log M+log N log M-log N=log MN 組合せ Cを階乗を用いて表す.\ 例えば, である. 一般化すると,\ Cn}{r}={n!}{r!(n-r)!}\ となる.\ n!を約分すると,\ 結局({P3n}{n{P2n}{n)^{1n}と同じになる. 分母分子をn^nで割り,\ 分母と分子のn個の因数に分配する以外はと同様である.