数列の極限の基本(直感が通用しない極限の恐怖)

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数列の極限 {収束する} \ lim[n→∞]a_n=α}   極限値}がある} 発散する}  lim[n→∞]a_n=∞} & 極限は正の無限大,\ 極限値}はない} lim[n→∞]a_n=-∞}  & 極限は負の無限大,\ 極限値}はない} 振動する} & 極限はない} 「lim[n→∞]a_n=α」は,\ 「n→∞のとき\ a_n→α」や「a_n→α\ (n→∞)」と書くこともできる. ただし,\ 「lim[n→∞]a_n→α」とは書かないので注意する. {∞は値ではないので,\ 極限値とはいわない.} 振動する数列の代表例 1,\ -1,\ 1,\ -1,\ 1,\ -1,\ 1,\ {「収束する」「∞に発散」のどれにもあてはまらないときが「振動する」である.} ジグザグしているからといって「振動する」とは限らないので注意してほしい. 数列の極限の性質 数列${a_n,\ b_n}$が収束し,\ 各極限{値}が${lim[n→∞]a_n=α,\ lim[n→∞]b_n=β}$}であるとき [5]$すべてのnについて\ {a_n b_n\ または\ a_n0のとき {lim[n→∞]n^k=∞, lim[n→∞]{1}{n^k}=0$ $[l} n²は1,\ 4,\ 9,\ 16,\ であるから無限大に発散するのは自明だろう. では,\ n^{1}{10はどうだろうか.右図はパソコンで描いた正確な変化である. [-2.5zh] ほんのわずかずつ増えていってはいるが,\ とても無限大に発散するとは思えない. しかし,\ n^{1}{10は無限大に発散する.\ n^{1}{100やn^{1}{1000など,\ k>0のn^kはすべて無限大に発散する. 厳密な証明は大学の範疇なので,\ 高校生は暗記である. lim[n→∞]{1}{n}\ も考える.\ 分母を大きくしていくと,\ {1}{10},\ ,\ {1}{1000},\ ,\ {1}{100000},となる. つまり,\ 0.1,\ ,\ 0.001,\ ,\ 0.00001,となり,\ どんどん0に近づいていくのである. なお,\ 0に限りなく近づいてはいくが,\ 0になることは永遠にないので注意する. 次の数列の極限を調べより 負の無限大に発散する.} $0,\ 0,\ 0,\ 0,\ }$ より 0に収束する. 振動する.} \ より 0に収束する.} 1-∞=-∞\ である.\ 無限大が正か負かの記述は必須である. なお,\ ∞の四則演算は定義されていないので,\ 答案に1-∞のような式を書いてはならない. sinπ,\ sin2π,\ sin3π,\ sin4π,はいずれも0である. cosπ=-1,\ cos2π=1,\ cos3π=-1,\ cos4π=1,より,\ cos nπ=(-1)^n\ である. 一般項をnの式で表して考える. 分子の(-1)^{n+1}は1と-1を振動,\ 分母は∞に発散するので,\ 全体として0に収束する. 後により厳密に示す方法を学ぶので,\ 現時点ではこれで納得してもらえればよい. 分子は初項4,\ 公差5の等差数列であるから,\ 一般項は4+(n-1)5=5n-1である. 分数を分離した後,\ lim[n→∞]1n=0を考慮すると極限値が求められる. 次の命題について,\ 真ならば証明し,\ 偽ならば反例を示せ. $α,\ β$は定数とする. {偽  反例:m{真  証明: ほとんどが偽であり,\ 極限の世界では直感がことごとくはずれることがわかる. つまり,\ 直感的に成り立ちそうな法則が実際にはほとんど成り立たない. だからこそ,\ 極限の世界で何が成り立つのかを注意深く確認しておくべきと主張したわけである. まず,\ もう一度極限の性質を読み直してきてほしい. {「a_nとb_nが収束するとき」という重大な前提条件}にわざわざ下線まで引いてあるはずである. 言い換えると,\ {a_nとb_nが収束しない場合には成り立つとは限らない}法則なのである. \ しかし,\ lim[n→∞]a_n=∞,\ lim[n→∞]b_n=∞であり,\ 定数に収束しない. 極限の性質を用いて証明できる. 分子の有理化は,\ 初学者は不自然な変形と感じるかもしれない. しかし,\ 極限を求めるために今後頻繁に利用することになる.  平均 (振動) る.\ なお,\ 「{a_n}が無限大に発散」ならば真である.