
x$の方程式$(1-i)x^2-(k+i)x+\Cnum{1}+{k}=0$が実数解をもつように実数$k$の値を \hspace{.5zw}(2)\ \ $x$の方程式$(1-i)x^2-(k+3i)x-\Cnum{2}+{k}=0$が純虚数解をもつように実数$k$の値を定めよ. \phantom{ (1)}\ \ \phantom{[1]}\ \ \,\maru3の判別式を$D$とすると,\ $D=1^2-4=-\,3<0$より\maru3は実数解をもたない. \\[1zh]
\phantom{ (1)}\ \ (ii)\ \ $\textcolor{forestgreen}{\alpha=1}$のとき,\ \maru1より$k=2$である.\ これは\maru2も満たす
まず,\ 実数係数2次方程式と虚数係数2次方程式の共通点と相違点をまとめると以下となる.
解の公式が△なのは,\ \bm{虚数係数でも使えるが高校生にとって実用的ではない}からである. \\[.2zh]
虚数係数なので,\ x=1\pm\ruizyoukon{i}\,のようにb^2-4acが虚数になる場合があり得る. \\[.2zh]
しかし,\ 高校数学では\ruizyoukon{虚数}\,は定義されていない. \\[.2zh]
仮に認めたとしても,\ \bm{\ruizyoukon{虚数}\,は必ず\Cnum{a}+{b}の形にできる}ので,\ この変形が必要になる. \\[.2zh]
以上により,\ 虚数係数の2次方程式において解の公式を利用するのは推奨されない. \\[1zh]
また,\ 判別式は一切使用できない.\ 判別式b^2-4acは,\ 解の公式の根号の中身であった. \\[.2zh]
虚数係数では解がx=i\pm\ruizyoukon2\,などになりうるので,\ \bm{根号内の正負だけでは解の種類を判別できない.} \\[.2zh]
さらに,\ 虚数には大小がないので,\ \bm{b^2-4acが虚数になる場合はそもそも正も負もない.} \\[1zh]
解と係数の関係は次のような定理で(すぐ後に学習),\ 虚数係数でも問題なく利用できる. \\[.2zh]
2次方程式ax^2+bx+c=0の2解を\,\alpha,\ \beta\,とするとき \bm{\alpha+\beta=-\bunsuu ba,\ \ \alpha\beta=\bunsuu ca} \\[.8zh]
高校数学の虚数係数の問題は解と係数の関係を前提としないが,\ 知っておくに超したことはない. \\[1zh]
さて,\ 本問は,\ \bm{複素数の相等条件}を利用すると解の公式や判別式を使わずとも解くことができる. \\[.2zh]
\bm{\Cnum{a}+{b}=0\ \Longleftrightarrow\ a=0\ かつ\ b=0} (a,\ b:実数) \\[1zh]
実数解を文字でおいて代入し,\ \bm{前提条件(下線部)を確認}した上で複素数の相等条件を適用する. \\[.2zh]
後は連立方程式を解くだけである.\ 連立方程式は1文字消去が原則だが,\ まず\,\bm{\alpha^2\,を消去}するとよい. \\[.2zh]
すると,\ 因数分解できる.\ 結局は数\text Iで学習した2次方程式の共通解問題であり,\ 扱いも同様である. \\[1zh]
なお,\ \maru1+\maru2は,\ f(\alpha)=0\ かつ\ g(\alpha)=0\ \Longrightarrow\ mf(\alpha)+ng(\alpha)=0\ の利用を意味する. \\[.2zh]
本問では,\ 最高次の項が消えるようにm=1,\ n=1としたわけである. \\[.2zh]
注意すべきは,\ \Longrightarrow\ は明らかになり立つが,\ \bm{\Longleftarrow は成り立たない}ことである. \\[.2zh]
つまり,\ f(\alpha)+g(\alpha)=0だからといって,\ f(\alpha)=0,\ g(\alpha)=0が成り立つとは限らない. \\[.2zh]
実際,\ f(\alpha)=\alpha^2,\ g(\alpha)=-\,\alpha-2のとき,\ f(\alpha)+g(\alpha)=\alpha^2-\alpha-2=(\alpha+1)(\alpha-2)=0である. \\[.2zh]
\alpha=-\,1,\ 2が求まるが,\ このときf(\alpha)=\alpha^2=0とg(\alpha)=-\,\alpha-2=0は成り立たない. \\[.2zh]
それゆえ,\ \bm{\maru1+\maru2で導かれたものが\maru1と\maru2の両方を満たすかの確認を要する.} \\[1zh]
1文字消去でも求めてみる.\ \maru2よりk=\alpha^2+\alpha,\ \maru1に代入すると \alpha^3=1 \therefore\ \ \alpha=1よりk=2 \\[1zh]
さらに,\ k=2のとき,\ x=\alpha=1以外の解を求めるとしよう.\ ここで解と係数の関係が役立つ. \\[.2zh]
k=2のときの方程式は (1-i)x^2-(2+i)x+\Cnum{1}+{2}=0 \\[.2zh]
もう1つの解を\,\beta\,とすると,\ 解と係数の関係より純虚数解を$ai\ (aは実数,\ a\neqq0)$}とすると$iで整理すると$のとき $1-k+k=0 これを満たす実数kは存在しない.
(1)と同様に,\ 純虚数解を文字でおいて代入し,\ 複素数の相等条件を適用すればよい. \\[.2zh]
純虚数はaiとおけるが,\ a=0のときは実数になってしまうのでa\neqq0とする. \\[.2zh]
本問の場合の連立方程式は,\ aのみの方程式である\maru1を普通に解いてから\maru2に代入すれば済む. \\[1zh]
x=ai=2i以外の解を\,\beta\,とすると,\ 解と係数の関係より