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関数の片側極限と極限の存在}}}} \\\\[.5zh] $x$が定数$a$に近づくとき,\ その近づき方は左側からと右側からの2通りが考えられる. \\[.2zh] そのため,\ 関数の極限には片側極限という概念があり,\ 近づき方で極限が異なることがある. \\\\
片側極限が問題になるのは,\ 主に不連続な関数の極限を調べる場合である. \\[.2zh] 「連続」は後に学習するので,\ 今は「$不連続=グラフが途切れている$」と考えてほしい. \\[.2zh] その最も代表的な例は,\ $\dlim{x\to0}\bunsuu1x$である.\ 関数$y=\bunsuu1x$は,\ $x=0$で途切れている. \\[.2zh] 途切れている$x=0$への極限を考えるとき,\ 左側極限と右側極限が異なる可能性がある. \\[.2zh] \textbf{\textcolor{Purple}{グラフを元に図形的に考える}}と,\ 一目瞭然である.
グラフで考えるとわかりやすいが,\ 常にグラフをイメージできるとは限らない. \\[.2zh] よって,\ \textbf{\textcolor{Purple}{式を見ただけで極限を求める}}ことができるようにしておく必要がある. \\\\
$\dlim{x\to0}\bunsuu1x$を単純に考えると$\bunsuu{1}{0}$となる.\ これを具体的に考えてみよう. \\\\
まず,\ \textbf{\textcolor[named]{ForestGreen}{分母を右側(正の側)から0に近づけていく.}} \\[.2zh] すると,\ $\bunsuu{1}{0.1},\ \bunsuu{1}{0.01},\ \cdots,\ \bunsuu{1}{0.00001},\ \cdots\cdots\cdots$ のようになる. \\[.2zh] つまり,\ $10,\ 100,\ \cdots,\ 100000,\ \cdots\cdots\ であり,\ \bm{\textcolor{red}{\infty に発散}}していく.$ \\\\
次に,\ \textbf{\textcolor{magenta}{分母を左側(負の側)から0に近づけていく.}} \\[.2zh] すると,\ $\bunsuu{1}{-\,0.1},\ \bunsuu{1}{-\,0.01},\ \cdots,\ \bunsuu{1}{-\,0.00001},\ \cdots\cdots\cdots$ のようになる. \\[.2zh] つまり,\ $-\,10,\ -\,100,\ \cdots,\ -\,100000,\ \cdots\cdots\ であり,\ \bm{\textcolor{red}{-\,\infty\ に発散}}していく.$ \\\\
次の極限を調べよ.\ ただし,\ $\gauss x$は$x$を超えない最大の整数を表す.
分子のx+1はx=2で連続であるから,\ どちらから近づいても当然3になる. \\[.2zh] 分母は2乗なので,\ 常に正の値をとりながら0に近づいていくことになる. \\[.2zh] 右側から2に近づくと (2.1-2)^2=0.01,\ (2.01-2)^2=0.0001,\ (2.001-2)^2=0.000001,\ \cdots \\[.2zh] 左側から2に近づくと (1.9-2)^2=0.01,\ (1.99-2)^2=0.0001,\ (1.999-2)^2=0.000001,\ \cdots \\[.2zh] いずれも\,\bunsuu{3}{0.01}=300,\ \bunsuu{3}{0.0001}=30000,\ \bunsuu{3}{0.000001}=3000000,\ \cdots\ より,\ 全体は+\infty\,となる. \\[.6zh] 一応グラフも示したが,\ これをイメージして極限を考えるのは困難である. \\[.2zh] むしろ,\ 極限から逆にグラフの形を予想することができ,\ グラフを描く際に重要になる(数\text{I\hspace{-.1em}I\hspace{-.1em}I}微分).
右側極限x\to+\,0を考えるときはx>0,\ 左側極限x\to-\,0を考えるときはx<0としてよい. \\[.2zh] すると絶対値をはずすことができるから,\ 連続関数x+1,\ -\,x-1の極限に帰着する. \\[.2zh] x\to aの極限を考えるとき,\ \bm{x=aのときの値は一切関係ない}ことに注意する. \\[.2zh] \dlim{x\to a}f(x)\,は,\ 「\bm{x\to aのときにf(x)が近づく\dot{目}\dot{標}}」のことであり,\ f(a)のことではない. \\[.6zh] 本問では,\ 右側から近づく目標が1,\ 左側から近づく目標が-1ということである.
まず,\ ガウス記号\gauss{ }の具体例を示す. \gauss{2.4}=2,\ \ \gauss{3}=3,\ \ \gauss{-\,1.5}=-\,2,\ \ \gauss{\bunsuu92}=4 \\[.6zh] y=\gauss{x}\,のグラフは,\ 覚えておくことが望ましい.\ 様々な分野で頻出し,\ 極限も一目瞭然である. \\[.2zh] もちろん,\ グラフを覚えていなくても考えれば極限はわかる. \\[.2zh] x\to1+0の極限は,\ 1より大きく1に十分近いxの範囲での\gauss{x}の値の変化を考えれば十分である. \\[.2zh] 1<x\leqq1.2で考えると,\ \gauss{1.2}=1,\ \gauss{1.1}=1,\ \gauss{1.01}=1,\ \cdots であり,\ 1に収束することがわかる. \\[.2zh] x\to1-0の極限は,\ 1より小さく1に十分近いxの範囲での\gauss{x}の値の変化を考えれば十分である. \\[.2zh] 0.8\leqq x<1で考えると,\ \gauss{0.8}=0,\ \gauss{0.9}=0,\ \gauss{0.99}=0,\ \cdots であり,\ 0に収束することがわかる. \\[.2zh] \dlim{x\to1-0}f(x)はf(x)が左側から近づく\dot{目}\dot{標}のことであるから,\ \gauss{1}=1であることは一切関係ない.
グラフが描ければ一目瞭然だが,\ 素早く描くことは難しい. \\[.2zh] x=1.2,\ 1.1,\ 1.01,\ \cdots\,を考えると,\ x\to1+0のとき,\ 次のようにして1に収束することがわかる. \\[.2zh] \gauss{2.4}-\gauss{1.2}=2-1=1,\ \ \gauss{2.2}-\gauss{1.1}=2-1=1,\ \ \gauss{2.02}-\gauss{1.01}=2-1=1,\ \cdots \\[.2zh] x=0.8,\ 0.9,\ 0.99,\ \cdots\,を考えると,\ x\to1-0のとき,\ 次のようにして1に収束することがわかる. \\[.2zh] \gauss{1.6}-\gauss{0.8}=1-0=1,\ \ \gauss{1.8}-\gauss{0.9}=1-0=1,\ \ \gauss{1.98}-\gauss{0.99}=1-0=1,\ \cdots \\[.2zh] 1に十分近い範囲で考えれば十分だが,\ 正確には\,\bunsuu12\,や\,\bunsuu32\,を境に\,\gauss{2x}-\gauss{x}\,の値が変化する.