当カテゴリでは、極限のパターンを基本から応用まで網羅する。
極限分野で重要になるのは、単に極限を求めることができるかというだけである。
しかし、これが難しい。極限の結果は直感とはかけ離れており、簡単には理解できない。また、極限を求めるためにこれまでにはなかった方向性の式変形が必要になる。有限の場合に当たり前に許されたことが無限では許されなくなっていることも多く、学習には相当の慎重さが要求される。
パターンがやたらと多く、その上かなり紛らわしいものが多数あることも厄介である。数列、三角関数、指数関数・対数関数、二項定理、微分・積分など、他分野との融合問題も多数登場する。
多くの問題演習が必要で学習に時間がかかる割に、大学入試でメインとなることは少ない。では出題率が低いのかと思いきや、極限計算問題が小問として付属していることが多く、出題率はそこそこ高い。
このように、受験生にとっては嫌がらせとしか思えないような面倒な分野であるが、何とか踏ん張ってもらいたい。
応用的な極限計算では、数Ⅲの微分法・積分法の知識が必要になるものがある。微分法・積分法を未学習ならば、学習後に確認してもらえればよい。微分法・積分法が絡むパターンは、それだけ出題されやすい重要なパターンである。
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当カテゴリ内記事一覧
- 数列の極限の基本(直感が通用しない極限の恐怖)
- 数列の極限①:整式と分数式の極限
- 数列の極限②:無理式の極限
- 数列の極限③:和や積の極限
- 極限の条件の利用
- 分数式が収束するための必要条件
- 数列の極限④:はさみうちの原理と追い出しの原理
- 数列の極限⑤:二項定理を利用する極限(rn、nk/rn、nrn、rn/n!、n1/n)と発散速度比較
- 数列の極限⑥:無限等比数列rnを含む極限
- 数列の極限⑦ 場合分けを要する無限等比数列rnを含む極限
- 無限等比数列rn、arnの収束条件
- 漸化式と極限① 特殊解型とその図形的意味
- 漸化式と極限② 連立型と隣接3項間型
- 漸化式と極限③ 分数型
- 漸化式と極限④ 対数型と解けない漸化式
- ニュートン法(f(x)=0の実数解と累乗根の近似値)
- ペル方程式x²-Dy²=±1で定められた数列の極限と平方根の近似値
- 無限級数の収束と発散(基本)
- 無限級数の収束と発散(応用)
- 無限級数が発散することの証明
- 無限等比級数の収束と発散
- 無限級数の性質 Σ(san+tbn)=sA+tB とその証明
- 循環小数から分数への変換(0.999・・・・・・=1)
- 無限等比級数の図形への応用(フラクタル図形:コッホ雪片)
- (等差)×(等比)型の無限級数の収束と発散
- 部分和を場合分けする無限級数の収束と発散
- 無限級数Σ1/nとΣ1/n!の収束と発散
- 関数の極限①:多項式関数と分数関数の極限
- 関数の極限②:無理関数の極限
- 関数の極限③:片側極限(左側極限・右側極限)と極限の存在
- 関数の極限④:指数関数と対数関数の極限
- 関数の極限⑤ 三角関数の極限の公式 lim sinx/x=1、lim tanx/x=1、lim(1-cosx)/x²=1/2
- 関数の極限⑥:三角関数の極限(基本)
- 関数の極限⑦:三角関数の極限(置換)
- 関数の極限⑧:三角関数の極限(はさみうちの原理)
- 極限値から関数の係数決定
- オイラーとヴィエトの余弦の無限積の公式 Πcos(x/2n)=sinx/x
- 関数の点連続性と区間連続性、連続関数の性質
- 無限等比数列と無限等比級数で表された関数のグラフと連続性
- 連続関数になるように関数の係数決定
- 中間値の定理(方程式の実数解の存在証明)
- 微分係数の定義を利用する極限
- 自然対数の底eの定義を利用する極限
- 定積分で表された関数の極限 lim1/(x-a)∫f(t)dt
- 定積分の定義(区分求積法)を利用する和の極限 ∫f(x)dx=lim1/nΣf(k/n)
- 受験数学最大最強!極限の裏技:ロピタルの定理 記述試験で無断使用できる?