整式を(x-a)nで割ったときの余り:因数分解公式・二項定理・微分の利用

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x^n\,(n≧2)を(x-1)^2\,で割ったときの余りを求めよ.$ \\ (x-a)^n\ で割ったときの余り}$ \\  同種の問題にならい,\ 割り算について成り立つ等式を作成してみる. $x^n=(x-1)^2}Q(x)+ax+b$  未知数が2つあるのに,\ $Q(x)を消去できるのはx=1$しかない.  よって,\ 同種の問題のように単純に代入して連立することはできない.  本問の解法を3つ示す.\ 各方法の長所・短所を理解し,\ 使い分ける.  $[1]$\ \ [\,1文字消去.\ 一般化された因数分解公式が必要.\,]  $[1]$\ }$x^n=(x-1)^2Q(x)+ax+b}\ とおける.$  $[1]$\ }両辺に$x=1$を代入}すると $1=a+b\ より b=-\,a+1}$  $[1]$\ }よって $x^n=(x-1)^2Q(x)+ax-a+1=(x-1)^2Q(x)+a(x-1)+1$  $[1]$\ }ゆえに $x^n-1=(x-1)^2Q(x)+a(x-1)}$  $[1]$\ }ここで $(左辺)=(x-1(x^{n-1}+x^{n-2}+・・・+x+1)$  $[1]$\ }さらに $(右辺)=(x-1)\{\{(x-1)Q(x)+a\  $[1]$\ }両辺に$x=1$を代入}すると $1+1+・・・・・・+1+1=a$  $[\,n個の1の和}\,] ∴ 求める余りは nx-n+1}$} とりあえずx=1を代入すると等式が1つできるから,\ 1文字消去する.} 1を左辺に移項すると,\ 左辺が次の公式を用いて因数分解できる.  因数分解公式 a^n-b^n=(a-b)(a^{n-1}+ab^{n-2}+・・・・・・+a^{n-2}b+a^{n-1}) 右辺もx-1をくくり出せるので,\ 結局下線部}の恒等式が導かれる. 再びx=1を代入}すると,\ a,\ bが特定できる. 二項展開の利用.\ 割る式が高次式の場合には非常に有効\,]  $[1]$\ }$x^n=\{(x-1)+1\}^n}$ \(x-1)^n+C n1(x-1)^{n-1}・1+C n2(x-1)^{n-2}・1^2+・・・$ {・・・+C{n}{n-2}(x-1)^2・1^{n-2+C{n}{n-1}(x-1)・1^{n-1}+1^n$  $[1]$\ }$ここで,\ 下線部}\,は(x-1)^2で割り切れる}から,\ 求める余りは$ $C{n}{n-1}(x-1)・1^{n-1}+1^n}=n(x-1)+1=nx-n+1}${(x-1)^3\ で割ったときの余り}も同様に求まるので,\ 求めてみる. 無理矢理x-1の形を作り出し,\ x-1で二項展開}する. a=x-1,\ b=1\ として,\ 次の二項定理の公式を適用すればよい.  (a+b)^n=a^n+C n1a^{n-1}b+C n2a^{n-2}b^2+・・・+C{n}{n-2}a^2b^{n-2}+C{n}{n-1}ab^{n-1}+b^n (x-1)^2\,を因数にもつ項は全て(x-1)^2\,で割り切れる}から,\ 結局最後の2項が余りである. C{n}{n-1}=C n1=n この解法は,\ 高次式で割ったときの余りを求める場合に特に役立つ. {微分して式の数を増やす.\ 積の微分(数III)が必要\,]  $[1]$\ }$x^n=(x-1)^2Q(x)+ax+b}\ とおける.両辺を$x$で微分}すると $nx^{n-1}=2(x-1)Q(x)+(x-1)^2Q'(x)}+a$  $[1]$\ }各式の両辺に$x=1$を代入}すると $1=a+b,\ \ n=a$  $[1]$\ }よって $a=n,\ \ b=-\,n+1}$ ∴ 求める余りは nx-n+1}$} $\left[l} 恒等式は微分しても恒等式}であることを利用すると,\ x=1を代入する式の数を増やすことができる. 積の微分 \{f(x)g(x)\}’=f'(x)g(x)+f(x)g'(x) また,\ \{(ax-b)^n\}’=an(ax-b)^{n-1}\ も利用する. 発想が自然で,\ 汎用性があり,\ 低次ならば計算量・記述量も適度である.