次の連立方程式を解け.$
x+y=5
x^2-xy+y^2=7
x+xy+y=-\,5
x^2+y^2=10
対称式の連立方程式}2式がいずれも対称式の連立方程式は,\ 以下の手順で{対称性を崩さずに求めると簡潔に済む.
$[1]$\ \ 基本対称式$x+y,\ xy}$の値を求める.
$[2]$\ \ $x,\ y}$を解にもつ2次方程式を作成する.
対称式の基本変形\ x^2+y^2=(x+y)^2-2xy\ により,\ 基本対称式x+yとxyのみで表す.
x+y=p,\ xy=qとおくと,\ p=5とp^2-3q=7の連立方程式に帰着したことになる.
基本対称式をなす2数は,\ 2次方程式を作成して求める}のが基本なのであった.
2数x,\ yを解にもつ2次方程式の1つは (t-x)(t-y)=0
つまり t^2-(x+y)t+xy=0}
問題に対称性があるから,\ 当然解にも対称性が表れる}ことも確認してほしい.
もちろん,\ y=-\,x+5をx^2-xy+y^2=7に代入する解法も可能である.
しかし,\ (2)のような場合には,\ 1文字消去法が難しくなる.
1文字消去しようとすると式がかなり複雑になってしまう.
2式がいずれも対称式であることに着目し,\ 対称性を崩さずに求める.
本問では,\ わかりやすさのため,\ x+y,\ xyを一旦文字でおいた.
(p,\ q)が2組求まるから,\ それぞれに対応する2次方程式を作成してx,\ yを求めればよい.連立方程式\
x+y+z=3} \\
xy+yz+zx=3} \\
xyz=1}
{x,\ y,\ zは,\ t^3-3}t^2+3}t-1}=0\ の3つの解である.$
$よって (t-1)^3=0\ より t=1}\ \ (3重解)${x=y=z=1}$
対称性を崩さずに求める方法は,\ 変数が増えるとより重要性を増す.
x+y+z,\ xy+yz+zx,\ xyzは3変数の基本対称式}であった.
基本対称式をなす3数は,\ 3次方程式を作成して求めることができる.
3数x,\ y,\ zを3解にもつ3次方程式の1つは (t-x)(t-y)(t-z)=0
つまり t^3-(x+y+z)t^2+(xy+yz+zx)t-xyz=0}
3次方程式の詳しい学習は後になるので,\ ここでは最も簡潔なものを示した.