3次方程式の解から係数決定:解と係数の関係を利用せよ!

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3次方程式$x^3+ax^2+bx+2=0がx=1-iを解にもつ.$ \\[.2zh] \hspace{.5zw}このとき,\ 実数$a,\ bの値と他の解を求めよ.$ \\ 3次方程式の解から係数決定}$}}}} \\\\[.5zh]  大まかには3通りの解法が考えられるが,\ \textbf{\textcolor{red}{解と係数の関係を用いた解法が極めて強力}}である.\\\\  $[1]$\ \ [\textbf{\textcolor{blue}{\,共役複素数,\ 解と係数の関係を利用\,}}] \\[1zh]   $\textcolor{magenta}{\underline{実数係数}の方程式がx=1-iを解にもつから,\ x=1+iも解にもつ.}$ \\[.5zh]   $もう1つの解を\ \alpha\ とすると,\ {3次方程式の解と係数の関係}から \ (1-i)+(1+i)+\alpha=-\,a &   よって \textcolor{red}{2+\alpha=-\,a} \\[.2zh] \ (1-i)(1+i)+(1+i)\alpha+(1-i)\alpha=b &   よって \textcolor{red}{2+2\alpha=b} \\[.2zh] \ (1-i)(1+i)\alpha=-\,2 &   よって \textcolor{red}{2\alpha=-\,2} \bm{\underline{実数係数}の方程式が虚数解\Cnum{a}+{b}をもつとき,\ 共役複素数\Cnum{a}-{b}も解にもつ}のであった. \\[.2zh] これを利用するとき,\ \bm{実数係数を確認したことの記述が必須}である. \\[1zh] 後は,\ もう1つの解を文字でおいて解と係数の関係を適用するだけである. \\[.2zh] 3次方程式\ ax^3+bx^2+cx+d=0\ の3つの解が\ \alpha,\ \beta,\ \gamma\ であるとき \\[.2zh]  \bm{\alpha+\beta+\gamma=-\bunsuu ba,\ \ \alpha\beta+\beta\gamma+\gamma\alpha=\bunsuu ca,\ \ \alpha\beta\gamma=-\bunsuu da} \\[1zh] わずかな計算量で,\ 2つの係数a,\ bともう1つの解が全て求まる.  $[2]$\ \ [\textbf{\textcolor{blue}{\,代入して複素数の相等条件を利用\,}}] \\[1zh] {bと-2a-b-2は実数}}}であるから  \textcolor{red}{b=0,\ \ -\,2a-b-2=0}$ \\[.2zh]   $よって  a=-\,1,\ b=0$ \\[1zh]   $このとき,\ 3次方程式は  \textcolor{magenta}{x^3-x^2+2=0}$ \\[.2zh]   $x=-\,1を解に持つから  (x+1)(x^2-2x+2)=0$ \\[.2zh] x=1-iを解にもつから,\ 当然代入して成り立つ. \\[.2zh] iで整理して\bm{複素数の相等条件}を利用することで,\ a,\ bが求められる. \\[.2zh]  A,\ Bが実数のとき \bm{\Cnum{A}+{B}=0\ \Longleftrightarrow\ A=0\ かつ\ B=0} \\[.2zh] 複素数の相等条件を利用するとき,\ 必ず\bm{A,\ Bが実数であることを記述}しておかなければならない. \\[1zh] 求まった係数a,\ bを与えられた3次方程式に代入し,\ これを因数定理で解くと残りの解が求まる. \\[1zh] 本解法の発想は自然だが,\ 係数と他の解を別々に求めることになる. ,共役複素数,\ 筆算の割り算を利用\,}}] \\[1zh]   $\textcolor{magenta}{\underline{実数係数}の方程式がx=1-iを解にもつから,\ x=1+iも解にもつ.}$ \\[.5zh]   $1\pm iを解にもつ2次方程式は \textcolor{red}{x^2-2x+2=0}$ \\[1zh]   $\textcolor[named]{ForestGreen}{x^3+ax^2+bx+2をx^2-2x+2で割る}と$ \\ \Pzyohou{1,a,b,2}{1,-2,2} \\   よって $商\ x+(a+2),\ \ 余り\ (2a+b+2)x-2a-2$ \\[1zh]   $(2a+b+2)x-2a-2=0$が$x$についての恒等式なので\ \ $\textcolor{red}{2a+b+2=0,\ -\,2a-2=0}$ \\[.2zh]   $よって a=-\,1,\ \ b=0    このとき 商\ \textcolor{cyan}{x+1}$ \\[.2zh]   $ゆえに (\textcolor{cyan}{x+1})(x^2-2x+2)=0$ \\\\ \centerline{$\therefore \bm{a=-\,1,\ \ b=0,\ \ 他の解\ x=-\,1,\ 1+i}$} \\\\[.5zh] \centerline{{\small $\left[\textcolor{brown}{\begin{array}{l} x=1\pm iを解にもつということは,\ \bm{\{x-(1+i)\}\{x-(1-i)\}\ を因数にもつ}ということである. \\[.2zh] このことを利用するため,\ x=1\pm iを解にもつ2次方程式を作成する. \\[1zh] x=\alpha,\ \beta\ を解にもつ2次方程式は (x-\alpha)(x-\beta)=0 \\[.2zh] 展開すると\ x^2-(\alpha+\beta)+\alpha\beta=0\ となるから,\ 2つの解の和と積を求めればよいのであった. \\[.2zh] 和(1+i)+(1-i)=2,\ 積(1+i)(1-i)=2\ より,\ x^2-2x+2=0\ が導かれる. \\[.2zh] 普通に\ \{x-(1+i)\}\{x-(1-i)\}\ を展開するのと結局同じである. \\[1zh] x^2-2x+2を因数にもつということは,\ x^2-2x+2で割り切れるということである. \\[.2zh] \bm{実際に割り算し,\ 余りが0となるようにa,\ bを定めればよい.} \\[.2zh] x^3+ax^2+bx+2=(x^2-2x+2)(x+a+2)でa=-\,1であるから,\ (x^2-2x+2)(x+1)となる. \\[1zh] 筆算ではなく,\ 以下の式が\bm{恒等式となるようにa,\ b,\ cを定める}方針でもよい. \\[.2zh]  x^3+ax^2+bx+2=(x^2-2x+2)(x+c) \\[.2zh]  右辺を展開して整理すると x^3+(c-2)x^2+(-\,2c+2)x+2c \\[.2zh]  両辺の係数を比較すると a=c-2,\ \ b=-\,2c+2,\ \ 2=2c   \therefore\ \ a=-\,1,\ b=0,\ c=1 \\[1zh] 面倒な解法だが,\ 他の解法が厳しくなる4次以上の方程式に対しても通用する.