自然対数の底eの定義を利用する極限

スポンサーリンク

当ページは、極限カテゴリと微分カテゴリの両方に属しています。

当ページの内容は、本来は数Ⅲ微分法のeの定義の後に学習するのが普通ですが、公式を覚えて使うだけなので微分法の前でも学習できます。

次の極限値を求めよ. {自然対数の底${e}$の定義を利用する極限 次の2つが自然対数の底$e$の定義である(暗記必須).$x→1x$とすると,\ $→$となる.  dy}{${lim[x→0](1+x)^{1x}=e$}     dy}{${lim[x→∞](1+1x)^x=e$ $e$の定義を利用する型にはわかりやすい目安があるので,\ 多くの場合は容易に識別できる. 単純にで$x→0としてみると,(1+0)^{10}=1^∞\ となる.\ も同様である.$ 要するに,\ ${1^{∞}\ の不定形となる極限計算においてeの定義を利用するのである.$ なお,\ あくまで1に限りなく近づくというだけ1にはならないので,\ $1^∞=1ではない.$ 微分係数の定義を利用する極限の項目で,\ 準公式$lim[x→0]{log(1+x)}{x}=1$を紹介した. この極限は,\ 次のようにして求めることもできることを知っておくとよい. 単純にx→0とすると1^∞ の不定形となるから,\ eの定義の利用を考える. 本解のようにlim○→0}(1+○)^{1○}の形に変形できれば速いが,\ 難しいならば置換すればよい. lim[x→0](1+x)^{1x}と見比べると,\ -3x=tと置換すればよいことがわかる. 置換後に指数法則a^{mn}=(a^m)^nを利用すると,\ eの定義に帰着する. と見比べると,\ 4x=tと置換すればよいことがわかる. lim[x→∞](1+x)^{1x}と見比べ,\ {1}{4x}=tと置換してもよい(別解). 対数の性質log M-log N=log MNを用いて対数を合体し,\ xを指数部分に移動させる. lim[x→∞](1+1x)^xと見比べると,\ -2x=1tと置換すればよいことがわかる. lim[x→0](1+x)^{1x}と見比べ,\ -2x=tと置換してもよい. の不定形である. [1.8zh] 一般に,\ {(分子の次数)(分母の次数)のとき,\ 分子の次数を下げる}のが鉄則である. 割り算してもよいが,\ 分母と同じ形を分子に無理矢理作り出すのが簡潔である. {x-1}{x+1}={(x+1)-2}{x+1}=1-{2}{x+1} 後は,\ lim[x→0](1+x)^{1x}と見比べ,\ -{2}{x+1}=tと置換すればよい. -2=t(x+1) → -t-2=tx → x=-{t+2}{t}