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多項式の次数が高くなるほど元の関数に近づいていく(近似の精度が高くなる)。n=1のときが接線(1次近似)である。
大学の内容だが,\ 背景知識として持っておきたい.\ 厳密さを無視してかなり軽く紹介する. 「へえ~」という程度で十分である.\ 場合によっては裏技的に利用できることもある. マクローリン展開とは,\ 関数${f(x)}$を整関数で近似する手法である. 両辺を微分することと,\ 両辺に${x=0}$を代入することを繰り返すことで可能になる. 例として,\ ${e^x}$を3次関数で近似する. つまり,\ $e^x=a₀+a₁x+a₂x²+a₃x³}$\ と考え,\ 係数$a₀~a₃$を定める. 両辺に$x=0を代入すると 1=a₀}$ 以上を少し一般化する.\ ${無限回微分可能な関数f(x)を4次関数で近似する.$ 4次までではなく無限次まで同様の操作を繰り返すと, もはや近似式ではなく等式となる. 以下に,\ 代表的なマクローリン展開式を示す.\ これらを背景とする問題が頻出である. 一番上の式は,\ 逆にみれば無限等比級数の和である. つまり,\ 初項1,\ 公比xの無限等比級数であるから,\ x}<1のとき\ {1}{1-x}\ に収束する. e^x\ のマクローリン展開式にx=1を代入すると自然対数の底eの無限級数表示が得られる. (1+x)^p\ は,\ n=(整数)で定義された二項定理を一般化して指数を実数にまで拡張したものである. \arctan x\ は\ tan x\ の逆関数である. オイラーの等式 $e^x\ のマクローリン展開式において,\ {x\ →\ ix\ とする.$ ${オイラーの公式} ${オイラーの等式} \ マクローリン展開式は複素数を代入しても成立する. ixを代入してiで整理すると,\ 括弧内は\ cos x\ とsin x\ のマクローリン展開式となる. つまり,\ オイラーの公式が導かれる.\ {虚数単位iを介在して指数関数と三角関数が結びつく}のである. 三角関数を微分積分が容易な指数関数に変換できるなど,\ 極めて実用性の高い公式である. x=π\ を代入すると{世界で最も美しい等式}とも評されるオイラーの等式が導かれる. 別々の分野で独立に発見された数学の5大定数がシンプルに結びついているのは奇跡的である. 円周率π(幾何学),\ 自然対数の底e(解析学),\ 虚数単位i(代数学),\ 和の単位元0,\ 積の単位元1