z^2=\Cnum{5}-{12}$となる複素数$z$をすべて求めよ.
(2)\ \ $z^3=-\,8i$となる複素数$z$をすべて求めよ.
(3)\ \ $z^3=\Cnum{2}-{11}$となる複素数$z$をすべて求めよ.\ ただし,\ $z$の実部と虚部は整数とする.2乗・3乗して虚数になる複素数}$
z=\Cnum{x}+{y}とおいて整理し,\ 複素数の相等条件を利用する}だけである.
\Cnum{a}+{b}=\Cnum{c}+{d}\ ⇔\ a=c\ かつ\ b=d} (a,\ b,\ c,\ d:実数)
複素数の相等条件を利用するときは,\ 前提条件の確認(下線部)が必須なのであった.
さて,\ 複素数の平方根は√{ }を用いて表すことはしない}ので,\ z=±√{\Cnum{5}-{12\,と答えてはならない.
元々,\ 正数aの2つある平方根のうち正の方を√ a\,と表すのであった.
しかし,\ 虚数には正も負もないので,\ 実数と同様に√{ }を考えることはできない.
また,\ 本問のようにして,\ 複素数の平方根は必ず\Cnum{a}+{b}の形で表すことができる.}
√2\,のように表すしかない実数とは違い,\ 複素数の平方根はあえて根号で表す必要がないのである.
z=\Cnum{c}+{d}\,の平方根が必ず\Cnum{a}+{b}の形で表せることを確認する.
つまり,\ (\Cnum{a}+{b})^2=\Cnum{c}+{d}を満たす実数a,\ bが常に存在することを確認しておく.
本問と同様に,\ a^2-b^2=c,\ 2ab=dを解くことになる.
d=0のときzは実数なので,\ zが虚数になるd≠0のときを考える.
d≠0のとき,\ 2ab=dよりa≠0であるからb=d}{2a}とできる.
これをa^2-b^2=cに代入して整理すると 4a^4-4ca^2-d^2=0
a^2=tとするとt>0であり,\ 4t^2-4ct-d^2=0となる.
よって,\ このtの2次方程式が正の解をもてば,\ 実数aが存在することになる.
f(t)=4t^2-4ct-d^2\,は下に凸の2次関数で,\ f(0)=-\,d^2<0である.
ゆえに,\ f(t)=0は必ず正の解をもつ.\ \ b=d}{2a}\,よりbも求まるから,\ 実数a,\ bが常に存在する.
公式\ (a+b)^3=a^3+3a^2b+3ab^2+b^3
(1)と同様に複素数の相等条件を利用すると,\ x,\ yの3次の連立方程式となる.
一般にはそう簡単に解けないが,\ 本問の場合は=0の①を先に同値変形すると解ける.
数III}の複素数平面を学習すると,\ 実部が0でない場合やz^4\,のような場合も求められるようになる.
,\ y:整数})$とおくと $z^3=(\Cnum{x}+{y})^3=\Cnum{(x^3-3xy^2)}+{(3x^2y-y^3)}$
$z^3=\Cnum{2}-{11}$であるから $\Cnum{(x^3-3xy^2)}+{(3x^2y-y^3)}=\Cnum{2}-{11${$x,\ yは実数であるから,\ x^3-3xy^2,\ 3x^2y-y^3\,も実数である.$
①より\ \ $x(x^2-3y^2)=2}$
$x$と$x^2-3y^2$は整数}なので
これらの中で②も満たすのは$(x,\ y)=(2,\ -\,1)$のみである.
∴\ \ z=2-i}$} \\
$\left[l}
x,\ yが整数という条件が加われば,\ =0でなくとも連立方程式を解くことが可能になる.
要は整数問題である.\ 一方を因数分解してすべての組合せをしらみつぶしすればよい}のであった.